企業は社会に対して、事業を通して様々な社会的課題を解決していかなければ企業ブランドを維持できない。
社会的課題は多様であり複雑に絡み合っている。個々の問題を個別に解決していくことは限りがなく困難でもある。経営者が認識している社会的課題はごく一部でしかなく、経営者が全てに精通して社会的課題を解決することはできない。むしろ、従業員は日々の暮らしの中で自ら社会的課題に直面し、具体的な解決のための知識を持っている場合がある。従業員の多様な問題認識を拾い集めて事業に活かしていくことが必要である。
企業は顧客を通して市場とつながり、従業員は企業とつながっているというのは20世紀型の産業化社会の発想である。企業は社会の一員として社会とつながり、従業員も生活者として社会とつながり、社会と企業と従業員が一体化してつながっているというのが21世紀型の経営モデルである。
未来社会にどんな価値を創造していきたいか、事業を通してどの様に社会的課題を解決としていくべきか、経営者の想いと従業員の想いが共鳴し、ビジョンを共有していくことで組織の中に一体感が生まれていく。組織の中に多様な人を多く取り込み、多様な価値観を受容し、お互いに相手の想いにも心遣いをしながら協創していくことで新たな価値を生み出していく。
多様な人たちが目的を一にして、組織の中で高い意識で自立して、内発して自律的に行動していくことで、企業としても事業を通して社会的課題を解決していくことが可能となる。それは、企業としての存在感を高め、企業ブランドを高めていくことになる。
サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一