商品の創造力

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競争力を形成しうる組織能力の有無、
魅力ある商品を創造する能力、及び、変動要因

魅力ある商品を創造する能力を決定づける変動要因とその論点

変化を捉えたコンセプトが滲み出ていない

  • 社会や市場の変化、思い巡らしている思い、ビジョンを織り込んで商品体系を再構築しているか
    1. 何故、“社会や市場の変化、思い巡らしている思い、ビジョンを織り込んで商品体系を再構築する” であるのか
      • “魅力ある商品を創造する能力が不足している”ことの要因として、“変化を捉えたコンセプトが滲み出ていない”ことをあげることができる。
      • 商品のコンセプトは、顧客の心に訴求し感動とともに共感を得るための、提供者側から顧客へのメッセージでもある。そして、そのコンセプトを伝えるためには、商品にコンセプトが滲め出ていないと駄目である。
    2. 如何に“社会や市場の変化、思い巡らしている思い、ビジョンを織り込んで商品体系を再構築する”を実施するのか
      • 社会や市場が多様に急速に変化していくなかで、組織として思い巡らしている「いつまでに」「どんなことが変わる」「どんな社会になる」への思い、実現しようとしているビジョンを明確にして、それを開発者がどのように受けとめ、今の時点で何をどのように実現しようとしているか、コンセプトとして商品に織り込んでいく。
      • “変化に合ったコンセプトで商品体系を再構築する”ためには、以下の点に留意して進めることが必要である。
        • 商品の過去、現在から、未来はこうなるを読む
        • 商品体系全体としての基本コンセプトを描く
        • 具体的なイメージを商品に体現させる
        • 設計思想
        • デザイン
        • フォルム
        • 業界のフラグシップ製品となるようにコンセプトを取り組む

商品と市場の感覚がマッチしていない

  • 商品をスペックで考えるのではなく、顧客の心に響くストーリーで商品を考えているか
    1. 何故、“商品をスペックで考えるのではなく、顧客の心に響くストーリーで商品を考える” であるのか
      • “魅力ある商品を創造する能力が不足している”ことの要因として、“商品と市場の感覚がマッチしていない”ことをあげることができる。
      • 商品のコンセプトは、顧客の心に訴求し感動とともに共感を得るための、提供者側から顧客へのメッセージでもある。しかし、メッセージとして伝わるためには、“顧客から見た商品のある情景を描く”で描いて理解し賛同されなければならない。
    2. 如何に“商品をスペックで考えるのではなく、顧客の心に響くストーリーで商品を考える”を実施するのか
      • 商品をスペックで考えるのではなく、顧客の「これが嬉しい」「心に響く」 をストーリーにして商品を考えるための手順は以下のようである。
        • 目の前にいる顧客ばかりでなく、その先にいる家族や周りの人達に思いを馳せる
        • 顧客ばかりでなく、その先にいる家族や周りの人達の視点で商品の利便性や不便を考える
        • 顧客ばかりでなく、その先にいる家族や周りの人達の視点で「嬉しい」「心に響く」を思い描いてみる
        • 顧客がその商品を使っているときの情景、会話を想像し、思い描いた「嬉しい」「心に響く」がどのように実現されるかシナリオを描いてみる
        • 商品の「嬉しい」「心に響く」をストーリーにして提供する

商品の未来像が描かれていない

  • 今目の前にある商品が実現する利便性だけではなく、その先にある将来にわたって、何を実現するかを描いているか
    1. 何故、“今目の前にある商品が実現する利便性だけではなく、その先にある将来にわたって、何を実現するかを描く” であるのか
      • “魅力ある商品を創造する能力が不足している”ことの要因として、“商品の未来像が描かれていない”ことをあげることができる。
      • 社会や市場に受け容れられる商品とするためには、今目の前にある商品が実現する利便性だけではなく、その先にある将来にわたって、何が実現されるかが示されなければならない。
      • 社会や市場の変化をどの様に捉えているか、また、組織として思い巡らしている思いや実現しようとしているビジョンを明確にして、「いつまでに」「どんなことが変わる」「どんな社会になる」をどう実現していくかのシナリオを描くことが必要である。
    2. 如何に“今目の前にある商品が実現する利便性だけではなく、その先にある将来にわたって、何を実現するかを描く”を実施するのか
      • 今目の前にある“もの”には寿命(旬である期間、耐用年数、製品ライフサイクル)がある。
      • “こと”には時間自由度がある。社会や市場が多様に変化していくなかで、人の脳裏には様々な“こと”が去来し、遠い過去の記憶が今の“こと”のように蘇り、遠い将来の“こと”が今の目の前に自由に思い描かれる。
      • “未来の社会に商品が何を実現するかを描く”には、“もの”にある寿命を越えて、様々な視点や論点から“こと”の世界を描き出されなければならない。
        • 夢を実現した将来の素敵な社会の実現を描く
        • 顧客が描く“その先” にある世界、情景、会話を想像して描く
        • 顧客やその家族、友人といった周辺の人達の「嬉しい」「心に響く」を想像して描く
        • 技術の進化、規格の進化、素材の進化、小型軽量化、要素技術の進化、生産技術の進化等から描く
        • 商品の環境配慮、3R対応等の社会的課題への対応等の視点から描く
        • 低コスト化の視点から描く
        • 商品の将来像を描く
        • 商品のロードマップを描く、ロードマップの優位性を描く

独自商品の育成に情熱を注いでいない

  • 商品育成の考え方、段階的発展過程、各時点での目的と目標、実現することを描いているか
    1. 何故、“商品育成の考え方、段階的発展過程、各時点での目的と目標、実現することを描く” を考える” であるのか
      • “魅力ある商品を創造する能力が不足している”ことの要因として、“独自商品の育成に情熱を注いでいない”ことをあげることができる。
      • “社会の未来像でストーリーを描く”と同時に、それをどうやって実現するかが示されなければならない。それが“商品育成への取り組みを描く”である。
    2. 如何に“商品育成の考え方、段階的発展過程、各時点での目的と目標、実現することを描く”を実施するのか
      • “商品育成へ取り組み”には、以下のことが説明されていなければならない。
        • 商品の育成に対する考え方が示されていること
        • その取り組みの段階的発展の過程が時系列的に示されていること
        • その各時点では、何を目的とし、何を目標として、何が実現されていくかが示されていること
      • “商品育成への取り組み” を描いていくためには、その商品を心底好きになり、また、商品の魅力を心の底から好きだと感じていなければ、多くの人を動かすだけの熱意で“商品育成への取り組みを描く”ことはできない。


用語



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