#39 新たな技術革新が切り拓く分野に経営を転換する (1)

1. 技術革新が実現する社会の成長分野を読み解いて経営資源を集中するために

(1)?技術革新が実現する社会の成長分野に経営資源を集中するために

ものごとには必ず始まりがあり終わりがある。一つの技術が芽生えて成長し、やがては成熟し衰退していく。その過程で改良が加えられて延命されることがあるにしても、必ず次なる技術革新の波が押し寄せて一つの技術の時代の終焉の時がやってくる。

 
経営者は常に「技術革新が実現する社会の成長分野を読み解いて経営資源を集中する」について考えを巡らしておかなければならない。しかし、そこには以下に示す課題がつきまとう。

  • それまでの技術にしがみつく勢力、すなわち既得権益がそこには存在し、かつ人事評価制度もそれまでの技術に基づくビジネスを想定して設計されている。そこで、組織の中で既存技術から新技術への移行する過程には、必ず大きな障壁が立ちはだかることになる。
  • 一つの技術から新しい技術へ移行していく期間(技術の寿命)は不確定である。萌芽期が長くそのまま廃れて次の技術に移行する場合もあるし、成長期に突然巻き起こった次の技術の波によって取って代わられることもある。

 

そこで、技術革新が実現する社会の成長分野を見定めること、及び、その技術の投資回収期間を見定めることは、技術革新が実現する社会の成長分野を読み解いて経営資源を集中する上で極めて重要な経営判断の一つとなる。

  • 技術革新を興しうる要素技術がいつ確立するか
  • 現行技術が通用している商品市場が萌芽期、成長期、成熟期、衰退期のどのステージにあるのか(需要がまだ目覚めていない、広がり始めている、急成長している、一巡しはじめている、飽和して新たなアイディアも出し尽くされて枯渇してきている、市場も開拓し尽くされている(顧客ニーズがまだ満たされていないか、満たされ尽くして飽和してきているか)

 

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役 池邊純一

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