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右肩上がりの経済成長の時代が終焉し成熟化した社会となって久しい。戦後のもの不足から抜け出すために人々は必死に働き、ひたすら裕福な暮らしを夢見てきた。しかし、お金さえあれば欲しいものが何でも手に入る時代となり、便利になった今の社会において、人々は、むしろ、様々な不安を抱きながら日々を過ごしている。
現在の不安は、いつ失業するかわからない雇用不安、賃金が目減りし将来的に増える見通しのない生活への不安である。しかし、その根源には、少子高齢化と人口減少化社会問題、介護に対する社会的支援の問題、医療費の財政負担の問題、働きながら子育しようにも預ける場所のない待機児童の問題、裕福さを求める反面で世界規模での自然環境破壊や地球温暖化を止められない問題、食料資源が枯渇しつつあるという問題等、社会全体として解決しなければならない課題があり、我々に重くのしかかっている。人々は、一人裕福になれば満たされるという夢からさめて、社会全体が豊かにならなければ、自分も心豊かに暮らしていくことはできないと悟り始めて悟り始めている。