#118 夢をかなえる技術の進化と社会の発展

 戦後から高度経済成長期にかけて、白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫が『(家電の)三種の神器』と言われた時期があった。その後、掃除機や電気釜なども普及し、さらには、どの家庭にも、ガス給湯器やガス風呂、カラーテレビ、エアコンが普及していった。

 ガソリン自動車が家庭にも普及し、高速道路網も整備されモビリティの時代となった。また、新幹線網も整備され、今では九州から北海道までがつながった。地方都市にも空港が整備され日本国内を飛行機で行き来できる時代となった。
 通信網も整備され、高度経済成長期に固定電話が家庭に普及し、その後、携帯電話の時代となり個人が電話を持ち歩く時代となった。今では、スマートフォンの時代となり、一人ひとりがネットワークとつながり、いつでもどこでも知りたいことを検索して情報や知識を得られ、自らも情報を発信できる時代となった。

 かつてコンピュータは企業の広大な敷地に置かれ計算機と呼ばれていたが、端末技術が発達し、煩雑で単純な事務作業を処理したり、設計作業を自動化したり、工場の生産を自動化したり、自動発注や在庫管理の自動化をしたり、様々な業務の省力化、無人化、品質向上に寄与してきた。
 そして、コンピュータはパーソナルコンピュータの時代となり、デスクトップで使うだけでなく、モバイルコンピュータとして持ち歩いて、いつでもどこでも利用する時代となった。コンピュータは、もはや、計算機としてだけではなく、事務処理端末としてだけでもなく、生活のあらゆるシーンで利用される道具として、また、コミュニケーションの道具として欠かせないものとなっている。殆どすべての機器制御にも利用され、これからの社会において電気自動車や自動運転車を実現させるためにどんどん進化していく。

 現代人の生活は、どんどん便利になっていく。色々な不便さを解消することによって、生活にゆとりができて至福の時間を過ごすことが、昔よりも可能となってきた。

 コンピュータを計算装置としてではなく、その動作原理を抽象化して用途を広げたことにより、情報処理装置、業務処理装置、あらゆる電子機器の制御装置としての利用が広がった。そして、同様に、 家電や自動車結、通信機器とコンピュータが結びつくことで、家電は家電、自動車は自動車、通信機器は通信機器、コンピュータはコンピュータとしてでなく、新たな用途を生み出し進化していく。

 夢をかなえる技術と便利な暮らしは、相互に影響しながら進化していくものである。それは、社会の発展でもあり、同時に、経済の成長にも結びついていく。社会のあり様や人々の所作を変え、便利さゆえに追い求めることのできる価値観も進化させて社会風土を変容させていく。

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一

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