自動車、鉄道、飛行機、船舶の輸送手段の発達は、社会生活のあり様を大きく変えてきた。
交通システムの利便性は人の裕福さの実現でもあるが、モビリティは人の心豊かさの実現にもつながる。大量生産・大量消費時代に追求された大量輸送の文化は、これからも廃れることなく高速化に向けて発展していくと予想されるが、大量輸送事業に関わる人手不足問題を解決し人件費を抑えるためにも、無人化技術の活用が際立ってくると思われる。
その一方で、社会が成熟化していく中で、ゆったりとした時間を過ごすための手段としても、交通システムは発展していくものと予想される。家族や仲間で旅行したりする場合の自動車の無人運転化は運転する人の負担を軽減するものでもあろう。
未来社会の持続可能な発展を想定してネクストゼネレーションのモータリゼーションの将来像を描くことは重要である。特に、国や自治体の財政難がより深刻化していくと想定される状況で、橋やトンネル、高速道路、新幹線の高架橋等は老朽化していくばかりであり、人口が減少して過疎化が進む超高齢社会にとって、モータリゼーションの全体像を描いて交通システムを再整備していくべきである。
サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一