#281 戦略眼と現実解 社会の趨勢のインパクト 今、何もしなければどうなるのか?

当社では「社会の趨勢」を以下の7分類23類型に整理して捉えています。

  1. 地球温暖化問題: (1)炭素排出とエネルギー政策の転換、(2)再生可能エネルギーへのシフト、(3)激甚災害の多発化と広域化、(4)住環境の変化と健康への影響
  2. 人口変動と移民・難民問題: (5)人手不足/過疎化/財政逼迫/インフラの老朽化、(6)途上国の人口増大による失業率上昇/スラム化、(7)移民や難民の人権保護と治安問題
  3. 食料危機: (8)気候変動による農作物の不作、(9)人口増加による食料需要の増大、(10)経済成長による過剰利用(飽食化)/環境破壊
  4. 資源の偏在と不足(枯渇): (11)資源配分の不均衡による経済的不平等化、(12)レアメタルの争奪による緊張の高まり
  5. 経済変動とグローバルシフト: (13)グローバルノースとグローバルサウスの経済格差/貿易不均衡、(14)産業移転にともなう産業構造の変化、(15)保護主義や経済ナショナリズムの台頭
  6. 社会の分断とポリティカルシフト: (16)文化的・民族的な対立による衝突、(17)政治的意見の極端化による政治の不安定化
  7. ディスラプションによる急激な社会の変化: (18)AI化/ロボット化による労働市場の構造変化、(19)デジタルデバイドによる社会格差/経済格差、(20)肖像権/著作権侵害等の倫理問題、(21)サイバー攻撃/ネット詐欺/個人情報や機密情報の漏洩/改ざん/フェイクや誹謗中傷の拡散、(22)監視カメラ普及による監視社会化とプライバシー侵害、(23)バイオテクノロジー利用の倫理的/社会的問題

そして、この(1)~(23)の趨勢について、定義した上で、それを放置した場合の社会への影響を、[A]経済視点、{B}社会視点、[C]環境視点の夫々について、以下の基準で評価しています(評価にはChatGPTを使用しています。現時点では予備調査段階としての暫定値です)

①影響はない、②軽微であり無視しても良い、③今は影響がないので様子をみていればよい、④多少の影響が生じるので対症療法的に対策を打っておけばよい、⑤影響がでるので今すぐにできる対策を考える、⑥重大な影響がでているので軽減策や救済策や回避策も合わせて考える、⑦未来社会にも影響を及ぼすので長期的な対策を考える、⑧未来社会に重大な影響を及ぼすので社会変革(トランスフォーメーション)も考える、⑨後戻りできない状態になってしまう、⑩壊滅的な損害を被る

下図左上のグラフは評価値を分類ごとに [A]経済視点、{B}社会視点、[C]環境視点の夫々について集計した平均値です。下図右側のグラフは各類型の [A]経済視点、{B}社会視点、[C]環境視点の評価値です。

上図左上の分類別のインパクトの平均値を見ると [B]社会視点 の評価値が全般的に高い(8点:未来社会に重大な影響を及ぼすので社会変革(トランスフォーメーション)も考える)ことが分かります。

上図右側の類型別のインパクトの合計点が高いのは、(1)炭素排出とエネルギー政策の転換、(3)激甚災害の多発化と広域化、(8)気候変動による農作物の不作 の3類型で、[A]経済視点、[B]社会視点、[C]環境視点の合計値 27点、平均値 9点(後戻りできない状態になってしまう)でした。また、この3つの類型における [C]環境視点の評価値が 10点(壊滅的な損害を被る)であることは特筆に値します。

重要なことは、(1)炭素排出とエネルギー政策の転換、(3)激甚災害の多発化と広域化、(8)気候変動による農作物の不作 については、待ったなしでトランスフォーメーション(この分類では、特に、グリーン・トランスフォーメーション)しなければならないということです。また、全般的にも社会視点でのトランスフォーメーション(特に、サステナビリティ・トランスフォーメーション)が必要だということです。

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一

 

『社会の趨勢』『社会の趨勢のインパクト分析』についてご興味のある方は、こちらからお問い合わせください。

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