※本ホームページで扱う「変革」は、「社会の変革」とその実現に向けた「組織の変革」を論点としたものです
- 変革を共有するとは、
- 社会を俯瞰して、社会システム/経済システムの視点で「何をどのような状態にするべきか-何をなすべきか-どのようにするか」を共有すること。
- 変革を共有することによって、
- 業界や自社の事業に向けていた視点を、社会を俯瞰した視点、社会システムや経済システムの全体としての発展に向けた視点に拡げることができる。
- 様々な知見を持つ人たちが、お互いの思考を受容し、切磋琢磨しながら研鑽を積み重ねて創造的になる。
- 相乗効果を生み出しながら破壊的イノベーションに挑戦して組織全体としても活性化される。
「変革を共有する能力」については、ここをクリックして下さい。
1.「変革」は、未来を正当性のある論理によって予測し考えることなので簡単ではありません
今ある現状を打破したいというなまやさしい思いだけでは「変革」することはできません。「変革」を考えるということは、未来を正当性のある論理によって予測して考えることでもあり、短絡的に「こうすれば良い」などという安易なものでもありません 「一般論としての社会変革についての議論」の形態例はこちらをご覧ください。
- 「変革」には、その人がその人の信念に基づいて深く考えて考え抜いた累積思考量を積み重ねていくことによって培われた「何をどのように変革するかという思想」が織り込まれています。
現在の在り様について、過去に遡って、それがどんな前提に立ってどんな問題意識の下で形成されてきたものかといった背景や経緯を踏まえて、今、それの何が問題なのかを明確にし、将来、どの様にあるべきかを定義して、他の人たちに見える様にする、即ち、ビジョンを示すことが求められます。誰もが即興によって当意即妙に構想できるものではありません。
「変革」とは、様々な知見を持つ人たちが、お互いの思考を受容し切磋琢磨して相乗効果を生み出しながら積み重ねてきた成果でもあるのです。それは、いくつものセレンディピティ “Serendipity” を積み重ねることによって「変革」への思考を磨き上げてきた成果だとも言えます。
2.何故、「変革を共有」しなければならないのか?
人にはその人なりに育んできた信念があり、それを動かすことはできません。むしろ、言葉巧みに一定の方向に誘導したり、権威や権力を押し付けて変えさせてはならないものでもあります。しかしその一方、自分だけの考えに固執して、他の人の思考を一切受け容れず、問い詰めて批判したりばかりしていても良い結果は生まれません。「変革をする」には、こうした自己中心的な思いを捨て去り、「変革を共有する」ということから始めなければなりません。
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- 組織内の真の意思疎通の目的
上記のように「変革」は簡単なことではありません。すなわち、「変革をする」には、多くの人たちの賛同を得て協働して成し遂げていくしかありません。組織内での真の意思疎通と言えるものは、「変革」に対する思いへの共感によって、賛同を得て一緒に協働し成し遂げていく、心と心が結びついたものなのです。
3.現代社会の変革の論点
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- 企業には『エシカル・エコノミー』『グリーン・エコノミー』への変革が求められている
21世紀の現代は『エシカル・エコノミー』『グリーン・エコノミー』の時代です。かつてのように利潤を追求して経済成長さえ目指していけば良いというという時代は終わり、『サステナビリティ(社会の持続可能な発展)』を目指して、新ビジネスを創り出していかなければなりません。さもなければ、その企業は社会からの信用を失い存在していくことが難しくなってしまいます。
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- 企業で働く人たち一人ひとりの意識も『サステナビリティ』への移行が求められている
企業で働く人たちの一人ひとりも、人権を普遍的な価値観として捉え、社会の多様性や包摂性を拡げていくこと、脱炭素社会化して地球温暖化問題を解決していくこと、未来社会に豊かな自然環境を残していくこと等々について視座を高めて思考し、持続可能な社会の発展を目指していかなければなりません。
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- 企業や個々人には、『働くことの変革』と『ケイパビリティマネジメントの変革』が求められている
企業で働く人たち自身も、人権への意識が高まり、組織の中で働く上でも社会の多様性や包摂性を自分の権利として捉えるようになってきました。①企業の経営者には、ダイナミックな意思決定により社会変革(イノベーション)を巻き起こし、サステナビリティへの移行を先導していく能力 “Dynamic capability” が求められ、②個々人には、主体性のある自発的な分業という形で組織の中で自律的に協働して行動する高い組織能力 “Organizational Capability” が求められるようになってきました。
4.変革についての議論をするために
社会変革や組織変革についてどの様にして議論を進めたら良いのでしょうか。
4.1.「何をどのような状態にするべきか “What to be” – 何をなすべきか “What to do” – どのようにするか “How to do” 」について大言壮語できる風土を醸成する
21世紀の今日の社会では、ネットワーク技術が社会に浸透し、誰もが、グローバルに社会のことについて情報を収集し、自分なりの意見や事実に基づく情報を発信することができようになりました。そして、誰もが、社会に関心を持つようになり、自分なりの思いとして「こんな社会にしたい」という問題意識や変革したいという意志を持つようにもなってきています。
[Point1]:誰もが自由かつ平等に大言壮語できる風土を組織内に培って、誰もが自らの意志や信念の下に研鑽し累積思考量を積み重ねて確立してきた知見をオープンに発言し議論できる仕組みと雰囲気を作ることです。
4.2.誰もが自由に表明し平等な立場で会話することによってセレンディピティを起こし得る環境を構築する
かつての「情報の非対称性」が強かった時代とは異なり、政治家だからとか、経営者だからとかだけが「変革」を議論する権利や権力を持つことのできる時代は終わりました。社会に向けて自立した意見を持つ個々人の声を企業の中にも取り入れるべきであり、そうした自立した個々人の多様な声こそが「多様な知見」そのものであって、セレンディピティ “Serendipity” を上手く取り入れていくべきだと思われます。これこそが「変革」の議論を実現するチャンスです。
[Point2]:個々人が大言壮語しても、その実現に対して責任を取らされることはなく、お互いの思考を受容し、切磋琢磨しながら相乗効果を生み出していく、セレンディピティ “Serendipity” を起こしていく環境を構築しることです。
そして、これらこそが、①ダイナミックな意思決定により社会変革(イノベーション)を巻き起こし、サステナビリティへの移行を先導していく能力 “Dynamic capability” であり、②個々人には、主体性のある自発的な分業という形で組織の中で自律的に協働して行動する高い組織能力 “Organizational Capability” であると言えます 社会変革感度分析ツール(社会変革感度分析(未来構想力、構想実現力の評価))」についてはこちらを参照して下さい。
なお、「論点整理」、及び、「論点整理」における「社会変革構想モデル」の論点については 「変革構想の論点整理」のページ をご参照下さい。また、「普遍的欲求」については 「人としての普遍的欲求への対応」のページ を、「社会問題」については 「社会問題の構造」のページ をご参照下さい。