セールスパイプラインの問題と解決
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2016年9月29日 (木) 14:21時点におけるJunichi ikebe (トーク | 投稿記録)による版
セールスパイプラインの滞留や失注に隠された問題の深層と根本的な解決
顧客との会話のシーンから、セールスパイプラインの停滞や失注のどのような背景要因が考えられるのか、また、それが組織の中の問題(顧客の都合で進まないのではない)に起因するならば、その深層にはどの様な課題が隠れているのか深掘りして分析し変革していかなければならない。
顧客の都合で進まない
競合企業の存在が障害
ビジネスモデルが弱い
商品の訴求力が弱い
提案力が弱い
- “必要とする人のニーズを満たしていない”とは(主に、B2Bビジネスの場合)
- 表面的には、提案依頼に示された“要求を満たしていない”ことである。
- しかし、本質的には、事業拡大、業績アップ、課題解決が自らの使命だと感じている決裁者の心に提案内容が響いていないことを意味する。
- “必要とする人のニーズを満たしていない” の論点(捉え方の軸と筋道)
- “提案に惹きつける力がない”と同様に、受注というゴールを目前にした最後の決定力に欠けていることを意味し、確実に失注につながる。
- セールスパイプラインに沿ってそれまでにかけてきた時間、セールスコストが水泡に帰してしまう。
- “必要とする人のニーズを満たしていない”理由
- 事業拡大、業績アップ、課題解決が自らの使命だと感じている決裁者が持っている問題意識、こういうことを実現したいという深層にあるニーズを捉えていない。
- しかし、その本質は、そうした深層にあるニーズを分析する能力がないこと、さらには、そうした認識を持ちうる知的レベルに達していないことを意味する。
- “課課題解決が自らの使命だと感じている決裁者のニーズをつかむ”
- 何故、“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者のニーズをつかむ” であるのか
- どんなに課題解決が必要だと主張している人でも、自らの使命だと感じて取り組んでいなければ、所詮は、社内を評論的に批判しているか、愚痴でしかない。ビジネスであるなら、そうした人に付き合う時間は無駄である。もっとも、そうした人達を仲間に引き入れておくこと、そうした人達を介して“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者”に辿り着くこともありうる。
- “課題解決が自らの使命だと感じている”“決裁者である”からこその責任のあるニーズを持っている場合がある。提案依頼書に書かれた要求事項を満たすことは最低ラインであり、本来、提案とは、課題解決が自らの使命だと感じている決裁者のニーズを満たす内容でなければならない。
- 決裁権限がなければ、購買に対する意思決定がなされない。また、決裁権者が他にいると、そこでまた、話しが転覆する可能性もある。
- 如何に“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者のニーズをつかむ”を実施するのか
- 準備段階として、標的企業の経営環境、経営状況を分析して課題を想定しておく。
- 事前に課題解決が自らの使命だと感じている決裁者を探し、辿り着くための伝手を辿っていく。
- 事前に課題解決が自らの使命だと感じている決裁者とのコミュニケーションを密にしてニーズをつかむ
- コミュニケーションのタイミングには配慮する(夜討ち朝駈けは愚の骨頂であり、本来は避けるべきである。また、話しを聞いて欲しい時はできるだけ余裕のある日時帯を計画する。事前に了解を得ているのなら、切羽詰まったときのタイミングを利用することもありうる)
- 悩みの共感に徹する
- 何故、“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者のニーズをつかむ” であるのか
- “課題に共感して一緒になって解決していくという提案とする”
- 何故、“課題に共感して一緒になって解決していくという提案とする” であるのか
- “課題解決が自らの使命だと感じている決裁者”は顧客企業にあって孤独な立場であり、既得権益をもっている現状維持を主張する人達から疎まれ、失敗することを望まれていることすらありうる。
- だからこそ、“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者”の悩みを聞き、課題に共感して一緒になって解決してくれるという信頼を獲得することが必要なのである。
- 如何に“課題に共感して一緒になって解決していくという提案とする”を実施するのか
- “課題解決が自らの使命だと感じている決裁者のニーズをつかむ”ことが前提であり、その実施内容を踏まえておくことが大事である。
- 可能であれば、“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者”に提案内容の了解をとっておく。
- 何よりも、積み重ねてきたコミュニケーションによる信頼関係を大切にして、期待を裏切らず、不信感を持たれない様に細心の注意を払う。特に、否定的な人達のつけいる隙を与えない様にして、“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者”が苦境に陥ることのない様にする。
- また、その人が意思決定するための行動に全力を挙げて協力する。
- 何故、“課題に共感して一緒になって解決していくという提案とする” であるのか
- 背景にある問題の深掘り
- 組織の競争優位性についての視点から 営業の競争優位性、顧客訴求力の競争優位性 について深掘りすることが必要である。また、商品の競争優位性、更には、商品開発の競争優位性、技術の競争優位性 の視点からも、必要とする人のニーズを満たしていない原因が深層にあるのではないか探る必要がある。
人間関係が障害
- “接点にいる顧客との相性が悪い”とは(主に、B2Bビジネスの場合)
- 多くの場合、ビジネストークは、お互いを尊敬するビジネスマナーを前提として、大人の会話で展開される。しかし、営業担当者と接点にいる顧客側の担当者の間で、どうしても話しの歯車がかみ合わずに、会話が成立せっず、お互いの意思疎通ができない状態に陥ってしまうことがある。
- それでも、営業の数字を上げるために、滅私奉公、根性論が根強く求められるのは、こうした課題を乗り越えていかなければならないからである。
- しかし、営業担当者にとって、顧客の双方にとっても、単に精神論だけで進めことは精神衛生上の負担(ストレス)となり、必ずしも良いことではない。
- かといって、接待や金品の提供などは許されない。
- “接点にいる顧客との相性が悪い” の論点(捉え方の軸と筋道))
- 単に現場での人間関係だからと見くびってしまうと、接点にいる顧客と対峙してしまって、案件を獲得する上での障害となってしまう。
- 結果として、セールスパイプライン上で案件が停滞してしまい、やがては業績悪化につながっていく。
- “接点にいる顧客との相性が悪い”理由
- 表面的には、表現の仕方が相手に対して不適切であったり、性格の違いだったり、様々な態度が影響したりして生じる問題である。
- 深層的には、生まれ育ってきた環境で育んできた人との接し方の違いに起因する。
- 更には、人生観や企業の文化も影響してくる。
- “顧客であるその人に敬意を払うことに心掛ける”
- 何故、“顧客であるその人に敬意を払うことに心掛ける” であるのか
- 日本は“おもてなし”文化の社会である。顧客からは見えない場所でも、顧客が気づく前にさりげなく心遣いをして準備をしておくところに“心のつながり”を感じる。
- 如何に“顧客であるその人に敬意を払うことに心掛ける”を実施するのか
- “おもてなし”文化を啓発して、その大事さを共有する。
- “ビジネスマナー”“江戸しぐさ”等の事例を通して、ちょっとした相手を敬う態度や行動の基本を共有する。
- 身の回りにあること、すぐにできることから“おもてなし”文化を実践し体得できるようにする。
- こうした活動をお互いに披露し合って、切磋琢磨していく。
- 何故、“顧客であるその人に敬意を払うことに心掛ける” であるのか
- “深層にある心に根ざした言葉を聴く”
- 何故、“深層にある心に根ざした言葉を聴く” であるのか
- コミュニケーションは聴くことから始まる。そして、深層にある心情を感じることで、心が通じ合っていく。
- 如何に“深層にある心に根ざした言葉を聴く”を実施するのか
- 知ったかぶり、批判は、ついつい上から目線となってしまう。
- “でもね”“しかし”“だから”といった言葉は使わない習慣をつける。“そうですね”“そこで”といった、共感し、次につなげる言葉を上手く活用して、前向きな対話(ストローク)となるようにコンテクスト(言葉のつながり、言外の雰囲気)を作っていく。
- 愚痴や不満のはけ口として、相手の企業内の人や組織に対する悪口を聴くことは大事である。しかし、それ以上に悪口を言ったり、同調して行動したりすることは避けるべきである。
- 何故、“深層にある心に根ざした言葉を聴く” であるのか
- “会社と会社のつき合いに広げる”
- 何故、“会社と会社のつき合いに広げる” であるのか
- お互いにビジネスマンである以上、個人と個人の会話だけでは話しが進まない。個人と個人の接点だけでなく、会社と会社の接点として広げることで、組織と組織との間での人間関係とすることで、個人の負担を軽減することが可能となる。
- 事業戦略に沿った会話をすることで、個人と個人の感情のもつれを客観的に解消することができる。
- 如何に“会社と会社のつき合いに広げる”を実施するのか
- 営業部門において、上司は部下に任せるだけでなく、可能な限り早く顧客との接点に絡んでいく様にする。
- 営業部門において、部下は上司に報告するだけでなく、可能な限り早く顧客との接点に上司を巻き込んでいく様にする。
- 上司は、案件の内容に応じて、少しでも早く、チームセリングやトップアプローチの道筋を考えて行動計画を立てていく。
- 何故、“会社と会社のつき合いに広げる” であるのか
- “どうしたいかを聞くのではなく一緒に解決する”
- 何故、“どうしたいかを聞くのではなく一緒に解決する” であるのか
- 成熟社会においては、競争が激化してパイの奪い合いである。これまでの様にモノを売れば良いというのではなく、その先にある“こと”を実現したその先にあるストーリーを描くこと、一緒に将来の夢をみる共感が、本当の価値として提供されなければならない。この共感こそが差別要因となる。
- 問題を解決しさえすれば良いという“上から目線”ではなく、一緒に解決していこうというパートナーとしての役割が求められている。
- 如何に“どうしたいかを聞くのではなく一緒に解決する”を実施するのか
- 上記にある“顧客であるその人に敬意を払うことに心掛ける” “深層にある心に根ざした言葉を聴く” “会社と会社のつき合いに広げる”を実施することは必要条件であっても、十分条件を満たしたことにはならない。
- 対話の中から、顧客のニーズのその先にある、人やシーンを想像して、本当に実現したいことを読み取る習慣を実践し、徐々に身に着けていく。
- 対話のその先を読み取っていくことで初めて、“接点にいる顧客との相性が悪い”という問題を乗り越えていくことが可能となる。
- 何故、“どうしたいかを聞くのではなく一緒に解決する” であるのか
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