今、世の中では、テレワークという言葉が広がってきています。働き方としてテレワークが浸透してくるには、まだ、時間がかかります。と言うのは、①働き方としてジョブ型(作業内容が詳細に定義されている仕事をする働き方)でなければならない、②遠隔地にいても成果が評価できなければならない、③過剰労働になってもいけないし過少労働になてもいけないので監視をしなければならない、などの課題を挙げる人が多くいるからです。
しかし、それは、20世紀型の大量生産・大量消費の社会を動かしていく歯車としての一様な働き方を基準とした考え方でしかありません。人は、元々、自分なりの目的をもって生きる生き物です。自分が自身の存在価値を意識して、会社の存在価値に共感して働くということであるなら、そもそも、そこにはモラルハザードは起こり得ません。逆に、一人ひとりの社員を会社の歯車と考えたり、誰もが共感し得る存在価値が見いだせない会社であったりするのであれば、それ自体の方が問題であり、その企業は、これからの時代に生き残っていくことはできません。
本来、目的を一人ひとりの社員と共有している会社においては、その共有している目的を実現していくための各段階における目標に向けてどれだけ進捗しているのかが成果になります。それは、自分自身でも認識できるものであり、その認識こそが会社(テレワークの管理者)と共有すべきことなのです。
目的に向って活動している人は、ついつい無理をして働いてしまうものです。テレワークの管理者がなすべき仕事とは、一人ひとりが無理なく働いているかを調整することになります。
サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一