自分には関係ないとして現実から忌避していないか

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組織改革戦略#お互いに抑鬱的に抑え込んで、自由闊達な意見を出させない雰囲気がある、
自分には関係ないとして現実から忌避していないか、
一人ひとりが目の前で起きていることを直視して何をすべきか考える

“一人ひとりが目の前で起きていることを直視して何をすべきか考える”に特徴づけられる変動要因とその論点

“一人ひとりが目の前で起きていることを直視して何をすべきか考える”について掘り下げる上で、共通に認識しておかなければならない論点がある。

  • 社会、市場は、常に急速に多様に、変化している。どの企業も、生き残りをかけて少しでも早く、少しでも多くの知見を獲得し、他社との差別化を図って優位性を確保しようとしている。
  • ビジネス環境の変化に対して、今のままでも何とかなるだろうと何ら手を打たないまま放置してしまうと、やがては、抑制が効かないほどに大きな問題となって襲いかかってくる。


また、“一人ひとりが目の前で起きていることを直視して何をすべきか考える”ことを阻害する要因があるとして、その背景には以下の理由が潜んでいると考えられる。

  • [出る杭は打たれる]
    • “差し出がましいことをすると、人から非難され、恨みを買ってしまうと思えば、何もしない方がましである。
  • [火中の栗を拾わない]
    • 自身の立場や利害損得がかかっていて、何もしなくても今のままが得なら何もしない。
  • [茹で蛙の法則]
    • 例え重大な変化であっても、変化が緩やかなうちは、安穏と過ごしていたい。

もし、自分には関係ないとして現実から忌避しているとすれば、それはどういうことか

問題の本質を深く読めない

  • “問題の本質を深く読めない”とは
    • 人というものは、大きな問題、致命的になりかねない問題に対して、そのうち何とかなるだろうと叶わない希望を抱いて、予想される悲惨な結果から目を背けてしまう。
    • 既存事業の視点でものごとを捉えて、即ち、既存事業を如何に維持していくかに囚われて、社会、市場の変化を分析して、どの様な影響があるのか、どの様な方向に進むべきか直視しない。
    • その結果として、目の前に見える問題ばかりに気をとられ、それに対処しさえすれば何とかなると決め込んで、その奥深くに潜む本質的な問題にまで考えを及ぼさない。
  • “問題の本質を深く読めない” の論点(捉え方の軸と筋道)
    • 問題の本質を深く読めないとは、深層に思いを馳せて深く思考できていないことを意味する。まず、問題を直視しなければ、深層に思いを馳せることはできない。その結果として、影響も広がり、傷口も広がっていく。
    • 問題を深掘りして考えなければ、今は良くても、将来への禍根を残すことになる。ひいては、企業の存続を危うくする。
  • “問題の本質を深く読めない”理由
    • 人は誰しも、ことが重大であればあるほど問題を直視したくないという、現実逃避的な心理が働くものである。
    • ものごとを体系的に考える習慣、構造的に考える習慣、抽象化して考える習慣、一般化して考える習慣が養われていないことにも起因する。即ち、そうした思考ができないことが根っ子にある。
    • 成功体験が鮮烈であればあるほど、問題の深掘りを忌避するものである。挙げ句、問題の本質を最初から決め込んで、こうすれば良ですませてしまう。
    • 問題を深掘りして考えることと、犯人探しを混同している。問題に関わる人達に遠慮して、大っぴらに深掘りをすることを避けてしまう。しかし、多くの場合、不満が鬱積して陰鬱な職場となってしまう(陰口が増える)。
  • 問題を多様な視点から視て重要性や影響をオープンに議論する
    • 何故、問題を多様な視点から視て重要性や影響をオープンに議論するのか
      • “問題を直視する”とは、起きている問題を放っておかず、現在から将来に及ぶ自分の利害だけでなく多様な視点から分析して正しく認識し、重要性や影響等の組織にとっての意味を理解することである。
      • 組織においても、組織内で問題を隠蔽するのではなく、問題を直視して事象の持つ意味、影響を皆で共有しなければならない。
      • 同様の問題は他の部門にも起こり得る、潜在的に内在している問題であるかも知れない。直接的には、問題の起きた部門や関連部門で対処するとしても、対岸の火事ではなく、抜本的には、組織の壁を乗り越えて全社的に教訓を得て対策を講じる必要がある。
    • 如何に“問題を多様な視点から視て重要性や影響をオープンに議論するのか
      • “問題を多様な視点から視て重要性や影響を理解する”ためには、根拠となる多面的に捉えた情報が必要である。公的情報、流通する情報以外に、ソーシャルネットワーク上の様々な情報をクロールして、より多くの見方による情報を活用する仕組みを取り入れなければならない。
      • 業績数値に関わるデータは活動の結果であり、変化の後追いでしかない。業績を管理する上で大事なことは、月中であれ日々捉えることのできるデータで途中経過を把握し、計画値と着地点の予測値の乖離を埋めることである。
      • 組織を横串に刺して比較評価するためには、数字自体の定義を組織内で統一しなければならない。部門の業績を公平に評価するためには必要とされて、多くは徒労に終わってきた。
      • 社会、市場の変化、多様な顧客ニーズに事業横断して取り組んでいくようになると、組織を縦割りに見て公平に評価するよりも、組織横断した活動を評価する方が重要になってくる。
      • 組織内で起きていることを捉えるには、統一のために変換した数字よりも、生のままのデータを時系列で、現場の視線で見ていくことの方が重要である。データが定義された経緯を知ることでその部門の組織文化も理解しやすくなる。
      • 社内データを不必要に統一化しようとせず、まずは一元化して、オープンに閲覧出来るようにすることが大事である。
      • 個人の評価、人事に関わる情報は、個人情報として守る仕組みを作る必要がある。さもなければ、問題そのものが個人の中に隠されてしまう。

現場の問題に耳を貸さない

  • “現場の問題に耳を貸さない”とは
    • 問題が起きているのは現場である。机上でいくら考えても空論であり、現実的でない。バックエンドにいる人達にとって唯一の情報チャネルは“現場の問題に耳を貸すこと”である。
    • しかし、“聞いていても聴いていない”“見ていても視ていない”ということがある。“現場の問題を都合良く解釈して、勝手にたたみ込んでしまう”場合がある。これこそが “現場の問題に耳を貸さない”という問題である。
  • “現場の問題に耳を貸さない” の論点(捉え方の軸と筋道)
    • ビジネス環境の変化に対して、今のままでも何とかなるだろうと何ら手を打たないまま放置してしまうと、やがては、抑制が効かないほどに大きな問題となって襲いかかってくる。
    • “現場の問題に耳を貸さない”という問題こそが、ビジネス環境の変化を見逃してしまうという問題の本質である。
  • “現場の問題に耳を貸さない”理由
    • 人間は、起きている事象を自分の経験したパターンに照らして考えるものである。現場からの声も、よく聴く前に、自分の経験から勝手に判断して結論付けてしまう。
    • 人間は、経験を積めば積むほど、新たな出来事に対して鈍感になり、無頓着になってしまう。現場出身の人間は、現場のことを人一倍知っているからこそ、今起きている問題を自分の経験に置き換えてしまう傾向がある。
    • 経営の目線、上からの目線になっているとものごとをマクロに捉えがちになり、現場での小さな問題点、小さなほころびに対して無頓着になってしまう。
    • 組織内での様々な利害が絡むなかで、自分の立場や既得権益を維持しようという意思を持って現場の声を聞いてしまう。一方、話しを聞いてしまうと、対処しなければならないという責任が発生する。自分の既得権益を危うくすることには、無闇に聞く耳を持たない方が得策である。
  • 自ら現場に出て、自らの眼でよく観て、よく質問して自らの耳でよく聴く
    • 何故、自ら現場に出て、自らの眼でよく観て、よく質問して自らの耳でよく聴くのか
      • 自分の経験の自慢話しに終始したり、自分の損得で考えたりしていては、現実に起きている問題の本質を捉えることはできない。問題に気がついても、何もしないままになってしまう恐れもある。問題に蓋をしてはならない。
      • “現場の声に傾聴する”、即ち、現場の目線で、現場を起点にした、公平な判断基準を持って、現場の問題に耳を傾けることで、“真実”をいち早く捉えることができる。
    • 如何に、自ら現場に出て、自らの眼でよく観て、よく質問して自らの耳でよく聴くか
      • 常日頃より、現場に出て、現場にいる人達の様子をよく見て、その場で現場の人達と会話することから始まる。地道だが、王道はない。
      • “目安箱制度”を取り入れる。普段から現場に出ていないと、この制度で投げられた問題の意味を正しく理解できない。また、組織の組織内での様々な利害や維持のために動いてしまうと、有名無実な取り組みになってしまう。

兆候をおろそかにしている

  • “変化に隠された兆候”とは
    • 個々の事象は小さなことかも知れない。しかし、それが影響力を持ち出すと、社会は一気に変化していくものである。それが、社会の、そして、一人ひとりの経済合理性に叶うものであれば、ニーズは劇的に変化してしまう。顕在化した事象に隠された“社会、一人ひとりの経済合理性”の価値こそが“顕在化した変化に隠された兆候”である。
    • 一人ひとりの思いが集まって広がっていく変化は緩やかであり、その深層にある“一人ひとりの思い”は、簡単には揺るがない。深層にある一人ひとりの思いの変化が、社会や市場の変化の刺激を受けて少しずつ移ろっていく。ここに“顕在化した変化に隠された兆候”がある。
    • “顕在化した変化に隠された兆候”は、双方向的に、社会や市場を刺激して更なる変化を引き起こしていく。
  • “兆候をおろそかにしている” の論点(捉え方の軸と筋道)
    • 社会、市場、顧客ニーズの変化に対して対応が遅れることは、社会的信頼の失墜を招くことにもなりかねない。
    • 組織内で起きている変化に対しも、対応が遅れることは、お互いの信頼の失墜を招くことにもなりかねない。
  • “兆候をおろそかにしている”理由
    • 情報の量と質をタイミングよく収集できなければ、変化に隠された兆候を捉えることはできない。
    • 洞察力がなければ、変化に隠された兆候を捉えることはできない。
  • 意識して事象に眼を向け、深層に隠されている兆候について共有し議論し合う
    • 何故、意識して事象に眼を向け、深層に隠されている兆候について共有し議論し合うのか
      • 社会、市場、顧客ニーズの変化に対し、その兆候の段階でいち早く捉えて、誰よりも先んじて適確に対応して行動することで、社会での信頼を勝ちとることができる。
      • 組織内で起きている変化に対しも、その兆候の段階でいち早く捉えて、大きな問題に発展する前に適確に対応して行動することで、組織の信頼と結束を勝ちとることができる。
    • 如何に、意識して事象に眼を向け、深層に隠されている兆候について共有し議論し合うのか
      • 現場で起きている事象に隠されている兆候に意識して目を向けることが必要である。
      • 社会や市場、顧客において静かに徐々に起きている変化の兆候もあれば、劇的に急に起きる変化の兆候もある。徐々に起きる変化への兆候は、静かに進行している場合もあり見逃しがちである。組織の中に籠もらず、社会にも目を向けて情報を捉えることが必要である。
        • 白書等の情報は公的な統計に基づいている反面、現政権や行政機関の思い描いた筋書きを強調したいがための分析軸の設定になっている。
        • コンサルタントやアナリストの情報は、大衆の関心や不安を煽り、「こうしたら良いですよ」を主張するシナリオで描かれたものである。こうした様々なノイズを均等に評価しながら兆候を捉えて、組織に於ける認識の共有化を図らなければならない。
      • こうした公的情報、流通する情報以外に、ソーシャルネットワーク上の様々な情報をクロールして、より多くの見方による情報を活用する仕組みを取り入れなければならない。尚、ここで重要なことは、背景にある情報発信者のスタンスを知っておくことである。
      • 組織の中にも、静かに徐々に起きている変化の兆候もあれば、劇的に急に起きる変化の兆候もある。
      • 組織内で起きていることを捉えるには、統一のために変換した数字よりも、生のままのデータを時系列で、現場の視線で見ていくことの方が重要である。データが定義された経緯を知ることでその部門の組織文化も理解しやすくなる。社内データを無理して統一化しようとせず、まずは一元化して、オープンに閲覧出来るようにすることが大事である。ここでも、様々な利害が絡んだ様々なノイズを加味しながら兆候をつかむことが必要である。

何もしないリスクを考えない

  • “何もしないリスク”とは
    • 社会の変化に対して、何も対策を打たないことで様々な問題が生じる。“何もしないリスク”とは、まさに、こうしたリスクのことを言う。
  • “何もしないリスクを考えない” の論点(捉え方の軸と筋道)
    • 「茹で蛙」の例の様に“何もしない”でいると、気がついたときには致命的になっているかも知れない。
  • “何もしないリスクを考えない”理由
    • 社会的ジレンマが“何もしないリスクを考えない”を引き起こす。
  • 常にものごとの裏に思いを馳せ、経営環境の変化に対処しないリスクと対処するリスクを考える
    • 何故、常にものごとの裏に思いを馳せ、経営環境の変化に対処しないリスクと対処するリスクを考えるのか
      • 社会は常に変化していく。そうした変化する環境にあって、事業を維持していく上で何か小さな兆候や兆しを感じた時に、こままの路線を維持強化するだけで良いと判断して、何も新たな環境に対処するための行動を起こさないリスクと、行動することで引き起こされる新たなリスクを考える必要がある。
      • 潜在的に存在している問題が顕在化する前に回避、早期解消、被害の最小化の施策を考える必要がある。
      • リスクをマクロな視点で捉えるのではなく、夫々の業務の、今そこにあるリスクに気がつくこと、リスク分析され、その時、その場で、そこにいる人達に、共有されることが重要である。
      • 重要なことは、リスクを考えることではなく、それ以上に、夫々の業務の、今そこにあるリスクが認識され、浸透させることが必要である。
    • 如何に、常にものごとの裏に思いを馳せ、経営環境の変化に対処しないリスクと対処するリスクを考えるか
      • リスクのポテンシャル、リスクマネジメントについて組織内で学習し理解を深める。
      • 改善提案活動を通して、内発的にリスクを見出し解決を促す。
      • 事象が発生した場合、深層にある問題を分析し、本質的な再発防止策を講じる。
      • 実際にあった事象を事例にして組織内で共有し、現場において再発を防止する。
      • リスク監査、リスク監視、リスクパトロールを定期的に行うことで、見逃していることはないか、再発防止策が活かされているか、油断がないか等を確認する。

新たな状況に躊躇して何もしない

  • “新たな状況に躊躇して何もしない”とは
    • 社会、市場の変化やその兆候を捉えて“何もしないリスク”を考えていながら、“躊躇”(決心がつかず、ぐずぐずすること。ためらうこと。広辞苑第六版)して結果的に何もしない人がいる。
    • 拙速巧遅(拙速:仕上りはへたでも、やり方が早いこと。巧遅:巧みではあるが仕上げのおそいこと。広辞苑第六版)という言葉がある。どちらの方が良い/悪いではなく、TPO (Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)、又は、Opportuniy[機会]、時・場所・場合(機会)に即した使い分けることが必要である。
  • “新たな状況に躊躇して何もしない” の論点(捉え方の軸と筋道)
    • 社会、市場の変化は早い。巧遅であろうとも、躊躇している間に、その打つ手も失ってしまう。ひいては、事業の競争力を失い、企業の存続を危うくする。
  • “新たな状況に躊躇して何もしない”理由
    • 問題が大きすぎて、目を背けてしまう。
    • 洞察力がなく、変化に対応した発想ができない。
    • 決断が出来ないには、決断してよいものか判断できない、決断する勇気がない、決断することで生じる責任をとりたくない、自分にとって都合が悪い、先送りした方が得策と思ってしまう等、様々な訳がある。
  • 変化の時代には、まず先手を打つことを考える
    • 何故、変化の時代には、まず先手を打つことを考えるのか
      • 変化の兆候を捉えても、また、問題を早期に発見しても、それに対する対応が遅れたら意味がない。拙速巧遅という言葉もあり、拙速もある場面では必要だが、熟慮して遅くなるのは、「機を見てなさざるは、及ばざるがごとし」の言葉通り“愚”である。
      • しかし、根拠もない行動も“愚”である。理念やビジョンの実現に向けて、また、情報に基づいて勝算を得るだけの根拠を持って、新しいことへ失敗を恐れず取り組まなければならない。
      • この時点で大事なことは、全体のビジネスのあり方、ルールを体系付けてしまうことである。
    • 如何に、変化の時代には、まず先手を打つことを考えるか
      • “躊躇せず選択する”には根拠となる多面的に捉えた情報が必要である。公的情報、流通する情報以外に、ソーシャルネットワーク上の様々な情報をクロールして、より多くの見方による情報を活用する仕組みを取り入れなければならない。尚、ここで重要なことは、背景にある情報発信者のスタンスを知っておくことである。
      • 組織内で起きていることを捉えるには、統一のために変換した数字よりも、生のままのデータを時系列で、現場の視線で見ていくことの方が重要である。データが定義された経緯を知ることでその部門の組織文化も理解しやすくなる。社内データを無理して統一化しようとせず、まずは一元化して、オープンに閲覧出来るようにすることが大事である。ここでも、様々な利害が絡んだ様々なノイズを加味しながら兆候をつかむことが必要である。

他人の事には関心を持たない

  • “他人の事には関心を持たない”とは
    • 日本的経営の美点は“目配り”“気配り”“心配り”である。ある意味、契約やマニュアルが通用する社会ではなく、“心遣い”が最も重視される。
    • “情けは人のためならず”という諺がある。親切は相手のためでなく、やがては自分に返ってくる(その人のためにはならないということではない)。日本的経営の美点は“結い”(互いに力を貸し合うこと。広辞苑第六版)である。
  • “他人の事には関心を持たない” の論点(捉え方の軸と筋道)
    • 自分の範囲だけで問題を解決していれば済むなら、個人の能力を高めさえすれば良い。しかし、社会や市場の変化の兆候に対して、組織として先んじて対処していくためには、色々な専門を持つ人々が知恵を出し合い、発見されていない答えを見出していかなければならない。
    • 個々の担当分野や専門分野の視点では見逃していることでも、他の分野の視点から客観的な捉えることにより、新たな発見をすることがある。
    • “他人の事には関心を持ち、お互いに心遣いを持って”行動することが企業の付加価値となり、それが競争優位性となる。
    • 一人ひとりが独断で行動する企業は、競争優位となる価値を見出すことなく、勢いを失っていく。
  • “他人の事には関心を持たない”理由
    • 成果主義の導入によって、より高い目標を設定して高く評価をされようとし、自らの成果を達成することで精一杯になっている。また、不況が長引き、リストラ(人員削減)が常態化して人手不足となっている。そうした職場環境の下で、他人の事には関心を持たないという組織風土が醸成されてきた。
  • お互いの立場に立った、心遣いを持った働き方を促進する
    • 何故、お互いの立場に立った、心遣いを持った働き方を促進するのか
      • 「情けは人のためならず」は、人にかけた情けはやがて自分に返ってくると解釈されるが、ここでの解釈は、自分のためばかりではなく、社会、市場、顧客、そして自らの組織にとってのためであり、他者にかけた気遣いは、社会、市場、顧客、そして自らの組織に返ってくる。
      • 他人事、人任せにしていると、今そこで起きている問題に気づかず放置されてしまい、潜在的に内包されてしまう。結果として、大きな問題に発展してしまう可能性がある。担当している人には見えないことも多くある。できるだけ多くの冷静な目で、客観的にお互いを見て改善し合うことが必要である。
      • 皆が当事者意識を持って、全体を良くするという意識の下、他人(周りの人、関わりのある部署、関わりのある事業)のことについても衒う(てらう)ことなく意見を交換し合い、必要なら手助け仕合う関係を築くことで、組織力、チーム力を高めることができる。
      • そこには、お互い様である信頼の気持ちが共有されていなければ上手くいかない。しかし、全体の利益のために、個の利益を損なうことはあってはならない。全体の利益の前に、個々に人権が尊重されなければならない。
    • 如何に、お互いの立場に立った、心遣いを持った働き方を促進するか
      • 常日頃から、いわゆる、目配り、気配り、心配りを皆で心掛ける活動を呼びかけ促進する。
      • 内発的な協働事業等の活動を推奨し、組織観の実のある交流を深める。これにより他人(周りの人、関わりのある部署、関わりのある事業)のことについても、衒う(てらう)ことなく意見を交換し合える雰囲気を作り出していく。
      • 自部門の業績が悪くなってでも他人の困り事の手助けをしなければならないという訳ではない。しかし、自分だけ成果を上げさえすればよいという活動はマイナス評価とする。
      • 課全体、事業部門全体、組織全体として、心遣いのある活動を支援する体制を作る。手助けされた部門も、恥だと思わず、別の機会に恩返しすれば良いという暗黙の了解、組織内での共通認識を持てる様な文化を育成していくことが必要である。

前例を踏襲する

  • “前例を踏襲する”とは
    • 既存事業(商品、ビジネスモデル、取引方法)やマネジメント手法を踏襲(前人のあとをそのまま受けつぐこと。広辞苑第六版)すること。
  • “前例を踏襲する” の論点(捉え方の軸と筋道)
    • 社会、市場が変化していく中で、既存事業やマネジメント手法は、次第に時代遅れとなっていく。
    • そんな状況にあって既存事業やマネジメント手法に踏襲していると、新たな変化に乗り遅れて競争力を失うことになる。
  • “前例を踏襲する”理由
    • 誰しも、自らの既得権益を失いたくないし、自らの既得権益を失う“やぶ蛇”(藪をつついて蛇を出す、不必要なことをしてかえって禍を受けるたとえ。広辞苑第六版)になることはしない。
    • 誰しも、自らの成功事例が通用しなくなることに抵抗を感じる。
  • 前例に拘らず、変化を捉えた知見を以て新たな前例を創り出す
    • 何故、前例に拘らず、変化を捉えた知見を以て新たな前例を創り出すのか
      • 様々な経験により獲得した知見こそが組織の財産である。しかし、技術革新によって、その知見を実現する手法が時代遅れになってしまう場合がある。それは、社会、市場、顧客、従業員の価値観の変化にもつながってくる。
      • 知見そのものにも変革を加え、新たな知見を生み出していける組織こそ、新たな価値を提供しうる組織である。上記の様に、経営環境が変化している今の社会においては、前例は作ればよいのであって、無理に拘る必要の無いものである。
    • 如何に、前例に拘らず、変化を捉えた知見を以て新たな前例を創り出すか
      • 知見を蓄積し、組織内で共有し活用できる仕組みが必要である。
      • しかしそれ以上に、経営環境の変化に合わせて、知見を積み重ね、かつ、必要に応じた知識の進化、知見の追加や更新の過程を管理出来る仕組みこそが必要である。


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