未来に向けて創造する社会的価値 Value Revolution

サステナブル を中核としてイノベーショナル・エコノミー(イノベーションがイノベーションを生み出す社会発展と経済成長の好循環)によって「社会の持続可能な発展」と「企業の持続可能な成長」を実現していこうと考える サステナブル・イノベーション の真価は、提供する社会的価値が文化として浸透することによって評価されることになります。そこでは、これまでの経済モデルに基づく収益性や効率、コスト、および、生産性指標ばかりでなく、さらに対象を広げて、“未来に向けて創造する社会的価値” という新たな指標が用いられることになります。
 

サステナブル時代の “未来に向けて創造する社会的価値” とは

“未来に向けて創造する社会的価値” は、下図に示される計算式によって算出することができます。
 

 
ここで、“未来に向けて創造する社会的価値” を構成する各要素の算出式(分子/分母)は、以下の意味合いを持っており、従来の経済モデルによる指標を発展させて、サステナブル を中核とした「イノベーショナル・エコノミー」によって「社会の持続可能な発展」と「企業の持続可能な成長」をともに実現していこうと考える経営を定量的に評価することが可能となります。

1.作業能率 = 売上高/実働時間

直接収益を生み出す業務に投入した時間(実働時間)によって、どれ位の売上高を稼ぎ出したかを捉える指標である。 経済モデルでは、単に、稼働率を高めて、作業効率を高めれば収益の増大を図れると考えられてきた。しかし、低経済成長の成熟社会においては、この論理は成り立たない。 成熟社会においては需要そのものが減少して売上高が減少し、低価格競争で利益率も低下する。 この状況下にあって増大する遊休時間を放置する訳にはいかない。  従来の経済モデルにおいて、これら数字の均衡を保つための唯一の手段は就業時間の削減(従業員の削減か給与の削減)しかない。

2.稼働率 = 実働時間/就業時間

就業時間に占める実働時間に従事する時間の比率が高いほど、すなわち、事業収益を生み出さない遊休時間を減らして、直接収益を生み出す業務に集中すればするほど高く評価される。 一方、サステナブル を中核として「社会の持続可能な発展」と「企業の持続可能な成長」を伴に実現していこうと考える経営においては、一人ひとりの社会貢献活動や企業ブランドを高める社会的活動や間接的にESG(環境への適合性、社会への適合性、ガバナンス)の向上につながる活動も評価されなければならず、稼働率の適性化(各社に於ける適正水準、社会や投資家が求める水準)を図ることが必要となる。

3.営業利益率 = 営業利益/売上高

企業経営における営業利益率である。これまでの経済モデルでは、目標とする利益率の達成が、企業経営(事業)の善し悪しとして評価されてきた。

4.クリエイティビティ(事業を通して実現する社会の発展によって創造される価値) = 社会的価値/営業利益

社会的価値は、企業が社会の持続可能な発展に寄与する事業を行うことによって社会全体が享受できる価値である。 創造する社会的価値が高いほど、企業ブランドが高まり営業利益も拡大する。 企業経営の側に立って見ると、「これだけの営業利益を確保して、社会にどれだけの社会的価値を産み出し還元している」 が明確に示されることによって、企業のブランド価値として公正に評価されることになる。 成熟社会にあって縮小していくビジネスの負の連鎖を断ち切り、売上の増大、利益率の増大、就業時間の増大(雇用の確保)につながる持続可能な成長の連鎖へと転換していくには、社会的価値の増大を図っていくことが必要である。

 

社会的価値 : 社会コストの低減額、若しくは、社会的価値を創造する事業が巻き起こした経済効果によって生み出された社会の経済成長の額。

社会コスト:社会的課題解決に要する政策投資額、及び、運用コスト、民間企業における社会的課題解決への投資額、及び、運用コストである。B2Bの企業においては、取引先企業の事業規模と市場シェアと自社の顧客シェアから推定するのが現実的である。

 
尚、上記の未来に向けて創造する社会的価値 の定義は、あくまでも、経済的視点からの評価であり、本来的には、サステナブル(持続可能性) 、技術的可能性(イノベーション につながりうるか)、経済的可能性、及び、社会への浸透による生活水準の向上などの視点から、多面的に 価値を分析 して評価しなければなりません。
 

イノベーションナルな組織におけるKPIマネジメントにご興味のある方は こちらより お気軽にお問い合わせ下さい。あるいは、info@clem.co.jp (サステナブル・イノベーションズ株式会社宛)にご連絡下さい。