社会変革構想モデルの創造 “Innovation Transforming (TM)”

 情報通信の世界ではプロトコル(一言で言えば「手順」)を合わせることが基本中の基本とされています。人と人の会話によるコミュニケーションにも、真に意思疎通を図っていくためには同様にプロトコルが必要です。
 特に、「変革」を議論し共有していくためには、バラバラに意見を述べ合うだけでは百家争鳴になってしまうだけで、何ら結論を得ることもできなくなります。
  当社が独自に開発した Innovation Transforming (TM) は、「社会をこう変革したい」という思いを、より重層的包括的に社会変革構想モデルを創造していく、さらには、セレンディピティ “Serendipity” によって巻き起こされる創造的破壊と新結合を意図した知的思考の方法論です。

1.Innovation Transforming (TM)が提供する「変革構想のフレームワーク」

 当社が提唱しています Innovation Transforming (TM) は、社会変革について、①論点の整理の仕方、②議論を集約していく道筋を描いていく仕方、③そのための共通のフォーム、を用意しています。

 ここで、①論点の整理の仕方は「論点整理チェック表」、②議論を集約していく道筋を描いていく仕方は「社会問題対応チェック表」「社会問題関係性分析」「普遍的欲求対応チェック表」「普遍的欲求関係性分析」、③そのための共通のフォームは「社会変革構想モデル」となります。なお、上図で「記述」として示したものは任意書式で作成する文書です。
 

2.これまでの変革構想との違い

 以下の図は、これまでの「新規事業開発シナリオの策定」を策定する手順と、当社が独自に開発し提唱していますInnovation Transforming (TM) による「社会変革構想モデル」を創造していく手順の違いを示したものです。
 

 

20世紀型シナリオプランニング

 20世紀型シナリオプランニング・・・・・・・・・・・・・・・ の発想からの延長上にある「新規事業開発シナリオ」の作成では、一般的に、まずは夫々の企業が本業としての事業の強みを発揮していく「戦略的な技術ロードマップ」を描き、そこに「社会的課題解決策」を結びつけて「新規事業開発シナリオ」を構想していく、いわゆる「本業としての社会的課題解決への取り組みの策定」(事業計画書の作成)という手順になります。

  • 「新規事業開発シナリオ」は、経済発展の世界観に基づいて構想されるものです。
  • 最近では、パーパス(存在意義、生きる目的)が重視されてきています。本来、パーパスは社会的視点を起点として、企業が社会の中で、また、そこで働く個々の人たちの間で「未来社会をこうしたい」という思いを共有することによって培われる社会的な存在価値です。
  • 事業領域の根底にある志(経営哲学)をパーパスに結びつけて、未来を切り拓いていく企業のコアコンピタンスにつなげていくことも可能です。直感的にも分かりやすい取り組みですが、この取り組みは経済発展の世界観の文脈において一般的にインパクト投資と言われています。
  • そもそも、本来、ディスラプション(ディスラプティブ・イノベーション、社会システムの変革を伴なう破壊的イノベーション)を興していくためには、技術の将来像(技術革新)を描きだす前に、社会の未来像(社会変革)を構想することが必要です。日本においてディスラプションが少ないのは、技術の将来像(技術革新)が先行して、社会の未来像(社会変革)の構想は技術の将来像(技術革新)が実現されてついてくるものだと誤解されているからとも思われます。

21世紀型シナリオプランニング

 21世紀型シナリオプランニング・・・・・・・・・・・・・・・ は、技術の将来像(技術革新)を「新規事業開発シナリオ」を描く前に、まず第一に視座を社会発展の世界観に高めて、その上で社会の未来像(社会変革)である「社会変革構想モデル」 を策定するところから始めます。

  • 「社会変革構想モデル」は、社会全体を俯瞰して観た世界観に基づいて創造されるものです。経済発展の世界観にあって社会的視点を起点として記述されるパーパスと結びつけて考えることも可能です。ただ、「社会変革構想モデル」が目指していくところは、まずは社会の未来像(社会変革)であり、次にその実現に必要な技術の将来像(技術革新)を構想するという手順になります。
  • 社会発展の世界観において、まず考えなければならないことは、「誰もが幸福に過ごしたい」という願いを叶えることのできる社会にするにはどのように社会を変革していかなければならないかという、人々が心の底から追い求めていることの根元的にまで思考を深めて追究していかなければなりません。「社会変革構想モデル」を創造するためには「根元を追究する知的思考」が必要になります。
  • 「社会変革構想モデル」は、ビジネスを構想していく工程でも必要になります。この「社会変革構想モデル」を創造することによってはじめて、具体的な形での技術の将来像(技術革新)を描き出すことになります。ただし、この「社会変革構想モデル」は、ただ単に単一の技術分野における技術の将来像(技術革新)を描けばよいというものではなく、複数の技術分野における将来像(技術革新)をつなぎ合わせて重層的、包括的に描かなければなりません。「社会変革構想モデル」を創造するためには、広範な技術分野を結びつけて考える「創造的破壊と新結合を追究する知的思考」が求められます
  • 21世紀型シナリオプランニングの「根元を追究する知的思考」と「創造的破壊と新結合を追究する知的思考」によって、ディスラプション(ディスラプティブ・イノベーション、社会システムの変革を伴なう破壊的イノベーション)を興していく道筋を描いていくことが可能になります。
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