時代遅れになった既存事業に固執していないか

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組織改革戦略#お互いに抑鬱的に抑え込んで、自由闊達な意見を出させない雰囲気がある、
時代遅れになった既存事業に固執していないか、常に新たな発想で事業の転換を考える

“常に新たな発想で事業の転換を考える”に特徴づけられる変動要因とその論点

“常に新たな発想で事業の転換を考え”について掘り下げる上で、共通に認識しておかなければならない論点がある。

  • 社会、市場は、常に急速に多様に、変化している。どの企業も、生き残りをかけて少しでも早く、少しでも多くの知見を獲得し、他社との差別化を図って優位性を確保しようとしている。
  • ビジネス環境の変化に対して、今のままでも何とかなるだろうと何ら手を打たないまま放置してしまうと、やがては、抑制が効かないほどに大きな問題となって襲いかかってくる。


また、“常に新たな発想で事業の転換を考え”ことを阻害する要因があるとして、その背景には以下の理由が潜んでいると考えられる。

  • [出る杭は打たれる]
    • “差し出がましいことをすると、人から非難され、恨みを買ってしまうと思えば、何もしない方がましである。
  • [火中の栗を拾わない]
    • 自身の立場や利害損得がかかっていて、何もしなくても今のままが得なら何もしない。
  • [茹で蛙の法則]
    • 例え重大な変化であっても、変化が緩やかなうちは、安穏と過ごしていたい。

もし、時代遅れになった既存事業に固執しているとすれば、それはどういうことか

既存顧客に頼って(伝統を重んじる顧客がいる)

  • “既存顧客に頼っている(伝統を重んじる顧客がいる)”とは
    • 新たな事業に転換する際に、既存の顧客への心遣いが必要である。とりわけ、長年の愛顧顧客、優良顧客(購買額が大きいばかりでなく、知名度もあり広告塔にもなってくれる顧客)への感謝を込めること、新たな事業へ不安なく移行ができるように誠実に対応することがが必要である。
    • 愛顧顧客、優良顧客の伝統的なニーズへの対応、故障したときの部品の確保、保守サービスの維持も必要である。一方で、こうした伝統的なニーズを満たすことと同時に、新規事業に不安なく移行できるプログラムを用意することも必要である。
  • “既存顧客に頼っている(伝統を重んじる顧客がいる)” の論点(捉え方の軸と筋道)
    • 伝統的なニーズがあるからと言って、社会や市場の変化を捉えた新事業への転換を遅らせる訳にはいかない。両者のバランスをとりながら、次第に新事業に転換していかなければならない。
    • 社会や市場が変化する中で、伝統的なニーズのある愛顧顧客、優良顧客に語らせて、既存事業の維持を主張する者が現れる。この結果、既得権益に固執する人達と、新事業に転換すべきと主張する人達の間で、顧客を巻き込んだコンフリクト(葛藤:いざこざ。悶着。争い。広辞苑第六版)が生じてしまう。
    • 既存顧客を巻き込むことで顧客の信用を失うばかりか、新事業への転換に向けて、顧客を失うことになる。
    • 組織内の葛藤に費やすエネルギー、費用、時間が浪費される間に、変化に取り残され、組織の競争優位性を失い、企業としの価値を失う。ひいては、企業の存続を危うくする。*
  • “既存顧客に頼っている(伝統を重んじる顧客がいる)”理由
    • “保守的パワーストラクチャが存在する”理由と同様であり、そのための手段として“既存顧客(伝統を重んじる顧客)”を使うのである。
      • 「これまでのやり方で上手くいってきた成功体験」「変化や改革を嫌う思想や性格」「新しいものごとについていけない」等、個人や組織の資質に関わっている。
      • 「既得権益の維持」「自らの立場の保身」等、個人や組織の利害損得に関わっている。
  • 伝統的ニーズの大事な部分を維持しつつ、新たなニーズを満たす事業を創造する
    • 何故、伝統的ニーズの大事な部分を維持しつつ、新たなニーズを満たす事業を創造するのか
      • 以外と事業転換の障害になるのは、既存顧客、特に、長年の愛顧客の存在である。事業の当初からの顧客であり、伝統を重んじる顧客であれば尚更である。
      • 既存顧客、特に、長年の愛顧客に頼っていると、新規事業を興すことが難しくなり、なかなか事業構造の転換が図れない。
    • 如何に、伝統的ニーズの大事な部分を維持しつつ、新たなニーズを満たす事業を創造するか
      • 社会、市場の変化、技術革新による変化が進展していくなかで、新市場に向けた新製品の開発、新規顧客の開拓を戦略的に実施していく。
      • 同時に、既存顧客のニーズの変化にも心を砕き、長年の取引関係で培った信頼関係に甘えず、相手の機微に訴求していくことも大事である。既存顧客の離反を抑えることも戦略的に取り組んでいく。
      • 伝統を重んじる愛顧顧客や優良顧客も存在する。この場合に気をつけなければならないことは、事業転換によってサービスレベルが低下しない様にサービスプログラム、販促プログラムを用意して、細心の注意を払って理解してもらうことが必要である。こうした伝統を重んじる愛顧顧客や優良顧客への特別メニューを用意することも戦略に加えて展開する。

古い知識の人事評価制度が足を引っ張る

  • “古い知識の人事評価制度が足を引っ張る”とは
    • 成熟化社会になり“ものづくり”から“こと”が重視される様になってきた。そしてこの流れは、サービスを中心に考えて、それを実現するための道具としての“もの”であるとの認識が広がってきている。
    • しかし、“もの”に付随したサービスとしてしか発想できない人達も多い。こうした現状にあって、成熟化社会を背景に“こと”やサービスを中心に価値を提供することを正しく評価する仕組みは確立されていないし、評価できる人も育っていない。
  • “古い知識の人事評価制度が足を引っ張る” の論点(捉え方の軸と筋道)
    • 社会や市場の変化は、成熟化社会を背景として“こと”やサービスを中心にした事業への転換を求めている。
    • “こと”やサービスを中心にした新事業に対する知見をいち早く蓄積し、競合業界や競合他社に先駈けて市場を開拓していくことが喫緊である。
    • こうしたことに聡い人達も社会生活の中で育まれているものの、企業で働く職場には、そうした知見を活かす「場」「機会」の存在意義すら見出されていないのが現状である。
    • ここで、最大の問題は、こうしたことに聡い人達の知見や活動を促す「人事制度」「評価基準」すら確立されていないことである。“古い知識の人事評価制度”が、“こと”やサービスを中心にした事業への転換を阻害(へだてさまたげること。じゃますること。広辞苑第六版)している。
    • “古い基準の人事評価制度”が、成熟化社会を背景とした社会や市場の変化に乗り遅れる原因となってしまい、競争力を失わせていく。ひいては企業の存続を危うくする。
  • “古い知識の人事評価制度が足を引っ張る”理由
    • 単に新事業への転換に対する理由として捉えるなら、以下のことを挙げることができる。
      • 「これまでのやり方で上手くいってきた成功体験」「変化や改革を嫌う思想や性格」「新しいものごとについていけない」等、個人や組織の資質に関わっている。
      • 「既得権益の維持」「自らの立場の保身」等、個人や組織の利害損得に関わっている。
    • 成熟化社会を背景とした“こと”やサービスを中心にした事業への転換を拒む者はあまりいない。既得権益の問題というよりも、知見がないことが主因である。
      • 金銭的動機づけ、地位や名誉による動機づけといった外発的な動機づけで人の生産性が上がるという過去の常識を盲信している。
  • 社会、市場の変化を意識した活動を共有し、評価への共通認識を作る
    • 何故、社会、市場の変化を意識した活動を共有し、評価への共通認識を作るのか
      • 大量生産・大量販売・大量消費時代の様に、言われたことだけを効率良く、機械の様にこなす活動を高く評価する時代は終わった。
      • 多様な価値観の人達が、多様化し変化していく社会、市場、顧客のニーズに応えていくことが求められている現在・将来においては、“社会、市場野変化を意識した活動を共有し、評価への共通認識を作る”ことがより一層求められている。
    • 如何に、社会、市場の変化を意識した活動を共有し、評価への共通認識を作るか
      • 古い発想の事業を促進するために作られた人事評価制度が足を引っ張ることがある。例えば、サービスが重視される時代になっても、サービスを提供する人達の成果や能力を評価する指標がなかったり、評価者が正しく評価する能力がなかったりする。
      • 評価制度自体の考え方も時代とともに進化している。今時、年功序列の発想での評価制度を採用しているところは少ないが、欧米文化に根付いた成果主義を導入しても上手くいかないという認識は広がっている。様々な経験を通して発展してきた人事評価制度の最新の仕組みを適切にとりいれることも重要である。
      • 流行の人事評価制度もある。しかし、それが組織にとって適しているか、定着しうるかということを、しっかり見極めて導入するべきである。
      • 内発的な動機づけを重視して、多様な価値観を持つ一人ひとりのやる気を引き出す人事制度にする。


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