#62 AI(人工知能)をサステナブル経営に活かす (2) サステナブル経営のために人工知能に取り組む

企業経営は関係する全てのステークホルダーの利害だけでなく、更にその先にいる人たちの将来、社会の未来、自然環境の未来にも関わり、多くの人たちの人生をAIに委ねて良いものかという疑問があります。とは言え、社会の中で巻き起こるムーブメントを背景に変容する一人ひとりの個性ある顧客のニーズをAIで予測し最適解を見つけ出すには、余りにも変数が多すぎて技術的に不可能かも知れません。

誰もが平等な人権を有し、相互に尊重されなければならないという意識が定着し、多様性を受容することが社会の持続可能な発展につながると考えられるまでに進歩した今日にあって、全く異なる価値観の人々の中で誰もが納得する解を見いだそうとする合意形成のプロセスと、単一の答えをゴールとして解を求めさせるDeep Learningには、発想が大きく隔たっている様に思えます。

社会にあっても、組織(目的を共有し、その目的を達成しようと協働する、2人以上の人たちの集まり)にあっても、多義性が存在するのが現実世界(Real World)の常です。こうした現実世界(Real World)の中では、共通認識としての意味形成のプロセスが欠かせません。AIの技術を活用するにしても、まずは、何を目的として何を学習(共通認識としての意味を形成)させるのか、きちんと定義して進めていかなければならないと思えます。

しかし、むしろ、こうした現実(Real World)の道理をわきまえて考えるとしたなら、AIをはじめとするICTといった技術を、企業経営にどの様に活用したら良いか、道筋が見えてくる様にも思えます。

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)