情報を活用しているか
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濁りきった空気の職場である、 情報を活用しているか、変化を受けとめて自ら行動するための環境づくり
目次
“変化を受けとめて自ら行動するための環境”に特徴づけられる変動要因とその論点
“変化を受けとめて自ら行動するための環境”について掘り下げる上で、共通に認識しておかなければならない論点がある。
- 社会、市場は、常に急速に多様に、変化している。どの企業も、生き残りをかけて少しでも早く、少しでも多くの知見を獲得し、他社との差別化を図って優位性を確保しようとしている。
- ビジネス環境の変化に対して、今のままでも何とかなるだろうと何ら手を打たないまま放置してしまうと、やがては、抑制が効かないほどに大きな問題となって襲いかかってくる。
また、“変化を受けとめて自ら行動する”ことを阻害する要因があるとして、その背景には以下の理由が潜んでいると考えられる。
- [出る杭は打たれる]
- “差し出がましいことをすると、人から非難され、恨みを買ってしまうと思えば、何もしない方がましである。
- [火中の栗を拾わない]
- 自身の立場や利害損得がかかっていて、何もしなくても今のままが得なら何もしない。
- [茹で蛙の法則]
- 例え重大な変化であっても、変化が緩やかなうちは、安穏と過ごしていたい。
もし、情報を活用できていないとすれば、それはどういうことか
情報のパラダイムシフトに対応出来ない
- “情報のパラダイムシフトに対応出来ない”とは
- 情報技術の進化は早く、ドラスティック(思い切ったさま。徹底的で過激なさま。広辞苑第六版)である。その技術動向をキャッチアップ(追い付くこと。追い上げること。広辞苑第六版)する間に、また、使い方に慣れる間もなく新たな技術が普及してしまう。
- 新たな技術の普及は、目に見えない間にパラダイムシフトを引き起こす。
- “情報のパラダイムシフトに対応出来ない” の論点(捉え方の軸と筋道)
- “情報を制する者は競争を制する”
- 競争の敗者が負け続けると、次第に存続価値を失う。
- 情報技術の活用は、①業務の効率化とコストダウン、②意思決定の適正化と迅速化、③顧客接点の適確か化と顧客サービスの向上、を実現する。“情報のパラダイムシフトに対応出来ない”ということは、競合業界、競合他社と比較して、①~④の分野で遅れをとることを意味する。
- “情報のパラダイムシフトに対応出来ない”理由
- 何でも新しいものに飛びつく必要はない。しかし、新しい技術が競争優位性を確保する上で決定的な要素になることについては、“先見の明”(事が起こる前にそれを見抜く見識。広辞苑第六版)を持って取り込まなければならない。この“先見の明”がない。
- 情報技術へのリテラシが低く、情報を上手く活用できない。すなわち、新たな情報技術導入への動機付けがない。
- 継続的に情報化投資をする経済的余裕がない。
- 現場の情報に基づいた判断をルール化して情報感度の向上と情報要求のレベルアップを図る”
- 何故、現場の情報に基づいた判断をルール化して情報感度の向上と情報要求のレベルアップを図るのか
- 画一的な製品を大量生産、大量販売、大量消費すれば良いという発想では、多様化し急速に変化する顧客のニーズには応えられない。更に、様々な分野の要素技術を複合した製品が求められているため、色々な分野の専門性を持つ人達が知恵を絞り連携しなければ対応できない。
- 競争力のある事業を興すためには、多様な価値観を持つ人達の一人ひとりが専門分野で生かされ、独自に新たなアイディアを出しコンセプトを創造できるようにしなければならない。
- 如何に、現場の情報に基づいた判断をルール化して情報感度の向上と情報要求のレベルアップを図るか
- まずは“情報を経営に用いてみる”から始める。そして、次第に“情報を経営に用いる習慣”によって“情報感度”を身に付ける。
- “情報感度”を身に付けたことによって、ICTの変遷の歴史、将来像を理解してパラダイムシフトを先取りし、社会に先駈けて変化の兆しを捉えていかなければならないとの動機付けができてくる。
- 意思決定するには根拠となる多面的に捉えた情報が必要である。公的情報、流通する情報以外に、ソーシャルネットワーク上の様々な情報をクロールして、より多くの見方による情報を活用する仕組みを取り入れなければならない。
- EAI(Enterprise Application Integration)、M2M(Machine To Machine)等の情報収集、及び、BI(Business Intelligence)、GIS(Geographic Information System)による経営情報と地理情報との連携等、情報技術を活用し、業務を通して得られる情報を新鮮なうちに、生のまま、多面的に活用する。
- 何故、現場の情報に基づいた判断をルール化して情報感度の向上と情報要求のレベルアップを図るのか
情報が散在して共通認識に基づくコミュニケーションが図られていない
- “情報が散在して共通認識に基づくコミュニケーションが図られていない”とは
- 現場に設置された様々なセンサーデータ、書面での報告書、様々なデータを収集し集計した資料(一人ひとりのパソコンのオフラインディスクに格納された情報)、様々な業務システムのデータベースに格納された情報等、企業の中には貴重な情報が、直接アクセスできない状態で保存されている。
- SNSや様々なWebサイトに掲載されている情報は膨大である。こうした情報には直接アクセスできるできるものの、砂浜にある砂の一粒を探すのと同じ様に、そこに辿りつくことが難しい。
- 情報を収集しても、①戦略的意思決定、②顧客接点の拡大、③顧客サービスの向上、に役立てられなければ無意味である。
- “情報が散在して共通認識に基づくコミュニケーションが図られていない” の論点(捉え方の軸と筋道)
- 変化の時代にあって、情報を適正に、早期に捉えられないということは、適確で迅速な経営判断ができないことを意味する。
- 経営環境の変化に対して共通の認識や危機感を持ち、コミュニケーションを密にして意思疎通を図らなければ、適確で迅速な経営判断をしたとしても、組織全体が一丸となって迅速に行動できない。
- 先んじて情報を活用している競合業界、競合他社と比較して、打つ手が遅れて競争優位性を失う。ひいては、企業の存続価値を失う。
- “情報が散在して共通認識に基づくコミュニケーションが図られていない”理由
- 情報活用への“先見の明”がなく情報化投資が遅れている。
- 情報があっても、①戦略的意思決定、②顧客接点の拡大、③顧客サービスの向上にどう分析し役立てたら良いか、仮説が立てられない。
- 情報技術へのリテラシが低く、情報を上手く活用できない。すなわち、新たな情報技術導入への動機付けがない。
- 継続的に情報化投資をする経済的余裕がない。
- 情報の棚卸しをして一元化し、将来の情報活用のニーズに備える
- 何故、情報の棚卸しをして一元化し、将来の情報活用のニーズに備えるのか
- データがいくらあっても、それをただ単に羅列したり、無駄に集計したりしても、何も生み出さない。本来、情報をどの様に活用するかを考えることが先である。
- 情報を経営に活かせない問題の一つとして、情報が散在しアクセスできないことが上げられる。どこにどんな情報があるか分からないから、多元的に発生する情報を一元的に集約して何ができるか判然としない。
- 将来の情報ニーズを予見することは、もっと難しい。
- そこで、取り敢えずの手段として、情報の棚卸しをして一元化しておいて、将来の情報ニーズに備えておくことにする。
- 如何に、情報の棚卸しをして一元化し、将来の情報活用のニーズに備えるか
- 情報の棚卸しをして、多元的に散在する情報の一元化を図る。
- 多元的に発生する情報を一元的に集約して活用するには、以下の点に留意することが必要である。
- 変化の兆しを捉えて行動するためには、多面的に捉えた情報が必要である。公的情報、流通する情報以外に、ソーシャルネットワーク上の様々な情報をクロールして、より多くの見方による情報を活用する仕組みを取り入れなければならない。
- 業績数値に関わるデータは活動の結果であり、変化の後追いでしかない。業績を管理する上で大事なことは、月中であれ日々捉えることのできるデータで途中経過を把握し、計画値と着地点の予測値の乖離を埋めることである。
- 組織を横串に刺して比較評価するためには、数字自体の定義を組織内で統一しなければならない。部門の業績を公平に評価するためには必要とされて、多くは徒労に終わってきた。
- 社会、市場の変化、多様な顧客ニーズに事業横断して取り組んでいくようになると、組織を縦割りに見て公平に評価するよりも、組織横断した活動を評価する方が重要になってくる。
- 組織内で起きていることを捉えるには、統一のために変換した数字よりも、生のままのデータを時系列で、現場の視線で見ていくことの方が重要である。データが定義された経緯を知ることでその部門の組織文化も理解しやすくなる。社内データを無理して統一化しようとせず、まずは一元化して、オープンに閲覧出来るようにすることが大事である。
- 情報を一元的に集約すると、ハードウェア障害が発生したときに全のデータを喪失する、不正アクセスにより全データが閲覧されてしまう等の問題が発生する。貴重な情報をセキュアな環境一元的に集約しなければならない。
- 何故、情報の棚卸しをして一元化し、将来の情報活用のニーズに備えるのか
- 情報戦略をデザインする
- 何故、情報戦略をデザインするのか
- 経営戦略の視点から、情報を戦略的に活用ためのデザインをする。
- 情報活用とは、つまるところ、以下の4通りである。
- 知識を蓄積し共有する
- 仮説を立てて検証して意思決定する
- 業務のムリ・ムダ・ムラを排除し、最適化(効率化、コスト低減、高品質化、納期遵守)を図る
- 顧客との関係構築に有効な接点を創出し、有益な情報を顧客に提供する
- 社会、市場、顧客ニーズが多様に、また、急速に変化している。また、経済がグローバル化し、競争も激しくなっている。
- マネジメントが適切に機能するには、変化の兆しを読み取り、何をすべきか洞察し、未来を先読みして手を打つための情報が必要である。
- 組織の全ての人達の一人ひとりが適切に行動するためにも、何をすべきか洞察し、先手を打つための情報が必要である。
- 如何に、情報戦略をデザインするか
- 必要とする情報に容易に辿り着けることが必要である。そのためには、利用シーンに合わせたシナリオで情報が整理されていなければならない。
- 問題となる事実が部門内で隠蔽されることなく、初期の段階で、関係者に伝わる仕組みにより、問題の拡大を防ぎ、早期に対処することができる。
- 業務を通して確立したノウハウや知見に関しては、①恣意的な内容が含まれず、②利害による検閲も入らないように蓄積し、③その知識を必要とする人達が閲覧でき、④オープンに議論しその過程も共有できる仕組みを構築することにより、競争優位となる価値を創造することが可能になる。
- 情報管理者(コンテンツ管理者)は、偏りのない情報、新しい正しい情報の共有に努め、網羅性、即時性、誤謬の排除にも常に注意しなければならない。
- 必要とする情報に容易に辿り着けることが必要である。そのためには、利用シーンに合わせたシナリオで情報が整理されていなければならない。
- 何故、情報戦略をデザインするのか
用語
+----------------- | +----------------- | +ーーーーーーーーーーーーー--- |
Trigonal Thinking | Thinking maps |
関連事項
- 経営戦略論、経営戦略フレームワーク、事業戦略論、事業戦略フレームワーク、マーケティング戦略論、マーケティング戦略フレームワーク
- 結果として生じる問題:お互いに抑鬱的に抑え込んで、自由闊達な意見を出させない雰囲気がある
- 同じ深さの論点:濁りきった空気の職場である
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