セールスパイプラインの問題と解決
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2016年9月29日 (木) 14:08時点におけるJunichi ikebe (トーク | 投稿記録)による版
セールスパイプラインの滞留や失注に隠された問題の深層と根本的な解決
顧客との会話のシーンから、セールスパイプラインの停滞や失注のどのような背景要因が考えられるのか、また、それが組織の中の問題(顧客の都合で進まないのではない)に起因するならば、その深層にはどの様な課題が隠れているのか深掘りして分析し変革していかなければならない。
顧客の都合で進まない
競合企業の存在が障害
ビジネスモデルが弱い
商品の訴求力が弱い
- “すぐに欲しくなるストーリーになっていない”とは、
- 今、すぐに欲しくなければ、誰もその商品を買おうとはしない。また、顧客はニーズがあり、買ってどう使うかが描けなければ、誰もその商品を買わない。
- ただし、B2Cにおいては、店頭で商品を見て、衝動的に購買してしまう場合もある。
- 今、すぐに儲かるのであれば、安易に購買の意思決定をする。
- 今、目の前にある問題をなるほどと思える方法で解決できるのであれば、比較的安易に購買の意思決定をしてしまう。
- 今すぐに買った方が得策だと判断した場合に購買の意思決定がなされる。“すぐに欲しくなるストーリーになっていない”ことで、販売機会ロスを生じる。
- 今、すぐに欲しくなければ、誰もその商品を買おうとはしない。また、顧客はニーズがあり、買ってどう使うかが描けなければ、誰もその商品を買わない。
- “すぐに欲しくなるストーリーになっていない” の論点(捉え方の軸と筋道)
- 比較的短期間に受注、売上につながる案件の確保ができず、セールスパイプラインを太く短くすることができない。
- キャッシュフローの回転も悪くなり、やがては企業経営が逼迫する。
- “すぐに欲しくなるストーリーになっていない”理由
- 社会の変化、市場の変化、顧客ニーズの変化に疎いために“すぐに欲しくなるストーリーになっていない”ことが起きてしまう。
- 相手にとって欲しいと思うためのストーリーを描く構想力がない。
- その背景には、企業という組織内部での議論の中心が、技術の視点でものごとを考えてしまう、どうやって実現しようかという方法の善し悪しでものごとを考えてしまう、といった思考の癖が染みついていることによる。
- 最悪の場合として、組織内の業務の流れ、事務手続きの都合が重視されるあまり、顧客への視点が軽視される。
- “顧客のストーリーで訴求する”
- 何故、“顧客のストーリーで訴求する” であるのか
- 顧客の目線で、顧客が何を実現したいかのストーリーを描けていないと、顧客にも関心を持ってもらえない。
- 大事なことは、目の前にいる顧客の今のニーズだけでなく、それによって何を実現したいのかに想いを巡らせていない。それは、顧客のその先にいる家族や友人のことかも知れないし、顧客も含めたそうした人達の明日に起こることに関わるかも知れない。
- 如何に“顧客のストーリーで訴求する”を実施するのか
- まずは、社会の変化、市場の変化、顧客ニーズの変化に関心を持つことが前提となる。
- そして、顧客に関心を持って、顧客ニーズのその先にあることへ思いを馳せる工夫をして、耳を傾けてヒヤリングする習慣を身につける。
- すぐにはできなくても、すべての案件に対して“顧客のストーリーを描く”ことで、“顧客のストーリーで訴求する”ことができる様になる。
- 何故、“顧客のストーリーで訴求する” であるのか
- “時流へのストーリーで訴求する”
- 何故、“時流へのストーリーで訴求する” であるのか
- 顧客は案外と時流に興味を持っている。
- 時流に乗っていない場合、顧客に価値を認知してもらえない。特に、時代遅れのものには誰も関心を持たない。
- 如何に“時流へのストーリーで訴求する”を実施するのか
- まずは、社会の変化、市場の変化、顧客ニーズの変化に関心を持つことが前提となる。
- そして、時流に関心を持って、時流のその先にあることへも思いを馳せる。
- すぐにはできなくても、すべての案件に対して“時流へのストーリーを描く”ことで、“時流へのストーリーで訴求する”ことができる様になる。
- テーマによっては、自社内で専門家やエバンジェリストと称する人もいるかも知れない。可能であれば、そうした社内リソースを上手く活用すると良い。
- 何故、“時流へのストーリーで訴求する” であるのか
- “歴史観のあるストーリーで今こそだと訴える”
- 何故、“歴史観のあるストーリーで今こそだと訴える” であるのか
- 社会全体として長い歴史の中で実現が期待されたものがある。それは、顧客にとっても関心の高いことでもある。
- そうした“長い歴史の中で実現が期待されたもの”を実現しているにも関わらず、それを伝えなければ価値が伝わらない。
- “長い歴史の中で実現が期待されたもの”の実現は、顧客にとっても大きなインパクトであり、それが入手可能であるなら尚更である。
- 如何に“歴史観のあるストーリーで今こそだと訴える”を実施するのか
- 歴史的な発展の経緯を示す資料を作成し公表する。その際、“長い歴史の中で期待されてきた○○が遂に実現”くらいの仰々しさも有って良い。
- 権威の有る第三者がその実現を“遂に実現した”“感激と驚きである”といった論評とともに大衆に訴求力のあるメディアで伝えてくれるたなら、効果は抜群である。
- そこまではできなくとも、購買した顧客に語ってもらうことでも効果がある。
- 何故、“歴史観のあるストーリーで今こそだと訴える” であるのか
- “合点のいくイメージを感じるストーリーで訴求する”
- 何故、“合点のいくイメージを感じるストーリーで訴求する” であるのか
- 実現イメージが描けず、必要性を認識できない場合がある。しかし、簡略化(デフォルメ)して分かり易くたイメージではなく、“合点のいくイメージ”を描くことが大事である。
- 実現イメージの助けとなるのが事例である。しかし、事例はその企業の実情が色濃く反映したものであり、必ずしも顧客にとって“合点のいくイメージ”であるとは限らない。むしろ、顧客にとっての反証にもなりかねない。
- 如何に“合点のいくイメージを感じるストーリーで訴求する”を実施するのか
- 最も容易に準備できるものは成果物例である。
- 大事なことは、単に成果物例を示すことではなく、顧客に合わせて、顧客が理解しやすく納得のいく成果物により必要性を感じるストーリーで訴求することである。
- 何故、“合点のいくイメージを感じるストーリーで訴求する” であるのか
- “サポート体制で安心できるストーリーで訴求する”
- 何故、“サポート体制で安心できるストーリーで訴求する” であるのか
- 買ったはいいが使い方が分からなかったり、サポートが十分でなかったり、品質の保証がなかったりしたらという不安を、顧客は常に抱いている。
- 如何に“サポート体制で安心できるストーリーで訴求する”を実施するのか
- まずは、販売用のパンフレットに“サポート体制”をきちんと謳っておくことである。そして、見積もりや契約に際してもきちんと明記し、サービスレベルや金額を織り込んでおくことである。
- 提案等の際に、導入した顧客に事例発表をしてもらい、体験談を語ってもらうのが最も効果的である。プライベートセミナーでのユーザー事例などの発表の場で、顧客にその体験談を語ってもらうのもよい。
- 何故、“サポート体制で安心できるストーリーで訴求する” であるのか
- “コスト・パフォーマンスの納得感を訴える”
- 何故、“コスト・パフォーマンスの納得感を訴える” であるのか
- コスト・パフォーマンスが悪ければ買わない。絶対的な基準もあるが、コンペになった場合には、コスト・パフォーマンスの競争となる。
- 如何に“コスト・パフォーマンスの納得感を訴える”を実施するのか
- 特に、情報通信機器や設備機器においては、処理精度、処理速度、産出量、稼働率などの実績値をきちんと測定し提供できるようにしておかなければならない。
- コンペになった場合には、顧客の要求に沿った測定値を提出出来る様にしておくことも必要である。
- 何故、“コスト・パフォーマンスの納得感を訴える” であるのか
- 背景にある問題の深掘り
- 組織の競争優位性についての視点から 営業の競争優位性、顧客訴求力の競争優位性 について深掘りすることが必要である。また、商品の競争優位性、更には、商品開発の競争優位性 の視点からも、すぐに欲しくなるストーリーを描けない原因が深層にあるのではないか探る必要がある。
- “将来を先取りしたストーリーになっていない”とは
- 景気が良くなり、また、業績が好転してくると、将来への事業拡大と増収益を見込んで、先行投資への意欲が高まる。そうした顧客ニーズに “将来を先取りしたストーリー”で訴求できていない。
- 将来への不安やリスクを大きく感じる時には、リスクの回避/低減/移転に対する先行投資への関心が高まる。
- 今の内に投資した方が得策だと判断した場合に先行投資の意思決定がなされる。“将来を先取りしたストーリーになっていない”ことで、販売機会ロスを生じる。
- “将来を先取りしたストーリーになっていない” の論点(捉え方の軸と筋道)
- 将来への不安やリスクが差し迫って感じられる場合は、比較的短期間に受注、売上につながる。“将来を先取りしたストーリーになっていない”と、そうした案件の確保ができず、セールスパイプラインを太く短くすることができない。
- キャッシュフローの回転も悪くなり、やがては企業経営が逼迫する。
- “将来を先取りしたストーリーになっていない”理由
- 社会の変化、市場の変化、顧客ニーズの変化に疎いために“将来を先取りしたストーリーになっていない”ことが起きてしまう。
- 相手にとって将来を見越した、先行投資をしてでも欲しいと思うストーリーを描く構想力がない。
- その背景には、企業という組織内部での議論の中心が、技術の視点でものごとを考えてしまう、どうやって実現しようかという方法の善し悪しでものごとを考えてしまう、といった思考の癖が染みついていることによる。
- 最悪の場合として、組織内の業務の流れ、事務手続きの都合が重視されるあまり、顧客への視点が軽視される。
- “他社もやろうとしているから今の内にを訴える”
- 何故、“他社もやろうとしているから今の内にを訴える” であるのか
- 景気が良くなる兆しがあれば、将来への事業拡大のチャンスであると誰もが想像する。
- 先行したものが多くの利益を得られるというのが誰もが持つ直観であり、“他社もやろうとしているなら、それに先んじて我が社でもやろうじゃないか”というのが人情である。
- 如何に“他社もやろうとしているから今の内にを訴える”を実施するのか
- まずは、社会の変化、市場の変化、顧客ニーズの変化に関心を持つことが前提となる。
- 内閣府、総務省、経産省、厚労省等が発表する経済指標、日銀短観を常にウォッチしておく。
- 上記関連の白書の記載や顧客業界誌の記事を引用すると効果的である。
- 何故、“他社もやろうとしているから今の内にを訴える” であるのか
- “将来の困り事の前に対応するを訴える”
- 何故、“将来の困り事の前に対応するを訴える” であるのか
- 将来への不安やリスクを大きく感じる時には、誰もが挙ってリスクの低減/回避/移転のための投資に走るものである。
- 如何に“将来の困り事の前に対応するを訴える”を実施するのか
- まずは、社会の変化、市場の変化、顧客ニーズの変化に関心を持つことが前提となる。
- 内閣府、総務省、経産省、厚労省等が発表する経済指標、日銀短観を常にウォッチしておく。
- 海外のゾブリンリスクにも常にウォッチしておく。
- IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル、Intergovermental Panel on Climate Change)の報告書や国交省や自治体が公表するハザードマップ、気象庁の災害情報などにもアンテナを広げておく。
- 上記関連の白書の記載や顧客業界誌の記事を引用すると効果的である。
- 何故、“将来の困り事の前に対応するを訴える” であるのか
- 背景にある問題の深掘り
- 組織の競争優位性についての視点から 営業の競争優位性、顧客訴求力の競争優位性 について深掘りすることが必要である。また、商品の競争優位性、更には、商品開発の競争優位性、技術の競争優位性 の視点からも、将来を先取りしたストーリーを描けない原因が深層にあるのではないか探る必要がある。
提案力が弱い
- “提案に惹きつける力がない”とは(主に、B2Bビジネスの場合)
- 顧客の関心を惹くこともなく、買うための動機づけにならない提案になっている。
- 自分達の主張ばかりをしたり、ノウハウや製品の押し売りになっていたり、表面的な知識の羅列に終始していたり、考察が不足していたりしていると、顧客は惹きつけられるどころか却って、興ざめして関心を失ってしまう。
- 同様に、他社での成功事例を並べ立てても、自慢話にしかならない。
- 結果的には、買いたいと思うこともないし、買おうという行動も、意思決定もなされ得ない。
- “提案に惹きつける力がない” の論点(捉え方の軸と筋道)
- 提案の機会を得たということは、顧客が関心を持って、こちらを向いてくれていることを示す。しかし、受注というゴールを目前にした最後の決定力に欠けていることを意味し、確実に失注につながる。
- コンペの場合は当て馬にされている場合もある。しかし、このことで顧客とコミュニケーションを交わす機会ができたと解することもできる。
- セールスパイプラインに沿ってそれまでにかけてきた時間、セールスコストが水泡に帰してしまう。
- “提案に惹きつける力がない”理由
- 本質的には、顧客の目線で、顧客の関心事をとらえて、事業拡大、業績向上、課題解決に供する提案をするための思考レベルが低く、掘り下げが浅いことによる。
- ページ数で勝負する、文字数を少なくする、ど派手にする、コミカルにするなどの努力は必要かも知れないが、具備すべき要件としての十分条件ではない。にも関わらず、ここだけに最も力を注いでしまう。
- “要求を満たしていない”“簡潔に結論を示せていない”“しっかりしたロジック展開になっていない”といった基本の欠落こそがが、顧客が駄目出しをする決定的な要因である。
- “内容で惹きつける”
- 何故、“内容で惹きつける” であるのか
- 本来、提案は、その内容によって惹きつけられるのであり、文量や巧みな表現、表面的な出来映えで決まるものではない。
- 競合他社と競うコンペが一般化した状況にあって、他社が真似のできないほどに、内容に磨きをかけることこそが必要なことである。
- 如何に“内容で惹きつける”を実施するのか
- 訴求するポイントを明確にする
- 特に、コンセプトや手法に新規性があると、顧客の興味を惹くことができる
- 差別化するポイントを前面に出す
- こんな凄いことができる、自分達の悩みを見抜いて微に入り細に入りな心遣いまでしてくれる、といったサプライズがあると、顧客の興味を惹くことができる
- 自社のみならず、他社製品についても設計思想に至るまで深く洞察して、比較分析していると、顧客は安心感を持つ(可能なら、エバンジェリストを提案作成に際して活用するとよい)。
- 目的と結論(効果がありこうなる)を明快に示す
- まずは単刀直入に結論から示す。
- 簡潔で明快なロジックで組み立てる。
- 論理展開に際しての全体の基本コンセプト、構成を伝える
- 事業拡大、業績向上、課題解決のために何ができるかを伝える。論理展開としては、①目的と認識している課題の確認、②課題の深層分析、③一般的な解決策の列挙と比較、④採用する解決策の提示と選択の根拠、⑤メリットとデメリット、隘路と解決策の共有、⑥コスト・パフォーマンスの実証(場合によって)、が必須である。
- 具体性を示すために、顧客におけるストーリーを伝える、①どうするのかのイメージ、②何が起き、どう変わるかのイメージを示す。また、その際、③活用の情景のイメージ、④使用方法、運用のイメージ、⑤運命共同体のイメージを描くと良い。
- リアリティが重要であり、資料には極力画像を引用し、プレゼンには、デモンストレーションや動画を活用できると、最も効果的となる。
- 訴求するポイントを明確にする
- 何故、“内容で惹きつける” であるのか
- “熱意で惹きつける”
- 何故、“熱意で惹きつける” であるのか
- 提案の内容が“仏”なら、提案に対する熱意は“魂”である。
- 顧客は、情熱をもって取り組んでくそうだと感じると、安心して任せようという気になる。そのためには、難しいことは不要であり、単純に、企業も組織も人も誠実に向き合ってくれているという感覚を感じ取ってもらえさえすればよい。
- 逆に、提案内容がどんなに綺麗にまとまっていていようとも、少しでもおざなりな雰囲気があると、顧客はなおざりにされることを察知して、購買の意思決定をしようという気にはならない。
- 如何に“熱意で惹きつける”を実施するのか
- トップセールスを活用する。裁権者である経営者が自ら提案するのであれば、問題が起きたときにも責任を持って対処してくれると期待でき、安心できる。
- チームセリングを活用する。担当者任せでなく、組織全体として取り組んでくれていると印象づけることができ、安心できる。
- そして、何よりも担当者のパートナーとしての熱意を感じることが重要である。担当者が会社や組織の都合に付き合わされ振り回されるのは、顧客にとっては迷惑な話しである。また、何よりも、担当者自身が内発的に動機づけられて熱意をもって取り組んでいると、安心して頼もうという気にさせられる。
- 何故、“熱意で惹きつける” であるのか
- 背景にある問題の深掘り
- 組織の競争優位性についての視点から 営業の競争優位性、顧客訴求力の競争優位性 について深掘りすることが必要である。また、商品の競争優位性、更には、商品開発の競争優位性 の視点からも、提案に惹きつける力がない原因が深層にあるのではないか探る必要がある。
- “必要とする人のニーズを満たしていない”とは(主に、B2Bビジネスの場合)
- 表面的には、提案依頼に示された“要求を満たしていない”ことである。
- しかし、本質的には、事業拡大、業績アップ、課題解決が自らの使命だと感じている決裁者の心に提案内容が響いていないことを意味する。
- “必要とする人のニーズを満たしていない” の論点(捉え方の軸と筋道)
- “提案に惹きつける力がない”と同様に、受注というゴールを目前にした最後の決定力に欠けていることを意味し、確実に失注につながる。
- セールスパイプラインに沿ってそれまでにかけてきた時間、セールスコストが水泡に帰してしまう。
- “必要とする人のニーズを満たしていない”理由
- 事業拡大、業績アップ、課題解決が自らの使命だと感じている決裁者が持っている問題意識、こういうことを実現したいという深層にあるニーズを捉えていない。
- しかし、その本質は、そうした深層にあるニーズを分析する能力がないこと、さらには、そうした認識を持ちうる知的レベルに達していないことを意味する。
- “課課題解決が自らの使命だと感じている決裁者のニーズをつかむ”
- 何故、“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者のニーズをつかむ” であるのか
- どんなに課題解決が必要だと主張している人でも、自らの使命だと感じて取り組んでいなければ、所詮は、社内を評論的に批判しているか、愚痴でしかない。ビジネスであるなら、そうした人に付き合う時間は無駄である。もっとも、そうした人達を仲間に引き入れておくこと、そうした人達を介して“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者”に辿り着くこともありうる。
- “課題解決が自らの使命だと感じている”“決裁者である”からこその責任のあるニーズを持っている場合がある。提案依頼書に書かれた要求事項を満たすことは最低ラインであり、本来、提案とは、課題解決が自らの使命だと感じている決裁者のニーズを満たす内容でなければならない。
- 決裁権限がなければ、購買に対する意思決定がなされない。また、決裁権者が他にいると、そこでまた、話しが転覆する可能性もある。
- 如何に“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者のニーズをつかむ”を実施するのか
- 準備段階として、標的企業の経営環境、経営状況を分析して課題を想定しておく。
- 事前に課題解決が自らの使命だと感じている決裁者を探し、辿り着くための伝手を辿っていく。
- 事前に課題解決が自らの使命だと感じている決裁者とのコミュニケーションを密にしてニーズをつかむ
- コミュニケーションのタイミングには配慮する(夜討ち朝駈けは愚の骨頂であり、本来は避けるべきである。また、話しを聞いて欲しい時はできるだけ余裕のある日時帯を計画する。事前に了解を得ているのなら、切羽詰まったときのタイミングを利用することもありうる)
- 悩みの共感に徹する
- 何故、“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者のニーズをつかむ” であるのか
- “課題に共感して一緒になって解決していくという提案とする”
- 何故、“課題に共感して一緒になって解決していくという提案とする” であるのか
- “課題解決が自らの使命だと感じている決裁者”は顧客企業にあって孤独な立場であり、既得権益をもっている現状維持を主張する人達から疎まれ、失敗することを望まれていることすらありうる。
- だからこそ、“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者”の悩みを聞き、課題に共感して一緒になって解決してくれるという信頼を獲得することが必要なのである。
- 如何に“課題に共感して一緒になって解決していくという提案とする”を実施するのか
- “課題解決が自らの使命だと感じている決裁者のニーズをつかむ”ことが前提であり、その実施内容を踏まえておくことが大事である。
- 可能であれば、“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者”に提案内容の了解をとっておく。
- 何よりも、積み重ねてきたコミュニケーションによる信頼関係を大切にして、期待を裏切らず、不信感を持たれない様に細心の注意を払う。特に、否定的な人達のつけいる隙を与えない様にして、“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者”が苦境に陥ることのない様にする。
- また、その人が意思決定するための行動に全力を挙げて協力する。
- 何故、“課題に共感して一緒になって解決していくという提案とする” であるのか
- 背景にある問題の深掘り
- 組織の競争優位性についての視点から 営業の競争優位性、顧客訴求力の競争優位性 について深掘りすることが必要である。また、商品の競争優位性、更には、商品開発の競争優位性、技術の競争優位性 の視点からも、必要とする人のニーズを満たしていない原因が深層にあるのではないか探る必要がある。
人間関係が障害
- “接点にいる顧客との相性が悪い”とは(主に、B2Bビジネスの場合)
- 多くの場合、ビジネストークは、お互いを尊敬するビジネスマナーを前提として、大人の会話で展開される。しかし、営業担当者と接点にいる顧客側の担当者の間で、どうしても話しの歯車がかみ合わずに、会話が成立せっず、お互いの意思疎通ができない状態に陥ってしまうことがある。
- それでも、営業の数字を上げるために、滅私奉公、根性論が根強く求められるのは、こうした課題を乗り越えていかなければならないからである。
- しかし、営業担当者にとって、顧客の双方にとっても、単に精神論だけで進めことは精神衛生上の負担(ストレス)となり、必ずしも良いことではない。
- かといって、接待や金品の提供などは許されない。
- “接点にいる顧客との相性が悪い” の論点(捉え方の軸と筋道))
- 単に現場での人間関係だからと見くびってしまうと、接点にいる顧客と対峙してしまって、案件を獲得する上での障害となってしまう。
- 結果として、セールスパイプライン上で案件が停滞してしまい、やがては業績悪化につながっていく。
- “接点にいる顧客との相性が悪い”理由
- 表面的には、表現の仕方が相手に対して不適切であったり、性格の違いだったり、様々な態度が影響したりして生じる問題である。
- 深層的には、生まれ育ってきた環境で育んできた人との接し方の違いに起因する。
- 更には、人生観や企業の文化も影響してくる。
- “顧客であるその人に敬意を払うことに心掛ける”
- 何故、“顧客であるその人に敬意を払うことに心掛ける” であるのか
- 日本は“おもてなし”文化の社会である。顧客からは見えない場所でも、顧客が気づく前にさりげなく心遣いをして準備をしておくところに“心のつながり”を感じる。
- 如何に“顧客であるその人に敬意を払うことに心掛ける”を実施するのか
- “おもてなし”文化を啓発して、その大事さを共有する。
- “ビジネスマナー”“江戸しぐさ”等の事例を通して、ちょっとした相手を敬う態度や行動の基本を共有する。
- 身の回りにあること、すぐにできることから“おもてなし”文化を実践し体得できるようにする。
- こうした活動をお互いに披露し合って、切磋琢磨していく。
- 何故、“顧客であるその人に敬意を払うことに心掛ける” であるのか
- “深層にある心に根ざした言葉を聴く”
- 何故、“深層にある心に根ざした言葉を聴く” であるのか
- コミュニケーションは聴くことから始まる。そして、深層にある心情を感じることで、心が通じ合っていく。
- 如何に“深層にある心に根ざした言葉を聴く”を実施するのか
- 知ったかぶり、批判は、ついつい上から目線となってしまう。
- “でもね”“しかし”“だから”といった言葉は使わない習慣をつける。“そうですね”“そこで”といった、共感し、次につなげる言葉を上手く活用して、前向きな対話(ストローク)となるようにコンテクスト(言葉のつながり、言外の雰囲気)を作っていく。
- 愚痴や不満のはけ口として、相手の企業内の人や組織に対する悪口を聴くことは大事である。しかし、それ以上に悪口を言ったり、同調して行動したりすることは避けるべきである。
- 何故、“深層にある心に根ざした言葉を聴く” であるのか
- “会社と会社のつき合いに広げる”
- 何故、“会社と会社のつき合いに広げる” であるのか
- お互いにビジネスマンである以上、個人と個人の会話だけでは話しが進まない。個人と個人の接点だけでなく、会社と会社の接点として広げることで、組織と組織との間での人間関係とすることで、個人の負担を軽減することが可能となる。
- 事業戦略に沿った会話をすることで、個人と個人の感情のもつれを客観的に解消することができる。
- 如何に“会社と会社のつき合いに広げる”を実施するのか
- 営業部門において、上司は部下に任せるだけでなく、可能な限り早く顧客との接点に絡んでいく様にする。
- 営業部門において、部下は上司に報告するだけでなく、可能な限り早く顧客との接点に上司を巻き込んでいく様にする。
- 上司は、案件の内容に応じて、少しでも早く、チームセリングやトップアプローチの道筋を考えて行動計画を立てていく。
- 何故、“会社と会社のつき合いに広げる” であるのか
- “どうしたいかを聞くのではなく一緒に解決する”
- 何故、“どうしたいかを聞くのではなく一緒に解決する” であるのか
- 成熟社会においては、競争が激化してパイの奪い合いである。これまでの様にモノを売れば良いというのではなく、その先にある“こと”を実現したその先にあるストーリーを描くこと、一緒に将来の夢をみる共感が、本当の価値として提供されなければならない。この共感こそが差別要因となる。
- 問題を解決しさえすれば良いという“上から目線”ではなく、一緒に解決していこうというパートナーとしての役割が求められている。
- 如何に“どうしたいかを聞くのではなく一緒に解決する”を実施するのか
- 上記にある“顧客であるその人に敬意を払うことに心掛ける” “深層にある心に根ざした言葉を聴く” “会社と会社のつき合いに広げる”を実施することは必要条件であっても、十分条件を満たしたことにはならない。
- 対話の中から、顧客のニーズのその先にある、人やシーンを想像して、本当に実現したいことを読み取る習慣を実践し、徐々に身に着けていく。
- 対話のその先を読み取っていくことで初めて、“接点にいる顧客との相性が悪い”という問題を乗り越えていくことが可能となる。
- 何故、“どうしたいかを聞くのではなく一緒に解決する” であるのか
用語
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