これまで記載してきたコラムの内容を踏まえて、[意思決定]に関わる視点から、AIMに求められるコンセプトは、以下に示す4つの視点、及び、それら視点からの自動化レベルによって整理することができます。
①事実を捉える変数の見直し
- レベル1:外部情報として地図情報(GIS:Geometric Information System)を引用し取り込む。また、社会的価値創造の生産性指標の体系化を図り、指標連関図を作成する。
- レベル2:検索エンジンを利用して、外部組織(競合企業、仕入先企業、販売先企業、関連する公官庁等のホームページ)に掲載されているキーワードやSNS(Social Network Service)の中で注目を浴びているトレンドキーワードを抽出する。
- レベル3:“此処で起きたことは彼処でも起きる” を見透す推論エンジンの仕組みを実現する
②打つべき手立てのナレッジベースの構築
- レベル1:世の中で定説となっている経営理論等の定石を体系化し整理(どの場合にどの理論を使うべきか)する。また、事象、深層要因、施策のビジネスナレッジを現場目線に立って整理し、データベース化する。
- レベル2:指標値、トレンドキーワードから状況を推察し、符合するビジネスナレッジを検索することのできる仕組みを構築する。
- レベル3:指標値、トレンドキーワードから状況を推察し、符合するビジネスナレッジの候補を自動抽出し選択肢として提示する仕組みを構築する。
③仮説(アブダクション)を創造する仕組みの構築
- レベル1:関連するビジネスナレッジをリンクづけする(BKN:Business Knowledge Network を構築する)。
- レベル2:ビジネスナレッジに関連する知識を紐づけて検索する仕組みを構築する
- レベル3:関連するビジネスナレッジを自動抽出し提示することのできる仕組みを構築する。
④[意思決定]の透明化
- レベル1:多基準意思決定を支援する仕組みを構築して、[意思決定]のプロセスを“見える化”する仕組みを構築する。
- レベル2:BKN:Business Knowledge Networkと多基準意思決定支援システムを連携させて、検索した知識を自動的に取り込める様にする。
- レベル3:多基準意思決定支援システムで選択して[意思決定]した内容に類する事例(過去に起こったこと)を抽出して、[意思決定]の結果として起こりうる事象(予測されるシナリオ)を提示する。
※[経営][意思決定]等は[思考]という視点で捉えているという意味を持たせて、[ ]をつけて記しています。
サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一