人格の陶冶が日々の活動の中で意識されているか

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濁りきった空気の職場である、
人格の陶冶が日々の活動の中で意識されているか、変化を受けとめて自ら行動するための環境づくり

“変化を受けとめて自ら行動するための環境”に特徴づけられる変動要因とその論点

“変化を受けとめて自ら行動するための環境”について掘り下げる上で、共通に認識しておかなければならない論点がある。

  • 社会、市場は、常に急速に多様に、変化している。どの企業も、生き残りをかけて少しでも早く、少しでも多くの知見を獲得し、他社との差別化を図って優位性を確保しようとしている。
  • ビジネス環境の変化に対して、今のままでも何とかなるだろうと何ら手を打たないまま放置してしまうと、やがては、抑制が効かないほどに大きな問題となって襲いかかってくる。


また、“変化を受けとめて自ら行動する”ことを阻害する要因があるとして、その背景には以下の理由が潜んでいると考えられる。

  • [出る杭は打たれる]
    • “差し出がましいことをすると、人から非難され、恨みを買ってしまうと思えば、何もしない方がましである。
  • [火中の栗を拾わない]
    • 自身の立場や利害損得がかかっていて、何もしなくても今のままが得なら何もしない。
  • [茹で蛙の法則]
    • 例え重大な変化であっても、変化が緩やかなうちは、安穏と過ごしていたい。

もし、人格の陶冶が日々の活動の中で意識されていないとすれば、それはどういうことか

コンプライアンスが徹底されていない

  • “コンプライアンスが徹底されていない”とは
    • 企業が遵守すべき法令は多岐にわたり沢山ある。こうした法令を遵守すること、及び、そのための制度、法令遵守を担保しうるマネジメントプロセスの構築、コンプライアンス教育による組織的取り組みとその浸透がコンプライアンス(要求や命令に従うこと。特に、企業が法令や社会規範・企業倫理を守ること。法令遵守。広辞苑第六版)のパッケージとして広がっている。
    • コンプライアンスの思想は、元々、業経営者が引き起こした不祥事から発生してきており、株主や投資家の利益を保護することが目的である。しかし、上記コンプライアンスのパッケージとしての取り組みが経営者に求められている。
  • “コンプライアンスが徹底されていない” の論点(捉え方の軸と筋道)
    • 企業の法令に違反した行為が発覚すると、企業の信用は失墜し、市場を失い、企業としての存続も危うくなる。
    • 一度、コンプライアンスで問題を起こした企業が、その信用を回復するためには多大の努力と時間を要する。
    • 株主や投資家が被る損害が大きくなると、株主代表訴訟にも発展していしまう。
  • “コンプライアンスが徹底されていない”理由
    • 遵守すべき法令に対する知識、認識、理解がない。
    • 新たに制定された法令、法令の改正に対する知識、認識、理解がない。
    • 法令違反についての重大性を認識していない。
  • 遵守すべき法令を咀嚼して理解できるようにして行動基準を定め、監査制度を確立する
    • 何故、遵守すべき法令を咀嚼して理解できるようにして行動基準を定め、監査制度を確立するのか
      • コンプライアンスは、法令遵守(順守)のことである。
      • 自らの事業に関わる遵守すべき法令の精神を共有し、コンプライアンスが徹底されなければならない。
      • 法令違反による不祥事を起こすと、苦情対策に追われ返品や取引の停止等に追い込まれるばかりでなく、その企業が長年の努力で作り上げた信用が一気に失墜し、その回復には長い時間と多大な努力が必要となる。
    • 如何に、遵守すべき法令を咀嚼して理解できるようにして行動基準を定め、監査制度を確立するか
      • 法令をこと細かく読み見込んで行動する人は少ない。まずは、“コンプライアンス”の意義を浸透させることから始めなければならない。必要に応じて、会計士や弁護士、専門のコンサルタントに相談する。
      • コンプライアンスに関する行動基準を策定する。
      • 管理者や部門長を対象に、自らの事業に関わる遵守すべき法令にどんなものがあるかを周知させ、また、その法令が定められた際の経緯や基本精神を共有できるように説明会や研修会を開催することも必要である。管理者や部門長が、現場管理者、現場担当者に咀嚼して理解させる。
      • 事例を上げて、具体的に法令違反になることを理解させることも必要である。
      • 日々の業務を通して、コンプライアンスが徹底されているか確認する。担当者だけでなく第三者の確認が入るようにすることがポイントである。
      • 社内監査、外部監査の制度を導入する。また、必要に応じて、IFRSにも対応する。
      • コーポレート・レスポンシビリティの枠組みにも配慮する(欧州、アジアを中心に人権への取り組みも求められている)

社会人としてのモラルが軽視されている

  • “社会人としてのモラルが軽視されている”とは
    • 企業が遵守すべき法令を遵守する以前に、経営者にも、従業員にも平等に、社会人としての常識ある行動、すなわち、モラル(道徳。倫理。広辞苑第六版)が求められている。
    • 企業や組織の中で規定された、組織の一因として働く上での倫理(エシックス、実際道徳の規範となる原理。広辞苑第六版)も求められている。
    • たとえ法令違反にならなくても、顧客や組織内で働く人達への迷惑な行為、不愉快にさせる行為は、常識として慎まなければならない。当然のことながら、目先の成果を達成するために、他の人達を不快にさせることはしてはならない。
  • “社会人としてのモラルが軽視されている” の論点(捉え方の軸と筋道)
    • 顧客や取引先に対するモラルの低下は企業としての信用を失墜させる。
    • 職場内でのモラルの低下は、組織内の結束(チームワーク)を乱す。
    • 何れにしても、企業の競争力は低下し、ひいては、企業の存続を危うくする。
  • “社会人としてのモラルが軽視されている”理由
    • 企業としての倫理規定がない。
    • 社会人として、常識として持つべきモラルが身についていない。
    • 組織の一員として守るべき倫理規定を理解していない。
  • 日常的に社会人としてのモラルを話し合い相互に確認し合う
    • 何故、日常的に社会人としてのモラルを話し合い相互に確認し合うのか
      • 社会通念(一般に共通した考え:広辞苑第六版)は、その社会を形成している人達の歴史や気質によって異なる。また、時代とともに変化する。そうした違いや変化を理解しなければならない。
      • “社会人としてのモラル”は、属している社会通念によっても異なるので、これだという基準はない。しかし、暗黙の了解として共有していることが守られなければ、人間関係が壊れ信用を失う。ひいては、組織全体としての信用も失墜し、存続の危機につながる。
      • 最近では、ビジネスエシックス(Business Ethics、企業倫理)の重要性も広く認識されているい。企業活動における倫理規定(道徳的規定)を重んじて、組織内に徹底することも求められている。
    • 如何に、日常的に社会人としてのモラルを話し合い相互に確認し合うか
      • 組織人としての前に、社会人としてのモラルについて共有する。
      • 組織内の倫理に関する規範を策定する。
      • 入社試験段階で、組織に相応しい人かどうか人物をよく見て採用することも必要である。また、入社後も、企業として守っていることの教育を実施し徹底する。
      • 事例を上げて、具体的に倫理規定違反になることを理解させることも必要である。
      • 日々の業務を通して、倫理規定が徹底されているか確認する。上司だけでなく担当者が相互に確認しあえるようにすることがポイントである。
      • 倫理規定について、相談窓口をつくることも必要である。例えば、ちょっとした贈り物や謝礼金を渡したり、受け取ったりしても良いのか等、迷うことである。


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