サステナビリティ経営とは、当社の 「サステナブル(持続可能な :“Sustainable” )」 の定義に基づいて、下記のように定義することができます。
- サステナブルを経営の根幹に据えて、現在だけではなく将来にわたり、事業を通して社会の持続可能な発展と企業の持続可能な成長を成し遂げていく経営(サステナビリティ経営の定義(1))
これからの企業は「社会の持続可能な発展」に想いを巡らしていかなければ社会に企業としての存在を受け容れてはもらえません。「社会の持続可能な発展」への想いに基づく活動があってこそ、企業としてのブランド価値が生まれ、「企業の持続可能な成長」を成し遂げていくことができるのです。
サステナビリティ経営には、“目の前にある目先のことの先” に思考を巡らせていく構想力や創造力が求められる
しかし、理念としての「社会の持続可能な発展」を唱えていても、収益を産み出すビジネスを確立しなければ社会全体としての「経済の成長」に貢献することもできず「企業の持続可能な成長」にはつながりません。
これからの時代、21世紀の社会において、企業には、「社会の持続可能な発展」につながる社会的価値を生み出しうる生産性の向上と「企業の持続可能な成長」につながる企業ブランド力を高めうる収益力の強化を両立させる、新たな発想による経営が求められると言えます。
当社の 「サステナブル(持続可能な :“Sustainable” )」 の定義に基づいて「社会の持続可能な発展」の意味を吟味すると、それは 『一人ひとりが将来への夢を持って、いきいきと生きていける社会』 となります。企業にとっては、目先の利益も必要ですが、目の前にいる顧客の今のニーズだけでなく、その顧客の周りにいる人達や生きている社会、今だけでなく明日も将来も見透したニーズに応えていく その先 に思考を巡らせていく構想力や創造力の構築が何よりも必要になってきます。
イノベーションがイノベーションを生み出す社会の発展と経済の成長の好循環
先々のことに思考を巡らせていく構想力や創造力という視点から、当社ではイノベーショナル・エコノミーという概念を提唱しています。それは、イノベーションがイノベーションを生み出す社会の発展と経済の成長の好循環です。その実現には、目の前のビジネスの成功でも、単発のイノベーションでもなく、未来社会の価値を創造することを意図して、イノベーションがイノベーションを生み出していくストーリーを描いていく必要があります。そのストーリーは、社会全体にとっても経済成長の原動力になるだけでなく、企業にとっても持続可能な成長をもたらし、ただ単に事業を起こし成功することによる当面の利益以上に永続的に莫大な企業価値を生み出す源泉となっていくものです。
働く場所や時間に拘束されることのない働き方、ワークとライフのバランスの取れた働き方により、多様な人たちが働きやすい環境を整備しようという議論が進んでいます。そして、こうした制度上の議論の先に、生産性を如何に高めていくかという議論も始まっています。
しかし、社会の発展と経済の成長にとって最も大事なことは、働く人を増やすこと、働く人の生産性を高めること以上に、未来社会における価値を創造できるクリエイティビティを如何に高めていくことです。サステナブル経営は、以下のように、イノベーショナル・エコノミーを実現する経営でなければなりません。
- 多様な考え方を持つ人たちのアイデアを生かし(ダイバーシティ)、未来社会に向けた価値を創造するという目的に共感した人たちが一体性を持って思考できる(インクルージョン)組織を構築し、クリエイティブな思考ができる人を育て、社会の変化を予見してダイナミックに行動する組織文化を醸成することで、イノベーションがイノベーションを生み出す好循環 (イノベーショナル・エコノミー) を創り出す基盤を築き上げていく経営 (サステナビリティ経営の定義(2))