これまでの生産性は、概して、企業の営みを通して、インプットに対してどれほどのアウトプットを産み出したかという視点で捉えられてきました。例えば、生産高や売上高、或いは、ROE(return on equity、自己資本当期利益率)等です。
一方、当社では、真の生産性を、顧客が獲得する価値をどれだけ提供したかで捉えるべきものと考えています。 (弊社ホームページをご参照下さい)
一般に、これまで戦略的情報活用と言えば、業務プロセスを通して得られる、販売情報、購買情報、在庫情報、財務情報、人事情報等の管理業務への利用に限られていました。
これらは、業務プロセスの適性化と効率化を目的として規定された定型情報ですが、夫々の企業の内部事情や業務プロセスの考え方に応じて様々に定義されています。
例えば、販売情報ひとつをとっても、受注生産品か見込み生産品かによっても、また、B2B2Cのどこに位置するかによっても異なってきます。
とは言え、最近では、POSレジの情報を共通化して、企業間でビッグデータとして共有出来る様にしようという動きも盛んになってきました。
しかし、所詮、これらは供給者サイドの視点から捉えた情報でしかありません。そして、この視点に立った情報に固執している限りにおいては、真の生産性を捉えることはできないと考えられます。
多様性や個性を重視する時代となり、これまでの様な商品市場としてマクロに捉えた属性で顧客を理解するのでは充分とは言えません。 一人ひとりの顧客と同じ目線で話している言葉に耳を傾け、目の前の顧客の人の周りにいる家族や友人のことを慮った本当の願いに共感し、“今、そして、将来に実現したいこと”に心を砕いて力添えができなれなければなりません。
しかし、そのためには、まず、何処にどんな顧客が暮らしているかを捉えて、どんな暮らし方をしているかを知っておく必要があります。
こうした要件を実現する仕組みとして、当社では、株式会社ゼンリンジオインテリジェンスが実現しているGIS を採用しています。 (詳細は、株式会社ゼンリンジオインテリジェンスのホームページ をご参照下さい)
上記GISでは、全国津々浦々の何処にどんな人達が暮らしているかという人口動態等(過去、今、未来)の官公庁等が公開しているオープンデータばかりでなく、公益法人や民間調査団体が公開し、販売している地域のマーケティング情報、更には、電話帳の情報を元に、そこに暮らす人達がどんな暮らし方をしているかを因子分析してライフスタイルを導き出し、それを地図にマッピングして提供しています。
この仕組みにより、そこに暮らす人達の消費の傾向、消費支出額、日々の行動の動線、ライフスタイルから見える今のニーズや将来の夢をかなり精密に捉えることが可能となります。
※[経営][意思決定]等は[思考]という視点で捉えているという意味を持たせて、[ ]をつけて記しています。
サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一