大量生産・大量販売・大量消費・大量廃棄をビジネスモデルとした右肩上がりの経済成長の時代が終焉し、現在は、サステナビリティが求められる時代です。そんな時代には、決められたことだけをすれば良いという昔ながらの働き方は通用しません。そもそも、そのような働き方では人間性より効率性を重視するばかりになり、アイデンティティを大切にする今の世の中では、働き甲斐は感じられず、モチベーションもあがりません。
これからの企業が生産性を高めるには、個々人が社会を俯瞰してものごとを考える習慣を身につけて、社会の中で自立した意志を持ち、組織の中で自律して行動できるようにする必要があります。しかし、漠然と考えても駄目です。社会を俯瞰して考える習慣を身につけるために必要なことは、以下の点について、自分の心に問いかけて客観的に考えることです。
- より高みに立って社会の趨勢を考える
- 自分の心の求めるままに社会発展の方向性を考える
- 社会にとっての価値、顧客にとっての経験価値は何だろうと考える
- 自分が果たさなければならない役割は何だろうと考える
本メルマガでは、「サステナビリティ時代の戦略眼と現実解」について、様々な観点から掘り下げていくことにします。創刊号の今回はフォーサイトコミュニケーションについて考えます。
先日行われた衆議院議員選挙では、政治とカネの問題が争点となる一方で、手取りを増やすと主張した政党が躍進しました。投票率が戦後3番目に低くかったとは言え、物価の値上がりで日々に使えるお金が目減りするという現実の不安を解消したいという思いが、投票行動に影響を及ぼしたと言えるでしょう。
一方、未来社会をどう描くかについては、大きな争点になりませんでした。しかし、そもそも、未来に向けて社会発展の方向性が見えない、すなわち、フォーサイトがないというのが、私たちの不安の根っこにあるのではないでしょうか。
本メルマガのタイトルにあります『フォーサイト』は「先見の明」と訳されますが、「先のことを、道理をもって見通す力」というべきでしょう。日本の行く末を決める衆議院議員選挙が終わった今、その結果を振り返りつつ、未来へ踏み出して、周りの人たちと未来の在り様について語り合うことで、自分なりの『フォーサイト』を磨き、未来を選択しては如何でしょうか。
本メルマガは弊社ホームページのコラム “未来への歴史” をもとに作成しています。“未来への歴史” とは、サステナビリティの未来社会を思い描いて日々書き綴った記事を思考の系譜を歴史として振り返ることができるようにと意図したものです。