かつて、20年ほど前の循環型のレトリックは3R(Reduce:減らす 、Reuse:繰り返し使う、Recycle:再資源化する)であった。
その資源の節約と環境保護に向けたコンセプトは今でも変わらないし、未来社会においても変わらないであろう。当時としては、社会の潮流として、色々なところで喧伝されてもきた。その結果として、社会システムもある程度整備され、文化的にも定着し、生産や生活の場にも浸透してきたと思われる。むしろ、敢えて、3Rを喧伝しなくても済むようになってきたのかも知れない。
しかし、金融資本主義の発想、経済拡散問題による社会に貧困が深く蔓延することによる生活の負担感、国や地方自治体の財政難により、循環型社会を目指す活動は、難しくなっていく。社会システムとして循環型の文化を根付かせること以上に、これからはコスト負担の適正化も求められる。
循環型社会への対応は、グローバル化が進む中で他国の企業に対する参入障壁にもなり、企業そのものの競争優位性にもなる。国内にとどまらず、海外での事業展開においては、規制当局の政策にも関わり、循環型社会を目指していく事業はイノベーションの一つの分野として、企業戦略として捉えていくべきである。
サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一