「セールスパイプラインの滞留と解決」の版間の差分
提供: PicoWiki
(→提案力が弱い) |
(→提案力が弱い) |
||
行488: | 行488: | ||
#**何よりも、積み重ねてきたコミュニケーションによる信頼関係を大切にして、期待を裏切らず、不信感を持たれない様に細心の注意を払う。特に、否定的な人達のつけいる隙を与えない様にして、“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者”が苦境に陥ることのない様にする。 | #**何よりも、積み重ねてきたコミュニケーションによる信頼関係を大切にして、期待を裏切らず、不信感を持たれない様に細心の注意を払う。特に、否定的な人達のつけいる隙を与えない様にして、“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者”が苦境に陥ることのない様にする。 | ||
#**また、その人が意思決定するための行動に全力を挙げて協力する。 | #**また、その人が意思決定するための行動に全力を挙げて協力する。 | ||
+ | #<strong>背景にある問題の深掘り</strong> | ||
#*組織の競争優位性についての視点から [[営業の競争優位性]]、[[顧客訴求力の競争優位性]] について深掘りすることが必要である。また、[[商品の競争優位性]]、更には、[[商品開発の競争優位性]]、[[技術の競争優位性]] の視点からも、必要とする人のニーズを満たしていない原因が深層にあるのではないか探る必要がある。 | #*組織の競争優位性についての視点から [[営業の競争優位性]]、[[顧客訴求力の競争優位性]] について深掘りすることが必要である。また、[[商品の競争優位性]]、更には、[[商品開発の競争優位性]]、[[技術の競争優位性]] の視点からも、必要とする人のニーズを満たしていない原因が深層にあるのではないか探る必要がある。 | ||
2015年4月19日 (日) 12:30時点における版
セールスパイプラインが滞留しているとは、例えば、買ってくれる見込みがあるのに、なかなか契約に至らないといった状況のことである。それは、営業担当者の押しの強さやセールストークのうまさ、相手の事情や心理を見抜く能力に関わっているかも知れない。しかし、だからと言って、𠮟咤したり褒美を与えたりすれば改善されるものでもない。そもそも、市場動向や顧客のニーズに合わない商品であることが問題かも知れないし、企業ブランドが顧客の感性とマッチしていないのかも知れない。セールスパイプラインが滞留するという問題は、営業担当者の個人の問題とはせず、企業や組織全体としての有り様の問題として深く掘り下げて考えて、根本的な解決に取り組むことが必要である。
目次
失注の情景
セールスパイプラインの停滞要因
顧客の都合で進まない
否定的パワーストラクチャが存在する
- “否定的パワーストラクチャが存在する”とは(主に、B2Bビジネスの場合)
- “パワーストラクチャ”とは権力構造のことである。
- “否定的パワーストラクチャが存在する”とは、自社との取引、自社製品の購入を阻害する権力構造が存在することである。
- “否定的パワーストラクチャが存在する” の論点(捉え方の軸と筋道)
- 自社にとって“否定的パワーストラクチャが存在する”ことは、ビジネスチャンスが損なわれることを意味する。
- 顧客企業にとっては、事業の生産性を高めるための努力を積み上げていくことによって、様々に阿吽の呼吸で効率的に事業を展開できるようにしていることなのであり、このこと自体に問題がある訳ではない。
- 一方、社会や市場、顧客のニーズの変化、技術革新が進むと、それまでに積み上げた様々なことが次第に陳腐化していく。こうした変化の兆しに顧客企業が気づかず、もしくは、旧態依然として対抗しようとしている場合には、業績の悪化などの問題が起きてくる可能性がある。
- “否定的パワーストラクチャが存在する”理由
- 資本提携、業務提携、技術提携などによりその関係先や商品しか取り扱わない、すなわち、門戸を閉ざしている場合がある。
- 競合他社が既に密接な関係を作り、他社を排除することを目的に役員を送り込んだり、業務に深く浸透したりして、様々な意思決定に対して影響力を及ぼし支配している場合がある。
- コアコンピタンス事業には、必ず既得権益が存在する。既得権益で生きてきた人達にとっては、新しいことへの取り組みや、新たな取引関係を構築することは、自らの立場を危うくする要因として映る。
- 過去の経緯の中で信頼関係を失い、二度と取引関係を結んではならないという戒律的な決まりを作り、それを忠実に守ろうとする人達もいる。
- “変化の兆しをいち早く伝え、戦略転換を促す”
- 何故、“変化の兆しをいち早く伝え、戦略転換を促す” であるのか
- 顧客企業が、既存事業に執着している間は、“否定的パワーストラクチャ”の牙城を突き崩すことは容易なことではない。
- しかし、顧客企業やその先にいるエンドユーザにとって、時流に乗り損ねて業績悪化を招くことは避けなければならない事態である。
- 如何に“変化の兆しをいち早く伝え、戦略転換を促す”を実施するのか
- 顧客企業の経営者が、“変化の兆し”に対する深い理解と、時流に乗り損ねて業績悪化を招くことへの危機感を持たなければ、コアコンピタンスである既存事業からの発想の転換、既得権益となっているパワーストラクチャをリストラクチャリングすることはできない。
- 経営トップが、お互いに腹を割って話し合い、“変化の兆し”を深く理解しあい、時流に乗り損ねて業績悪化を招くことへの危機感を共有することが必要である。
- 何故、“変化の兆しをいち早く伝え、戦略転換を促す” であるのか
- “反対勢力の利益の確保も準備する”
- 何故、“反対勢力の利益の確保も準備する” であるのか
- 何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」である。反対勢力の反感を強くさせたり、個人的な恨みを抱かせたりすることは、ビジネスを広げていく上で、将来の憂いとなる。
- 顧客企業にとっても、コアコンピタンスである事業から、すぐに戦略を転換することはできない。
- 如何に“反対勢力の利益の確保も準備する”を実施するのか
- 急激な変化をもたらすことよりも、徐々に変化をもたらすソフトランディングのシナリオを描くことが必要である。
- そのためには、いきなり核心を突くよりも、「軒を借りて母屋を取ってしまう」という戦略をとる方が勝算がある。すなわち、反対勢力の人達に関わりのない周辺のところで環境を整えて、全体としての流れとして、それに乗ることの方が有利だという状況を創ってしまうことが大事である。
- 新事業の開発に食い込むこと、将来には必須となりうるニッチな分野を押さえることなど、様々に考えを巡らせて取り組んでいかなければならない。
- 何故、“反対勢力の利益の確保も準備する” であるのか
- “背後にいる業者とも協業する”
- 何故、“背後にいる業者とも協業する” であるのか
- 多様な情報を入手することができる時代にあっては、囲い込みの思考よりも、オープンな発想の方が効率的であり、余計な資源を投入する無駄を省くこともできる。
- 敵を多く作るより、見方を増やす方が利益は大きい。
- 自社だけで顧客企業の全ての課題を解決できない場合もある。
- 如何に“背後にいる業者とも協業する”を実施するのか
- 協業の基本は、“棲み分け”と“シナジー”である。
- 特例としてではなく、ビジネスエコロジーシステム全体の中で、自社の利害と立ち位置を見定め、戦略を極めなければならない。
- 何故、“背後にいる業者とも協業する” であるのか
意思決定に時間がかかる
- “意思決定に時間がかかる”とは、
- B2Cの場合、買おうと思っていても、あれこれ逡巡して決めかねている状況である。
- B2Bの場合、購買決定までのプロセスに時間がかかっている状況である。
- “意思決定に時間がかかる” の論点(捉え方の軸と筋道)
- セールスパイプラインが長くなり、ほどなく業績悪化につながっていくことを意味する。
- 顧客に振り回されて、不必要にセールスコストがかかってしまう。
- “意思決定に時間がかかる”理由
- B2Cの場合
- 高額商品には、カタログやネットで色々調べた上で購買を決定するために自ずと時間がかかる。但し、買うと決めたら常連顧客、優良顧客になる可能性がある。
- 買い回りをする商品では、代替商品との比較、価格の比較などがあり、また、ネット上で底値のところから購買することもある。必需品でなければ、情報収集だけして、暫くしてから買うことも、結果的に買わないこともありうる。
- 最寄り品であっても、安心できるところ、底値のところで購買するために、すぐには買わない場合がある。
- B2Bの場合
- 予算化されていないものについては、予算編成時期にあわせて提案して予算に入れてもらい、その後、予算執行の段階になって改めて提案しなければならない。
- 景気変動や業績悪化などにより、意思決定が遅れたり、消滅したりする。
- 相見積もりの必要があり、そのプロセスに時間がかかる。
- 承認プロセスが長いために時間がかかる場合がある。新たな口座を開設する場合には、さらに、与信に時間がかかる。
- 責任を取りたくないために、慎重になったり、敢えて意思決定せずに引き延ばしたり、社内での賛同者が後押しするのを待っていたりしている場合がある。
- すぐに必要でないものについては、後送りする。
- 反対する人がいて、交渉に時間がかかっている。
- 関連する部門が多岐にあり、意思統一するのに時間がかかっている。
- B2Cの場合
- “具体的テーマに絞って働きかける”
- 何故、“具体的テーマに絞って働きかける” であるのか
- 一般論的なテーマでは、具体的な投資効果が見えてくるまで保留にされる。
- 広範なテーマでは、関係部門との意思統一に時間がかかる。
- 如何に“具体的テーマに絞って働きかける”を実施するのか
- 全体的なビジョンを明らかにして将来への不安を払拭しつつ、シャープに具体的な効果がでるテーマに絞って、「これができる」に訴求して意思決定をしやすくし、早期の意思決定を促す。
- 購買後、導入後、運用時点でのサポートを明確にして、不安を払拭する。
- 何故、“具体的テーマに絞って働きかける” であるのか
- “意思決定者の関心に訴える” (B2Bの場合)
- 何故、“意思決定者の関心に訴える” であるのか
- 金額の規模、影響する業務範囲に応じて決裁権者が異なる。そうした決裁権限を持つ人が問題意識を持っていないと意思決定されない。
- 経営戦略に謳われたり、プロジェクト化されたりした段階で、すでに出入りしている業者や競合他社が、耳聡くすぐにアプローチしていると肝に銘じておくべきである。
- 如何に“意思決定者の関心に訴える”を実施するのか
- 法制度の変更や規制緩和などの情報、政策の動きなどから顧客企業のこれからの動きを読み取る。
- 経営戦略に謳われたり、プロジェクト化されたりする前に、企業の置かれている状況を分析して、経営戦略策定やプロジェクト化への動きを想定しておく。
- 決裁権限を持つ人、経営者へのアプローチのための人脈を辿り、そうした人達の関心に合わせた“興味の喚起”を行う。
- 何故、“意思決定者の関心に訴える” であるのか
- “意思決定者に直接訴える”
- 何故、“意思決定者に直接訴える” であるのか
- 最終の意思決定は“意思決定者”が行う。しかし、“意思決定者”が納得し、賛同し、リスクを背負うだけの気持ちにならなければ意思決定されない。
- 如何に“意思決定者に直接訴える”を実施するのか
- しかしその一方で、“意思決定者”は必ず、現場の賛同を得ていることを前提に考える。組織文化に応じて、“意思決定者”の了解を得てからか、あるいは、現場の理解を得てからかを判断し、最後には必ず“意思決定者に直接訴える”ことを意図しておく。
- “現場”には現場目線での提案を行い、“意思決定者”には経営視点からのサマリーで意思決定をしやすくし、早期の意思決定を促す。
- 何故、“意思決定者に直接訴える” であるのか
時機ではない
- “時機ではない”とは、
- 技術革新が起きていなければ時期尚早である。
- イノベーションによる新たな事業、新商品については事例がなく、顧客に余程の先駆的な必要性がない限りにおいては、失敗するリスクを負いたくない。
- 製品の成長、成熟段階においては、顧客にニーズが発生する時機を捉えて機敏にビジネスを展開しなければならない。
- 市場が成熟化した後、または衰退期にあっては、セールスパイプラインは細々としたものになり、新事業への転換を急がなければならない。
- 顧客が予算を編成してしまった後では、ビジネスチャンスはない。
- “時機ではない” の論点(捉え方の軸と筋道)
- 時期尚早の場合、セールスパイプラインにすら俎上にすら載らない。市場に火が点くまでのセールスパイプラインは細長く、“金のなる木”の事業がない場合は、ほどなく業績悪化につながっていく。
- セールスパイプラインを見ながら、製品の寿命とライフサイクルモデルをある程度想定し、製品開発計画を立てて、セールスへの投入時機を読み取ることが必要である。
- “時機ではない”理由
- 技術(シーズ)があっても、必ずしも需要(ニーズ)がある訳ではない。
- 社会や市場、顧客のニーズの変化、文化の浸透度、心理的変化や感性の変化などを多面的に捉えていないことで、変化の兆しを見逃してしまう。
- 製品の寿命やライフサイクルを捉えていないことで、競合他社に先を越されてしまう。
- 顧客ビジネスのライフサイクルを捉えていないことで、競合他社に先を越されてしまう。
- 顧客の予算編成などのタイムテーブルを勘案しておかないことで、ビジネス展開の時機を逸してしまう。
- “予算編成前から働きかける”
- 何故、“予算編成前から働きかける” であるのか
- そもそも、顧客に予算という財布がなければ、発注され得ない。
- 予算を考えなくても良い場合とは、顧客が供給先を探していて、ネット、口コミ等の媒体を通して探索に引っかかったという場合である。
- 如何に“予算編成前から働きかける”を実施するのか
- まずは、顧客との人脈を構築し、コミュニケーションを図って信頼を得て、予算編成などの社内プロセスを聞き出すことが必要である。
- しかし、顧客の予算編成時期の前に、顧客のニーズを聞き出し、情報を提供し、ある程度の提案をしておかなければ間に合わない。
- 顧客から信頼を得るためには、また、顧客からの探索にかかるためには、販売促進のための投資をして、ネームバリューを構築しておくことが必要である。
- 何故、“予算編成前から働きかける” であるのか
- “困窮のタイミングで働きかける”
- 何故、“困窮のタイミングで働きかける” であるのか
- 顧客が購買の意思決定をする動機は、顧客自身が抱えている問題を解決するために他ならない。
- 状況の急激な変化に対処するために、予算の有無にかかわらず、状況打開のための施策を打つ場合がある。
- 顧客の業績が好調で、より一層の成長を狙っているときには、新たな事業への投資を考えるものである。
- 如何に“困窮のタイミングで働きかける”を実施するのか
- 定常的な発想では“困窮のタイミングで働きかける”ことはできない。
- 社会や市場の変化、顧客ニーズの変化、法制度の変化、技術革新が起きたときこそが、“困窮のタイミングで働きかける”のチャンスである。
- そのためには、自らの事業においてそうした変化の兆しを先取りしておき、顧客企業へのインパクトのある変化を捉えて、時を移さず提案することが肝要である。
- 何故、“困窮のタイミングで働きかける” であるのか
- “社会の流れに乗った働きかけをする”
- 何故、“社会の流れに乗った働きかけをする” であるのか
- 顧客自身、“社会の流れに乗る”ことが求められている。
- 如何に“社会の流れに乗った働きかけをする”を実施するのか
- まずは、社会や市場の変化の兆し、顧客ニーズの変化の兆し、法制度の変化、技術革新の兆しを捉えておくことが必要である。
- 何にも増して重要なことは、漫然とこうした変化の兆しを捉えるのではなく、インパクトとビジネスチャンスを分析し、顧客に提案できるまでに知恵を深めておくことである。
- 社会や市場の変化、顧客ニーズの変化、法制度の変化、技術革新を顧客が認識し始めた時点で、そのことのインパクトを語り、顧客の課題と解決策について提案していく。
- 何故、“社会の流れに乗った働きかけをする” であるのか
競合企業の存在が障害
競合企業が顧客を囲い込んでいる
- “競合企業が顧客を囲い込んでいる”とは(主に、B2Bビジネスの場合)
- 競合企業が顧客企業のシェアを独占し、予算取りの段階から影響力を及ぼし、その意思決定にも関与している。
- 顧客企業が、様々な選択肢の中から自らの判断を下したくても、競合企業が肝心なところを握っているため、事実上、他の選択をすることができない。
- “競合企業が顧客を囲い込んでいる” の論点(捉え方の軸と筋道)
- 競合企業が顧客企業を強固に囲い込んでいる場合は、そこに入り込む余地はなく、そこにセールスコストを投入しても無駄に終わる場合が多い。
- 顧客企業が新事業に乗り出す場合こそが、その企業に入り込むチャンスがある。
- 顧客企業の業績が悪化するなどで、経営トップの交替、事業の再編、コストの抜本的な削減を迫られている場合も、その企業に入り込むチャンスである。但し、この場合、倒産のリスクを抱えていること、第三者による企業再生のプロセスが動き出すことも想定しておかなければならない。
- “競合企業が顧客を囲い込んでいる”理由
- 資本提携、業務提携、技術提携等を通し、また、役員や専門家の派遣などを通し、顧客企業を支配して独占的な利権を獲得しようとする。
- 顧客企業にとっても、同等の業務レベルを自前で構築するのに時間と費用がかかることを勘案して、その業務全般を委託してしまった方が得だと判断した場合がある。
- “新事業の開拓、事業の再構築の機を捉える”
- 何故、“新事業の開拓、事業の再構築の機を捉える” であるのか
- 新事業の開拓や事業の再構築に際しては、既存事業における既得権益を守る構図とは別に、コンペをして公平に評価をしようという構図も働く。ただ、その場合でも、すでに入り込んでいる競合企業には、顧客を知りつくしているというアドバンテージがある。
- 如何に“新事業の開拓、事業の再構築の機を捉える”を実施するのか
- 標的とする企業の状況を継続的にウォッチして、“新事業の開拓、事業の再構築の機”を捉える。
- 新事業の開拓、事業の再構築”に関わる部門、責任者への訪問を重ねてコミュニケーションを図って信頼関係を構築し、情報交換をするとともに、人脈のパイプを確保する。
- “新事業の開拓、事業の再構築の機の兆し”を捉えて、どういう内容が相手にとって有り難いかを見定めて提案する。
- こうした活動は、自社のリソースだけで行う必要はなく、著名なアライアンスパートナーや標的企業に出入りしているアライアンスパートナーなどのチャネルを生かすことが成功のコツである。
- 何故、“新事業の開拓、事業の再構築の機を捉える” であるのか
- “競合企業が手を出してこない隙間を押さえる”
- 何故、“競合企業が手を出してこない隙間を押さえる” であるのか
- 競合企業が不得意な分野、競合企業の事業戦略上メリットがない分野は必ずある。競合企業に顧客を囲い込まれている状況では、正面から入り込むことはできないが、こうした脇道から顧客企業に入りこむことはできる。
- 脇道であっても、自社にとって得意分野で、事業戦略的にもメリットがあるなら、そこから入り込んで、顧客との人脈を構築し、領域拡大のためのビジネスチャンスを見つけ出すための様々な情報を得ることも可能となる。
- 如何に“競合企業が手を出してこない隙間を押さえる”を実施するのか
- 本来、競合企業に標的企業を囲い込まれている状況では、どこに隙間領域があるか判然としない。競合企業の事業戦略や顧客企業からオープンにされる情報から推測することから始めなければならない。
- オープンなセミナーへの参加などの様々な機会を通して標的企業との接点を構築していく中でコミュニケーションを深め、信頼関係を構築し、情報交換をするとともに、人脈のパイプを確保する。
- “競合企業が手を出してこない隙間事業”のどこに入り込む余地があるかを捉えて、どういう内容が相手にとって有り難いかを見定めて提案する。
- 何故、“競合企業が手を出してこない隙間を押さえる” であるのか
競合商品に負けている
- “競合商品に負けている”とは(主に、B2Bビジネスの場合)
- コンプライアンス上、特定の企業との癒着を防ぐために、必ず複数の業者に対して提案依頼をすることが求められている。競合企業が顧客の囲い込みができていない場合は、公平な条件の下での提案と評価が行われる。
- こうしたコンペによる商習慣が普及してきた状況にあって“競合商品に負けている”と、ビジネスチャンスを逃すばかりとなってしまう。
- “競合商品に負けている” の論点(捉え方の軸と筋道)
- 競合企業とのコンペで勝てずにいるままではセールスパイプライン上でも失注が続き、やがては業績悪化につながっていく。
- 経営資源の制約もあり、競合企業以上の戦略的投資ができない場合がある。競争戦略上はSWOT分析、強みを生かし機会を活かせる事業領域に絞り込む、標的市場を絞り込むなどの対策が必要になる。
- “競合商品に負けている”理由
- 競合企業が先行者メリットを生かしている場合には、先駈けて取り組んでいることによる一日の長と、他社が追いつく前に市場を独占的に支配してしまっているといったことが考えられる。
- 競合企業に資本力がなくても、特定の事業領域で飛び抜けている場合がある。
- 競合企業に資本力がある場合、製品ラインアップが充実し、総合力においても勝っているといったことが考えられる。
- “全体としての優位性で対抗する”
- 競合企業よりも自社の方が資本力で勝っている
- アライアンスにより多様な商品で対抗できる
- 総合力で勝負できる
- “プロデュース力を強みとして訴える”
- 何故、“プロデュース力を強みとして訴える” であるのか
- 顧客ニーズが多様化し、より精緻な対応が求められる様になってきている。大量生産・大量販売の発想によるラインアップではこうしたニーズには応えられない。むしろ、様々な技術や製品を組み合わせたプロデュース力が問われている。
- 如何に“プロデュース力を強みとして訴える”を実施するのか
- ラインアップという発想を転換して、顧客ニーズの変化への適応するためのプロデュース力の重要性を認識する。
- 一通りだけでなく、様々な組合せでプロデュースできる様に、フレキシブルに対応できる仕組みにしておく。
- 中核となる部分には手をつけずに、インターフェイスを共通にして様々に組み合わせることができる様にする。
- 中核となる部分には手をつけずに、周辺部分で個別のニーズに対応する。
- 全ての部分で自由度を設けて、ケースバイケースで個別のニーズに対応する
- 何故、“プロデュース力を強みとして訴える” であるのか
- “将来性のあるロードマップを強みとして訴える”
- 何故、“将来性のあるロードマップを強みとして訴える” であるのか
- 社会や市場、顧客ニーズが多様に変化する時代にあって、ラインアップという発想を転換して、将来の変化に対するフォーサイト(予見)を語り、変化に適応していくロードマップを示すことで強みとする。
- 如何に“将来性のあるロードマップを強みとして訴える”を実施するのか
- 社会や市場、顧客ニーズの多様な変化への認識を示す。
- 一通りだけでなく、様々な組合せで変化に適応できる様に、フレキシブルに対応できる仕組みにしておく。
- 中核となる部分には手をつけずに、インターフェイスを共通にして様々に組み合わせることができる様にする。
- 中核となる部分には手をつけずに、周辺部分で個別のニーズに対応する。
- 全ての部分で自由度を設けて、ケースバイケースで個別のニーズに対応する
- 何故、“将来性のあるロードマップを強みとして訴える” であるのか
- “競争できる部分での優位性で対抗する”
- 競合企業と自社の資本力が拮抗している
- アライアンスにより多様な商品で対抗できる
- 総合力で勝負できる
- “実績でこなされていることを強みとして訴える”
- 何故、“実績でこなされていることを強みとして訴える” であるのか
- 競合製品が強い場合には“実績でこなされている”ことを想定しておくことが必要である。しかし、全体としての優位性として考えたとき、全てに於いて“実績でこなされている”必要はなく、中核部分さえ実績でこなされていさえすればよい。
- 如何に“実績でこなされていることを強みとして訴える”を実施するのか
- “実績でこなされている中核機能”を前面に出して、競合製品の領域での実績と戦えるように舞台を設定する。
- “実績でこなされている中核機能”で、競合製品の領域での実績と戦う場面を想定し、勝つためのシナリオを描いて“実績でこなされていることを強みとして訴える”
- 何故、“実績でこなされていることを強みとして訴える” であるのか
- “技術力で秀でていることを強みとして訴える”
- 何故、“技術力で秀でていることを強みとして訴える” であるのか
- 競合製品が強い場合には“技術力で秀でている”ことを想定しておくことが必要である。しかし、全体としての優位性として考えたとき、全てに於いて“技術力で秀でている”必要はなく、中核部分さえ技術力で秀でていさえすればよい。
- 如何に“技術力で秀でていることを強みとして訴える”を実施するのか
- “技術力で秀でている中核機能”を前面に出して、競合製品の領域の技術と戦えるように舞台を設定する。
- “実績でこなされている中核機能”で、競合製品の領域での実績と戦う場面を想定し、勝つためのシナリオを描いて“技術力で秀でていることを強みとして訴える”
- 何故、“技術力で秀でていることを強みとして訴える” であるのか
- “付加価値の優位性で対抗する”
- 競合企業の方が資本力で勝っている
- 競合企業の方が個別の商品力で勝っている
- 競合企業の方が総合力で勝っている
- “競合以上のさりげない心遣いで顧客を惹きつける”
- 何故、“競合以上のさりげない心遣いで顧客を惹きつける” であるのか
- 商品力(技術力、実現している機能や性能、品質、ストーリー)で勝負ができないのであれば、“さりげない心遣い”で顧客を惹きつける必要がある。
- スペックで勝負できない場合の手段はより安い価格帯での勝負となる。しかし、安易な値下げは経営を圧迫する。
- 商品が訴求するストーリーで負けていても、企業文化としてさりげない心遣いを持ち、現場担当者においても体現できていれば、“さりげない心遣い”で勝負することはできる。
- “さりげない心遣い”で勝負できることは、企業として差別化を図る貴重な経営資源でもある。
- 如何に“競合以上のさりげない心遣いで顧客を惹きつける”を実施するのか
- 顧客満足は企業側の都合の押しつけでは実現できない。顧客の目線で状況を共感する日々の習慣から始まる。
- “さりげない心遣い”のマニュアル化は難しい。経営者から経営スタッフ、一人ひとりの従業員、営業現場の全てに於いて、“さりげない心遣い”をすることで顧客が助かる姿、喜びの笑顔を見ることで歓びを感じること、それを共有することが大事である。
- “準備された心遣い”“規則で義務付けられた心遣い”は、却って顧客の不信を買う。
- 何故、“競合以上のさりげない心遣いで顧客を惹きつける” であるのか
- “導入、カットオーバーを二人三脚で乗り切る誠実さで惹きつける”
- 何故、“導入、カットオーバーを二人三脚で乗り切る誠実さで惹きつける” であるのか
- 商品を買ったばかり、システムを導入したばかりの時は、顧客は操作に不慣れであり、あれこれどうしたものかと迷うものである。
- 販売に精一杯になる場合が多く、こうした顧客の悩みは放置されがちである。“導入、カットオーバーを二人三脚で乗り切る誠実さ”で顧客を惹きつけることができる。
- 如何に“導入、カットオーバーを二人三脚で乗り切る誠実さで惹きつける”を実施するのか
- “導入、カットオーバー”を支援する作業の現場は最も緊張を強いられ、時間との勝負となる。所定の機能に対して様々な改善や機能追加を求められることがある。
- 契約にない、仕様にないと言うことはたやすことであるが、日本に於いてはむしろ、誠実さの面で禁句である。すぐにできること、顧客とっての重要度等から優先度をつけて対応するマネジメント能力の養成が必要である。
- 契約にないこと、仕様にないことに如何に誠実に対処するかが、企業の差別化要因として問われる。こうしたリスクをある程度想定した計画を立てておくことが肝要である。
- 何故、“導入、カットオーバーを二人三脚で乗り切る誠実さで惹きつける” であるのか
ビジネスモデルが弱い
顧客にリーチできない
- “顧客にリーチできない”とは(主に、B2Bビジネスの場合)
- 顧客となる企業にリーチできていない場合、企業には入り込めていても購買の意思決定に関わる人にリーチできていない場合の2通りがある。
- “顧客となる企業にリーチできていない”とは、業種業界の違い、企業の規模の違いから、顧客にアクセスする機会を作ることが難しい場合がある。標的とする市場において、実際にニーズを持っていて、それを実現する商品を買いたいと思っている顧客にリーチすることで初めてビジネスチャンスが生まれる。
- 最終消費者が商品を買う顧客である場合は、販売チャネルである卸売り業者や小売り業者が顧客となる。部品メーカや設備メーカでは発注する企業が顧客となる。
- “購買の意思決定に関わる人にリーチできていない”とは、実際に問題を抱えて課題を解決したいと思っている人、その業務に携わっている困っている人、課題解決の役割をになって人(キーマン)に巡り合っていない場合である。
- “顧客にリーチできない” の論点(捉え方の軸と筋道)
- “顧客にリーチできない”ということは、ビジネスチャンスがないということである。セールスパイプラインは細々としたものとなり、やがては業績悪化につながっていく。
- 顧客にリーチするための不断の努力こそが、営業活動の原点である。
- “顧客にリーチできない”理由
- 直接的には、顧客にリーチするための営業活動がなされていないことによる。
- 間接的には、プロモーション活動(広告宣伝、セミナー開催、ホームページやブログなどによる露出)が不充分で、知名度がないことが影響している場合がある。
- 本質的には、取り扱う商品をどう紹介したら良いかの工夫がなされていないために、営業部門が顧客に話しを持って行けないという実態がありうる。
- 顧客にリーチするだけでは評価されないために、営業担当者自身の動機づけがなされていない場合もある。
- “顧客にリーチする活動を促進する仕掛けを作り込む”
- 何故、“顧客にリーチする活動を促進する仕掛けを作り込む” であるのか
- 人脈構築、プロモーションの仕組み、パンフレットの整備、営業の業績評価制度の見直しの全体を“顧客にリーチする活動を促進する仕掛け”として作り込まなければ、営業現場は活動できない。
- 如何に“顧客にリーチする活動を促進する仕掛けを作り込む”を実施するのか
- 普段から顧客との人脈構築、販売チャネルとの人脈構築をしておくことが必要である。これによりセミナーを開催するなどの販売促進活動で集客の対象とすることができる。
- 顧客となる企業の中に入り込む機会を作れたとしても、その企業の中の人脈を辿って(紹介してもらって)、キーマンに合うチャンスを作らなければならない。
- プロモーション活動(広告宣伝、セミナー開催、ホームページやブログなどによる露出)により知名度を向上させる。すぐには知名度が上がらなくても、営業担当者が名刺交換した時やセミナー等で「ホームページやブログを見て下さい」と言えるものがあるだけでも“顧客にリーチする活動を促進する”ためには効果がある。
- 「ホームページやブログを見て下さい」で大事なことは“分かり易さ”であるが、見た目ではなく、ロジックがきちんと展開されていることの方が重要である。
- 営業現場が取り扱う商品をどう紹介したら良いか分からなければ顧客に持って行けない。標準的なパンフレットだけでなく、エグゼクティブサマリ-、妥当性を理解できるだけの資料、実績や成果物例などを準備しておくこと。
- 一般に、営業の成果はプロセスではなく、売上高(受注高)で評価されインセンティブが決定される。しかし、これだと話しを持って行きやすいところに、持って行きやすい商材だけを営業してしまう。
- 何故、“顧客にリーチする活動を促進する仕掛けを作り込む” であるのか
- “顧客にリーチする販売チャネルに関心を抱かせる”
- 何故、“顧客にリーチする販売チャネルに関心を抱かせる” であるのか
- 自社の営業リソースだけでは“顧客にリーチする”ことが難しい場合がある。
- そこで“顧客にリーチする販売チャネル”、すなわち、他の企業とアライアンスを組んで営業することも必要となる。
- 如何に“顧客にリーチする販売チャネルに関心を抱かせる”を実施するのか
- アライアンスを組む企業を探すことは、本来、極めて難しい。“顧客にリーチする活動を促進する仕掛けを作り込む”と同等の仕掛けを作り込んでおくことが必要である。
- アライアンスを組む企業のメリットを創り出し、かつ、アライアンスを組むことで生み出すことのできるシナジーも考え出しておかなければならない。
- アライアンスで最も大事なことは、収益モデルの共有と分配ルールの明確化である。当初からこの点を明確にして交渉を進め、きちんと契約することが必要である。
- 何故、“顧客にリーチする販売チャネルに関心を抱かせる” であるのか
取引業者に取引の動機がない
- “取引業者に取引の動機がない”とは(主に、B2Bビジネスの場合)
- “取引業者者”とは、仕入先業者、販売業者、アライアンスパートナーのことである。
- 取引関係は多様であるが、相互にメリットがあり、シナジー効果が無ければ、取引関係は成立しないか、単発で終わってしまう。
- “取引業者に取引の動機がない” の論点(捉え方の軸と筋道)
- 販売チャネル側の企業の販売促進、営業展開によってビジネス規模を拡大することができる。販売に対する動機づけが、より積極的な活動に結びつく。
- 供給量と在庫量、供給価格、リードタイムの調整をセールスパイプラインの推移で図ることができる。サプライサイドとの連携が短納期でのビジネスを実現する。供給に対する動機づけが、スピーディーなビジネスの実現、投下資本効率の向上につながる。
- アライアンスパートナーと協業することで、リーチできない顧客とのビジネスチャンスが生まれ、セールスパイプラインを太くすることができる。
- “取引業者に取引の動機がない”理由
- 取引業者がビジネスへの魅力を感じなければ、おざなりな取引関係になってしまう。
- 取引業者へのインセンティブだけでは、取引に対する充分な動機づけとはならない。状況の変化にともないその関係はすぐに破綻する。困った時の助けにもならない。
- 取引業者との契約を越えた信頼関係、相互のメリット、シナジー効果を生み出す仕掛けがないと、取引業者にとっての動機づけがなされない。
- “多面的に見た事業戦略の実現、利害得失に訴求する”
- 何故、“多面的に見た事業戦略の実現、利害得失に訴求する” であるのか
- 多様化する顧客ニーズを実現するためには、従来のような画一的な商品の大量生産、大量販売の発想では対応できない。多面的に見た事業戦略の実現に訴求することが必要である。
- 夫々の企業の事業も多様に展開されていく。多面的に見た利害得失を捉えて総合的に訴求することが必要である。
- 如何に“多面的に見た事業戦略の実現、利害得失に訴求する”を実施するのか
- 多様化する顧客ニーズに対して、様々なビジネスも組合せを考えて、相互にメリット、シナジー効果のある事業戦略を構想する。
- 夫々の事業の組合せたときの利害損得を評価し、全体としてのバランスを取れた事業計画を策定する。
- 何故、“多面的に見た事業戦略の実現、利害得失に訴求する” であるのか
- “長期的に見た事業戦略の実現、利害得失に訴求する”
- 何故、“長期的に見た事業戦略の実現、利害得失に訴求する” であるのか
- 社会や市場の変化、顧客ニーズの変化、技術革新が急速に進んでいく時代にあって、短期的な取引しか見ていないと、その時々の利害だけで関係が構築されたり破綻したりする。長期的に見た事業戦略の実現に訴求することが必要である。(状況の変化に合わせてフレキシブルに取引関係を離合集散させるということもあり得る)
- 夫々に多様な事業を展開している状況で、短期的な取引しか見ていないと、その時々の利害だけで関係が構築されたり破綻したりする。長期的に見た利害得失に訴求することが必要である。(夫々の多様な事業に合わせて是々非々で取引関係を離合集散させるということもあり得る)
- 如何に“長期的に見た事業戦略の実現、利害得失に訴求する”を実施するのか
- 急速に変化する顧客ニーズに対して、様々なビジネスも組合せを考えて、相互にメリット、シナジー効果のある事業戦略を構想する。
- 夫々の事業の組合せたときの利害損得を評価し、全体としてのバランスを取れた事業計画を策定する。
- 何故、“長期的に見た事業戦略の実現、利害得失に訴求する” であるのか
- “継続的な価値の提供を約束する”
- 何故、“継続に価値の提供を約束する” であるのか
- 相互にメリットがあり、シナジー効果がある取引関係を構築するには、お互いに経営資源を投入し、時間をかけて信頼関係を構築しなければならない。お互いに変節することに戦々恐々としていては、良好な関係構築は不可能である。
- 如何に“継続的な価値の提供を約束する”を実施するのか
- 多面的、長期的な事業戦略の構想と利害損得の調整により、相互のメリット、シナジー効果を描くことができる。
- 契約関係前提としながらも、契約という行為を越えて、コミュニケーションを密に図ることが必要である。
- 実際のビジネス展開を通して試行錯誤し、地道に成功事例を蓄積して、“約束した価値の提供”が継続的に実現されていくことが重要である。
- 何故、“継続に価値の提供を約束する” であるのか
- “収益増大、利益率の確保を約束する”
- 何故、“収益増大、利益率の確保を約束する” であるのか
- 相互に“収益増大、利益率の確保”につながらなければ、その取引関係に意味はない。
- 如何に“収益増大、利益率の確保を約束する”を実施するのか
- 全体の収益モデルのフレームワークを定める。
- 個々のケースに応じて、収益モデルをフレキシブルに適用させていく。
- 何故、“収益増大、利益率の確保を約束する” であるのか
- “過剰な負荷のない取引とする”
- 何故、“過剰な負荷のない取引とする” であるのか
- 強固な信頼関係が確立されれば、お互いに多少の無理はあっても、勧んで融通を利かせるものである。
- 信頼関係がないままでの一方的な過負荷の押しつけでは、取引関係は成り立たない。
- 如何に“過剰な負荷のない取引とする”を実施するのか
- 当初の事業計画策定に際して、相互に負荷の調整を行う。
- 個々のケースに応じて、負荷分散モデルをフレキシブルに適用させていく。
- 何故、“過剰な負荷のない取引とする” であるのか
商品の訴求力が弱い
すぐに欲しくなるストーリーになっていない
- “すぐに欲しくなるストーリーになっていない”とは、
- 今、すぐに欲しくなければ、誰もその商品を買おうとはしない。また、顧客はニーズがあり、買ってどう使うかが描けなければ、誰もその商品を買わない。
- ただし、B2Cにおいては、店頭で商品を見て、衝動的に購買してしまう場合もある。
- 今、すぐに儲かるのであれば、安易に購買の意思決定をする。
- 今、目の前にある問題をなるほどと思える方法で解決できるのであれば、比較的安易に購買の意思決定をしてしまう。
- 今すぐに買った方が得策だと判断した場合に購買の意思決定がなされる。“すぐに欲しくなるストーリーになっていない”ことで、販売機会ロスを生じる。
- 今、すぐに欲しくなければ、誰もその商品を買おうとはしない。また、顧客はニーズがあり、買ってどう使うかが描けなければ、誰もその商品を買わない。
- “すぐに欲しくなるストーリーになっていない” の論点(捉え方の軸と筋道)
- 比較的短期間に受注、売上につながる案件の確保ができず、セールスパイプラインを太く短くすることができない。
- キャッシュフローの回転も悪くなり、やがては企業経営が逼迫する。
- “すぐに欲しくなるストーリーになっていない”理由
- 社会の変化、市場の変化、顧客ニーズの変化に疎いために“すぐに欲しくなるストーリーになっていない”ことが起きてしまう。
- 相手にとって欲しいと思うためのストーリーを描く構想力がない。
- その背景には、企業という組織内部での議論の中心が、技術の視点でものごとを考えてしまう、どうやって実現しようかという方法の善し悪しでものごとを考えてしまう、といった思考の癖が染みついていることによる。
- 最悪の場合として、組織内の業務の流れ、事務手続きの都合が重視されるあまり、顧客への視点が軽視される。
- “顧客のストーリーで訴求する”
- 何故、“顧客のストーリーで訴求する” であるのか
- 顧客の目線で、顧客が何を実現したいかのストーリーを描けていないと、顧客にも関心を持ってもらえない。
- 大事なことは、目の前にいる顧客の今のニーズだけでなく、それによって何を実現したいのかに想いを巡らせていない。それは、顧客のその先にいる家族や友人のことかも知れないし、顧客も含めたそうした人達の明日に起こることに関わるかも知れない。
- 如何に“顧客のストーリーで訴求する”を実施するのか
- まずは、社会の変化、市場の変化、顧客ニーズの変化に関心を持つことが前提となる。
- そして、顧客に関心を持って、顧客ニーズのその先にあることへ思いを馳せる工夫をして、耳を傾けてヒヤリングする習慣を身につける。
- すぐにはできなくても、すべての案件に対して“顧客のストーリーを描く”ことで、“顧客のストーリーで訴求する”ことができる様になる。
- 何故、“顧客のストーリーで訴求する” であるのか
- “時流へのストーリーで訴求する”
- 何故、“時流へのストーリーで訴求する” であるのか
- 顧客は案外と時流に興味を持っている。
- 時流に乗っていない場合、顧客に価値を認知してもらえない。特に、時代遅れのものには誰も関心を持たない。
- 如何に“時流へのストーリーで訴求する”を実施するのか
- まずは、社会の変化、市場の変化、顧客ニーズの変化に関心を持つことが前提となる。
- そして、時流に関心を持って、時流のその先にあることへも思いを馳せる。
- すぐにはできなくても、すべての案件に対して“時流へのストーリーを描く”ことで、“時流へのストーリーで訴求する”ことができる様になる。
- テーマによっては、自社内で専門家やエバンジェリストと称する人もいるかも知れない。可能であれば、そうした社内リソースを上手く活用すると良い。
- 何故、“時流へのストーリーで訴求する” であるのか
- “歴史観のあるストーリーで今こそだと訴える”
- 何故、“歴史観のあるストーリーで今こそだと訴える” であるのか
- 社会全体として長い歴史の中で実現が期待されたものがある。それは、顧客にとっても関心の高いことでもある。
- そうした“長い歴史の中で実現が期待されたもの”を実現しているにも関わらず、それを伝えなければ価値が伝わらない。
- “長い歴史の中で実現が期待されたもの”の実現は、顧客にとっても大きなインパクトであり、それが入手可能であるなら尚更である。
- 如何に“歴史観のあるストーリーで今こそだと訴える”を実施するのか
- 歴史的な発展の経緯を示す資料を作成し公表する。その際、“長い歴史の中で期待されてきた○○が遂に実現”くらいの仰々しさも有って良い。
- 権威の有る第三者がその実現を“遂に実現した”“感激と驚きである”といった論評とともに大衆に訴求力のあるメディアで伝えてくれるたなら、効果は抜群である。
- そこまではできなくとも、購買した顧客に語ってもらうことでも効果がある。
- 何故、“歴史観のあるストーリーで今こそだと訴える” であるのか
- “合点のいくイメージを感じるストーリーで訴求する”
- 何故、“合点のいくイメージを感じるストーリーで訴求する” であるのか
- 実現イメージが描けず、必要性を認識できない場合がある。しかし、簡略化(デフォルメ)して分かり易くたイメージではなく、“合点のいくイメージ”を描くことが大事である。
- 実現イメージの助けとなるのが事例である。しかし、事例はその企業の実情が色濃く反映したものであり、必ずしも顧客にとって“合点のいくイメージ”であるとは限らない。むしろ、顧客にとっての反証にもなりかねない。
- 如何に“合点のいくイメージを感じるストーリーで訴求する”を実施するのか
- 最も容易に準備できるものは成果物例である。
- 大事なことは、単に成果物例を示すことではなく、顧客に合わせて、顧客が理解しやすく納得のいく成果物により必要性を感じるストーリーで訴求することである。
- 何故、“合点のいくイメージを感じるストーリーで訴求する” であるのか
- “サポート体制で安心できるストーリーで訴求する”
- 何故、“サポート体制で安心できるストーリーで訴求する” であるのか
- 買ったはいいが使い方が分からなかったり、サポートが十分でなかったり、品質の保証がなかったりしたらという不安を、顧客は常に抱いている。
- 如何に“サポート体制で安心できるストーリーで訴求する”を実施するのか
- まずは、販売用のパンフレットに“サポート体制”をきちんと謳っておくことである。そして、見積もりや契約に際してもきちんと明記し、サービスレベルや金額を織り込んでおくことである。
- 提案等の際に、導入した顧客に事例発表をしてもらい、体験談を語ってもらうのが最も効果的である。プライベートセミナーでのユーザー事例などの発表の場で、顧客にその体験談を語ってもらうのもよい。
- 何故、“サポート体制で安心できるストーリーで訴求する” であるのか
- “コスト・パフォーマンスの納得感を訴える”
- 何故、“コスト・パフォーマンスの納得感を訴える” であるのか
- コスト・パフォーマンスが悪ければ買わない。絶対的な基準もあるが、コンペになった場合には、コスト・パフォーマンスの競争となる。
- 如何に“コスト・パフォーマンスの納得感を訴える”を実施するのか
- 特に、情報通信機器や設備機器においては、処理精度、処理速度、産出量、稼働率などの実績値をきちんと測定し提供できるようにしておかなければならない。
- コンペになった場合には、顧客の要求に沿った測定値を提出出来る様にしておくことも必要である。
- 何故、“コスト・パフォーマンスの納得感を訴える” であるのか
- 背景にある問題の深掘り
- 組織の競争優位性についての視点から 営業の競争優位性、顧客訴求力の競争優位性 について深掘りすることが必要である。また、商品の競争優位性、更には、商品開発の競争優位性 の視点からも、すぐに欲しくなるストーリーを描けない原因が深層にあるのではないか探る必要がある。
将来を先取りしたストーリーになっていない
- “将来を先取りしたストーリーになっていない”とは
- 景気が良くなり、また、業績が好転してくると、将来への事業拡大と増収益を見込んで、先行投資への意欲が高まる。そうした顧客ニーズに “将来を先取りしたストーリー”で訴求できていない。
- 将来への不安やリスクを大きく感じる時には、リスクの回避/低減/移転に対する先行投資への関心が高まる。
- 今の内に投資した方が得策だと判断した場合に先行投資の意思決定がなされる。“将来を先取りしたストーリーになっていない”ことで、販売機会ロスを生じる。
- “将来を先取りしたストーリーになっていない” の論点(捉え方の軸と筋道)
- 将来への不安やリスクが差し迫って感じられる場合は、比較的短期間に受注、売上につながる。“将来を先取りしたストーリーになっていない”と、そうした案件の確保ができず、セールスパイプラインを太く短くすることができない。
- キャッシュフローの回転も悪くなり、やがては企業経営が逼迫する。
- “将来を先取りしたストーリーになっていない”理由
- 社会の変化、市場の変化、顧客ニーズの変化に疎いために“将来を先取りしたストーリーになっていない”ことが起きてしまう。
- 相手にとって将来を見越した、先行投資をしてでも欲しいと思うストーリーを描く構想力がない。
- その背景には、企業という組織内部での議論の中心が、技術の視点でものごとを考えてしまう、どうやって実現しようかという方法の善し悪しでものごとを考えてしまう、といった思考の癖が染みついていることによる。
- 最悪の場合として、組織内の業務の流れ、事務手続きの都合が重視されるあまり、顧客への視点が軽視される。
- “他社もやろうとしているから今の内にを訴える”
- 何故、“他社もやろうとしているから今の内にを訴える” であるのか
- 景気が良くなる兆しがあれば、将来への事業拡大のチャンスであると誰もが想像する。
- 先行したものが多くの利益を得られるというのが誰もが持つ直観であり、“他社もやろうとしているなら、それに先んじて我が社でもやろうじゃないか”というのが人情である。
- 如何に“他社もやろうとしているから今の内にを訴える”を実施するのか
- まずは、社会の変化、市場の変化、顧客ニーズの変化に関心を持つことが前提となる。
- 内閣府、総務省、経産省、厚労省等が発表する経済指標、日銀短観を常にウォッチしておく。
- 上記関連の白書の記載や顧客業界誌の記事を引用すると効果的である。
- 何故、“他社もやろうとしているから今の内にを訴える” であるのか
- “将来の困り事の前に対応するを訴える”
- 何故、“将来の困り事の前に対応するを訴える” であるのか
- 将来への不安やリスクを大きく感じる時には、誰もが挙ってリスクの低減/回避/移転のための投資に走るものである。
- 如何に“将来の困り事の前に対応するを訴える”を実施するのか
- まずは、社会の変化、市場の変化、顧客ニーズの変化に関心を持つことが前提となる。
- 内閣府、総務省、経産省、厚労省等が発表する経済指標、日銀短観を常にウォッチしておく。
- 海外のゾブリンリスクにも常にウォッチしておく。
- IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル、Intergovermental Panel on Climate Change)の報告書や国交省や自治体が公表するハザードマップ、気象庁の災害情報などにもアンテナを広げておく。
- 上記関連の白書の記載や顧客業界誌の記事を引用すると効果的である。
- 何故、“将来の困り事の前に対応するを訴える” であるのか
- 背景にある問題の深掘り
- 組織の競争優位性についての視点から 営業の競争優位性、顧客訴求力の競争優位性 について深掘りすることが必要である。また、商品の競争優位性、更には、商品開発の競争優位性、技術の競争優位性 の視点からも、将来を先取りしたストーリーを描けない原因が深層にあるのではないか探る必要がある。
提案力が弱い
提案に惹きつける力がない
- “提案に惹きつける力がない”とは(主に、B2Bビジネスの場合)
- 顧客の関心を惹くこともなく、買うための動機づけにならない提案になっている。
- 自分達の主張ばかりをしたり、ノウハウや製品の押し売りになっていたり、表面的な知識の羅列に終始していたり、考察が不足していたりしていると、顧客は惹きつけられるどころか却って、興ざめして関心を失ってしまう。
- 同様に、他社での成功事例を並べ立てても、自慢話にしかならない。
- 結果的には、買いたいと思うこともないし、買おうという行動も、意思決定もなされ得ない。
- “提案に惹きつける力がない” の論点(捉え方の軸と筋道)
- 提案の機会を得たということは、顧客が関心を持って、こちらを向いてくれていることを示す。しかし、受注というゴールを目前にした最後の決定力に欠けていることを意味し、確実に失注につながる。
- コンペの場合は当て馬にされている場合もある。しかし、このことで顧客とコミュニケーションを交わす機会ができたと解することもできる。
- セールスパイプラインに沿ってそれまでにかけてきた時間、セールスコストが水泡に帰してしまう。
- “提案に惹きつける力がない”理由
- 本質的には、顧客の目線で、顧客の関心事をとらえて、事業拡大、業績向上、課題解決に供する提案をするための思考レベルが低く、掘り下げが浅いことによる。
- ページ数で勝負する、文字数を少なくする、ど派手にする、コミカルにするなどの努力は必要かも知れないが、具備すべき要件としての十分条件ではない。にも関わらず、ここだけに最も力を注いでしまう。
- “要求を満たしていない”“簡潔に結論を示せていない”“しっかりしたロジック展開になっていない”といった基本の欠落こそがが、顧客が駄目出しをする決定的な要因である。
- “内容で惹きつける”
- 何故、“内容で惹きつける” であるのか
- 本来、提案は、その内容によって惹きつけられるのであり、文量や巧みな表現、表面的な出来映えで決まるものではない。
- 競合他社と競うコンペが一般化した状況にあって、他社が真似のできないほどに、内容に磨きをかけることこそが必要なことである。
- 如何に“内容で惹きつける”を実施するのか
- 訴求するポイントを明確にする
- 特に、コンセプトや手法に新規性があると、顧客の興味を惹くことができる
- 差別化するポイントを前面に出す
- こんな凄いことができる、自分達の悩みを見抜いて微に入り細に入りな心遣いまでしてくれる、といったサプライズがあると、顧客の興味を惹くことができる
- 自社のみならず、他社製品についても設計思想に至るまで深く洞察して、比較分析していると、顧客は安心感を持つ(可能なら、エバンジェリストを提案作成に際して活用するとよい)。
- 目的と結論(効果がありこうなる)を明快に示す
- まずは単刀直入に結論から示す。
- 簡潔で明快なロジックで組み立てる。
- 論理展開に際しての全体の基本コンセプト、構成を伝える
- 事業拡大、業績向上、課題解決のために何ができるかを伝える。論理展開としては、①目的と認識している課題の確認、②課題の深層分析、③一般的な解決策の列挙と比較、④採用する解決策の提示と選択の根拠、⑤メリットとデメリット、隘路と解決策の共有、⑥コスト・パフォーマンスの実証(場合によって)、が必須である。
- 具体性を示すために、顧客におけるストーリーを伝える、①どうするのかのイメージ、②何が起き、どう変わるかのイメージを示す。また、その際、③活用の情景のイメージ、④使用方法、運用のイメージ、⑤運命共同体のイメージを描くと良い。
- リアリティが重要であり、資料には極力画像を引用し、プレゼンには、デモンストレーションや動画を活用できると、最も効果的となる。
- 訴求するポイントを明確にする
- 何故、“内容で惹きつける” であるのか
- “熱意で惹きつける”
- 何故、“熱意で惹きつける” であるのか
- 提案の内容が“仏”なら、提案に対する熱意は“魂”である。
- 顧客は、情熱をもって取り組んでくそうだと感じると、安心して任せようという気になる。そのためには、難しいことは不要であり、単純に、企業も組織も人も誠実に向き合ってくれているという感覚を感じ取ってもらえさえすればよい。
- 逆に、提案内容がどんなに綺麗にまとまっていていようとも、少しでもおざなりな雰囲気があると、顧客はなおざりにされることを察知して、購買の意思決定をしようという気にはならない。
- 如何に“熱意で惹きつける”を実施するのか
- トップセールスを活用する。裁権者である経営者が自ら提案するのであれば、問題が起きたときにも責任を持って対処してくれると期待でき、安心できる。
- チームセリングを活用する。担当者任せでなく、組織全体として取り組んでくれていると印象づけることができ、安心できる。
- そして、何よりも担当者のパートナーとしての熱意を感じることが重要である。担当者が会社や組織の都合に付き合わされ振り回されるのは、顧客にとっては迷惑な話しである。また、何よりも、担当者自身が内発的に動機づけられて熱意をもって取り組んでいると、安心して頼もうという気にさせられる。
- 何故、“熱意で惹きつける” であるのか
- 背景にある問題の深掘り
- 組織の競争優位性についての視点から 営業の競争優位性、顧客訴求力の競争優位性 について深掘りすることが必要である。また、商品の競争優位性、更には、商品開発の競争優位性 の視点からも、提案に惹きつける力がない原因が深層にあるのではないか探る必要がある。
必要とする人のニーズを満たしていない
- “必要とする人のニーズを満たしていない”とは(主に、B2Bビジネスの場合)
- 表面的には、提案依頼に示された“要求を満たしていない”ことである。
- しかし、本質的には、事業拡大、業績アップ、課題解決が自らの使命だと感じている決裁者の心に提案内容が響いていないことを意味する。
- “必要とする人のニーズを満たしていない” の論点(捉え方の軸と筋道)
- “提案に惹きつける力がない”と同様に、受注というゴールを目前にした最後の決定力に欠けていることを意味し、確実に失注につながる。
- セールスパイプラインに沿ってそれまでにかけてきた時間、セールスコストが水泡に帰してしまう。
- “必要とする人のニーズを満たしていない”理由
- 事業拡大、業績アップ、課題解決が自らの使命だと感じている決裁者が持っている問題意識、こういうことを実現したいという深層にあるニーズを捉えていない。
- しかし、その本質は、そうした深層にあるニーズを分析する能力がないこと、さらには、そうした認識を持ちうる知的レベルに達していないことを意味する。
- “課課題解決が自らの使命だと感じている決裁者のニーズをつかむ”
- 何故、“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者のニーズをつかむ” であるのか
- どんなに課題解決が必要だと主張している人でも、自らの使命だと感じて取り組んでいなければ、所詮は、社内を評論的に批判しているか、愚痴でしかない。ビジネスであるなら、そうした人に付き合う時間は無駄である。もっとも、そうした人達を仲間に引き入れておくこと、そうした人達を介して“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者”に辿り着くこともありうる。
- “課題解決が自らの使命だと感じている”“決裁者である”からこその責任のあるニーズを持っている場合がある。提案依頼書に書かれた要求事項を満たすことは最低ラインであり、本来、提案とは、課題解決が自らの使命だと感じている決裁者のニーズを満たす内容でなければならない。
- 決裁権限がなければ、購買に対する意思決定がなされない。また、決裁権者が他にいると、そこでまた、話しが転覆する可能性もある。
- 如何に“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者のニーズをつかむ”を実施するのか
- 準備段階として、標的企業の経営環境、経営状況を分析して課題を想定しておく。
- 事前に課題解決が自らの使命だと感じている決裁者を探し、辿り着くための伝手を辿っていく。
- 事前に課題解決が自らの使命だと感じている決裁者とのコミュニケーションを密にしてニーズをつかむ
- コミュニケーションのタイミングには配慮する(夜討ち朝駈けは愚の骨頂であり、本来は避けるべきである。また、話しを聞いて欲しい時はできるだけ余裕のある日時帯を計画する。事前に了解を得ているのなら、切羽詰まったときのタイミングを利用することもありうる)
- 悩みの共感に徹する
- 何故、“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者のニーズをつかむ” であるのか
- “課題に共感して一緒になって解決していくという提案とする”
- 何故、“課題に共感して一緒になって解決していくという提案とする” であるのか
- “課題解決が自らの使命だと感じている決裁者”は顧客企業にあって孤独な立場であり、既得権益をもっている現状維持を主張する人達から疎まれ、失敗することを望まれていることすらありうる。
- だからこそ、“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者”の悩みを聞き、課題に共感して一緒になって解決してくれるという信頼を獲得することが必要なのである。
- 如何に“課題に共感して一緒になって解決していくという提案とする”を実施するのか
- “課題解決が自らの使命だと感じている決裁者のニーズをつかむ”ことが前提であり、その実施内容を踏まえておくことが大事である。
- 可能であれば、“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者”に提案内容の了解をとっておく。
- 何よりも、積み重ねてきたコミュニケーションによる信頼関係を大切にして、期待を裏切らず、不信感を持たれない様に細心の注意を払う。特に、否定的な人達のつけいる隙を与えない様にして、“課題解決が自らの使命だと感じている決裁者”が苦境に陥ることのない様にする。
- また、その人が意思決定するための行動に全力を挙げて協力する。
- 何故、“課題に共感して一緒になって解決していくという提案とする” であるのか
- 背景にある問題の深掘り
- 組織の競争優位性についての視点から 営業の競争優位性、顧客訴求力の競争優位性 について深掘りすることが必要である。また、商品の競争優位性、更には、商品開発の競争優位性、技術の競争優位性 の視点からも、必要とする人のニーズを満たしていない原因が深層にあるのではないか探る必要がある。
人間関係が障害
接点にいる顧客との相性が悪い
- “接点にいる顧客との相性が悪い”とは(主に、B2Bビジネスの場合)
- 多くの場合、ビジネストークは、お互いを尊敬するビジネスマナーを前提として、大人の会話で展開される。しかし、営業担当者と接点にいる顧客側の担当者の間で、どうしても話しの歯車がかみ合わずに、会話が成立せっず、お互いの意思疎通ができない状態に陥ってしまうことがある。
- それでも、営業の数字を上げるために、滅私奉公、根性論が根強く求められるのは、こうした課題を乗り越えていかなければならないからである。
- しかし、営業担当者にとって、顧客の双方にとっても、単に精神論だけで進めことは精神衛生上の負担(ストレス)となり、必ずしも良いことではない。
- かといって、接待や金品の提供などは許されない。
- “接点にいる顧客との相性が悪い” の論点(捉え方の軸と筋道))
- 単に現場での人間関係だからと見くびってしまうと、接点にいる顧客と対峙してしまって、案件を獲得する上での障害となってしまう。
- 結果として、セールスパイプライン上で案件が停滞してしまい、やがては業績悪化につながっていく。
- “接点にいる顧客との相性が悪い”理由
- 表面的には、表現の仕方が相手に対して不適切であったり、性格の違いだったり、様々な態度が影響したりして生じる問題である。
- 深層的には、生まれ育ってきた環境で育んできた人との接し方の違いに起因する。
- 更には、人生観や企業の文化も影響してくる。
- “顧客であるその人に敬意を払うことに心掛ける”
- 何故、“顧客であるその人に敬意を払うことに心掛ける” であるのか
- 日本は“おもてなし”文化の社会である。顧客からは見えない場所でも、顧客が気づく前にさりげなく心遣いをして準備をしておくところに“心のつながり”を感じる。
- 如何に“顧客であるその人に敬意を払うことに心掛ける”を実施するのか
- “おもてなし”文化を啓発して、その大事さを共有する。
- “ビジネスマナー”“江戸しぐさ”等の事例を通して、ちょっとした相手を敬う態度や行動の基本を共有する。
- 身の回りにあること、すぐにできることから“おもてなし”文化を実践し体得できるようにする。
- こうした活動をお互いに披露し合って、切磋琢磨していく。
- 何故、“顧客であるその人に敬意を払うことに心掛ける” であるのか
- “深層にある心に根ざした言葉を聴く”
- 何故、“深層にある心に根ざした言葉を聴く” であるのか
- コミュニケーションは聴くことから始まる。そして、深層にある心情を感じることで、心が通じ合っていく。
- 如何に“深層にある心に根ざした言葉を聴く”を実施するのか
- 知ったかぶり、批判は、ついつい上から目線となってしまう。
- “でもね”“しかし”“だから”といった言葉は使わない習慣をつける。“そうですね”“そこで”といった、共感し、次につなげる言葉を上手く活用して、前向きな対話(ストローク)となるようにコンテクスト(言葉のつながり、言外の雰囲気)を作っていく。
- 愚痴や不満のはけ口として、相手の企業内の人や組織に対する悪口を聴くことは大事である。しかし、それ以上に悪口を言ったり、同調して行動したりすることは避けるべきである。
- 何故、“深層にある心に根ざした言葉を聴く” であるのか
- “会社と会社のつき合いに広げる”
- 何故、“会社と会社のつき合いに広げる” であるのか
- お互いにビジネスマンである以上、個人と個人の会話だけでは話しが進まない。個人と個人の接点だけでなく、会社と会社の接点として広げることで、組織と組織との間での人間関係とすることで、個人の負担を軽減することが可能となる。
- 事業戦略に沿った会話をすることで、個人と個人の感情のもつれを客観的に解消することができる。
- 如何に“会社と会社のつき合いに広げる”を実施するのか
- 営業部門において、上司は部下に任せるだけでなく、可能な限り早く顧客との接点に絡んでいく様にする。
- 営業部門において、部下は上司に報告するだけでなく、可能な限り早く顧客との接点に上司を巻き込んでいく様にする。
- 上司は、案件の内容に応じて、少しでも早く、チームセリングやトップアプローチの道筋を考えて行動計画を立てていく。
- 何故、“会社と会社のつき合いに広げる” であるのか
- “どうしたいかを聞くのではなく一緒に解決する”
- 何故、“どうしたいかを聞くのではなく一緒に解決する” であるのか
- 成熟社会においては、競争が激化してパイの奪い合いである。これまでの様にモノを売れば良いというのではなく、その先にある“こと”を実現したその先にあるストーリーを描くこと、一緒に将来の夢をみる共感が、本当の価値として提供されなければならない。この共感こそが差別要因となる。
- 問題を解決しさえすれば良いという“上から目線”ではなく、一緒に解決していこうというパートナーとしての役割が求められている。
- 如何に“どうしたいかを聞くのではなく一緒に解決する”を実施するのか
- 上記にある“顧客であるその人に敬意を払うことに心掛ける” “深層にある心に根ざした言葉を聴く” “会社と会社のつき合いに広げる”を実施することは必要条件であっても、十分条件を満たしたことにはならない。
- 対話の中から、顧客のニーズのその先にある、人やシーンを想像して、本当に実現したいことを読み取る習慣を実践し、徐々に身に着けていく。
- 対話のその先を読み取っていくことで初めて、“接点にいる顧客との相性が悪い”という問題を乗り越えていくことが可能となる。
- 何故、“どうしたいかを聞くのではなく一緒に解決する” であるのか
関連事項