商品の競争優位性
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形成している競争力の有無、 競争力のある商品を組織が形成しているかどうか、及び、変動要因
目次
もし、商品の競争優位性が弱いとすれば、それはどういうことか
コモディティ化している
- “コモディティ化” とは
- 商品が普及し類似製品が市場に溢れ、新たな機能を付加してもすぐに追いつかれて新規性を失う。コモディティ化すると、供給過剰になると同時に、類似製品との差別化ができないため、自社製品を売るために各社は競って値下げする。この結果、どんどん低価格化競争へと進んで行く。
- 商品がコモディティ化してしまうと抜け出すことはできないばかりか、悪い方向へと次々に向かて行く。
- 一気に様々な品揃えが開発される。しかし、新たな品揃えによる増収も束の間であり、収益の柱となる商品がなくなる。
- 製品世代交代の競争となり、すぐに他社の新製品に追いこされてしまう。
- 世代交代が早くなる(製品ライフサイクルが短かうなり、新製品の開発のために投資した資金を回収する前に、寿命が尽きてしまう)
- 世代交代により、自社製品間でカニバリ(共食い)が始まる
- 問題となるのは、急速にコモディティ化する場合である。新機軸の製品を出しても、他社が模倣可能、参入可能、技術的にも可能であれば、すぐに追随する企業が沢山現れて、一気にコモディティ化が進んでしまう。
- “コモディティ化している”の論点(捉え方の軸と筋道)
- コモディティ化した事業から、早く方向転換した方が良い。
- コモディティ化は企業にとって再現のない消耗戦である。低価格化競争が進むことで利益を確保できなくなり、体力のない企業から撤退、若しくは、倒産へと追い込まれる。労務費を低減するために人員削減に、原材料費の削減のためにサプライヤへの値引き要請となり、サプライヤの経営も悪化する。それでも事業を維持しようと思えば、より安価に生産できる地域への展開、あるいは、より安い国で生産する企業への外注等となる。
- コモディティ化した事業を続けるには、まずは、固定的にかかる費用を減らさなければならない。それから、薄利でも沢山売ってくれる販売チャネルネットワークを構築し、広く薄い市場で販売しなければならない。一方、販売チャネルネットワークを構築しするための資金と信用力も必要であるが、販売チャネル側の信用確認(与信管理)も必要である。
- 薄利であるために、故障や事故などが合ったときの保証責任も可能な限り軽くしておくことが必要である。
- 背景にある問題の深掘り
機能と費用を比較して選ばれない
- “機能と費用の比較” とは
- “機能と費用の比較”とは、“コストパフォーマンス”(費用対効果)のことで、費用と効果の釣り合いのことであるが、その効果を出し得る能力、即ち、実現しうる機能に焦点をあてて、言い換えている。
- “値頃感”は、商品の値打ちに対して顧客が抱いている「これぐらいの価格なら買う」という価格帯で、色々見聞きして知っている同程度の商品の平均的価格、自らの経済状態や景気動向(好況/不況、バブル景気/デフレ)に心理的に作用される。“機能と費用の比較”でいう費用(購買価格、即ち、購買に伴う出費)は、この“値頃感”が基準となる。
- この“値頃感”を基準にして“機能と費用を比較して選ばれない”が決まる。高すぎたら駄目だし、安ければ良いというものでもない。
- “機能と費用を比較して選ばれない”とは、以下の様な状況が想定される。
- 機能的に競合製品に劣っている、しかも、比較して高いから買わない
- 機能的に競合製品に劣っている、比較して安いけど買わない(機能重視)
- 機能的に競合製品より優れているが、こんなに高いなら買わない
- 機能的に競合製品より優れているし、そんなに高くないが買わない(不要不急)
- 高くても良いが、この機能では駄目だ
- 安くても、この機能では駄目だ
- 高くてもそれだけの価値がない(サービス価値が低い、ブランド価値が低い)
- “機能と費用を比較して選ばれない”の論点(捉え方の軸と筋道)
- “機能と費用を比較して選ばれない”を回避しなければ売上高が低下する。上記の逆の状況を作り出す施策が必要となる。
- 機能的に競合製品に優れている、しかも、比較して安いから買う
- 機能的に競合製品に優れている、比較して高いけど買う(機能重視)
- 機能的に競合製品より劣っているが、こんなに安いなら買う
- 機能的に競合製品より優れているし、そんなに高くないので買う(いつか要る)
- 高くても、この機能だったら納得する
- 安くても、この機能だったら納得する
- 高くてもそれだけの価値がある(サービス価値が高い、ブランド価値が高い)
- 手頃な価格でも「今日は買わない」「買わなくても何とかなるなら節約する」「安売りの時に買う」、あるいは、想定した価格だけど「どうしても必要だから買う」「流行(旬)だから買う」「値上がりする前に買う」等の心理が働く場合が多い。
- こうしたことを考えて「いつ、いくらで売りに出す」「いつ、いくら値引きする」「販売を終わらせる」といった施策を考えなければならない。
- “機能と費用を比較して選ばれない”を回避しなければ売上高が低下する。上記の逆の状況を作り出す施策が必要となる。
- 背景にある問題の深掘り
新機軸の商品に取って代わられている
- “新機軸の商品” とは
- これまで市場に流通していた商品とは全く異なるデザイン、コンセプト、使い方、新たな利便性、技術等がによって実現された商品である。
- “新機軸の商品に取って代わられている”とは、単にそうした“新機軸の商品”が開発されただけでなく、既存の商品が市場で流通しているときに、一気に当該市場に浸透してしまう状況である。
- いわゆる社会生活(暮らしや仕事)の仕方、、自分らしい時間の過ごし方、即ち、生活のプラットフォームの転換に関わることが多い。
- 貿易の自由化等によって海外から輸入されて国内の市場を一気に席巻する場合に“新機軸の商品に取って代わられている”こともある。
- “新機軸の商品に取って代わられている”の論点(捉え方の軸と筋道)
- 既存事業が成長期、成熟期にあって収益を稼ぎ出しているときに、“新機軸の商品”が出現し市場を席巻してしまうと、既存の収益の柱となる事業が一気に崩壊し、企業の存続の危機となる。
- 背景にある問題の深掘り
サービス化が遅れている
- “サービス化” とは
- サービスの重要性が認識さている。多くの場合、付帯サービスが不充実であり、付帯サービスを充実することで付加価値として、競合他社との差別化を図ろうとしている。
- しかし、“もの”を中心にしてビジネスを考えて、“もの”に付随した“付加価値としてのサービス”という発想ではなく、“サービス”を提供する上で必要な“もの”を提供するという逆の発想の重要性が認識され始めている。
- “サービス化が遅れている”の論点(捉え方の軸と筋道)
- 成熟化社会となり、日々の暮らしに必要な“もの”は各家庭、各職場に普及している。グローバルでの競合ひしめく中で、多くの“もの”はコモディティ化してきている。こうした状況にあって、企業として収益を得る源泉は“サービス”に移りつつある。
- 一刻も早く“サービス”を中心にした発想でビジネスを再構築しなければ、新たなアイディアの開発、ノウハウの蓄積、ブランド構築といった様々な側面で出遅れてしまい、競争優位性の確立が難しくなる。
- 背景にある問題の深掘り
用語
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Trigonal Thinking | Thinking maps |
関連事項
- 経営戦略論、経営戦略フレームワーク、事業戦略論、事業戦略フレームワーク、マーケティング戦略論、マーケティング戦略フレームワーク
- 結果として生じる問題:経済合理性を追求する活動への負の影響、パフォーマンスの低下
- 同じ深さの論点:形成している競争力の有無
- 原因として想定される問題:競争力を形成しうる組織能力の有無
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