『見透せる化』は私の造語です。多様な出来事が輻湊しどんどん変化していく社会では、ものごとが見えてからでは、すなわち、顕在化してから対策を打っているようでは手遅れとなります。『見透せる化』するとは、「見える化」の以前に、その先を「見透せる化」することであり、そのためには、洞察力や仮説力(アブダクション)が伴っていなければなりません。
私は、データウェアハウスやビジネスインテリジェンスを使って経営の見える化をして戦略経営を実現するコンサルティングをしてきました。 しかし、企業内の情報(すでに起きた過去の情報)をどんなに分析しても未来は見透せないという矛盾を感じていました。そこで、企業内のトランザクションデータに基づいて算出した売上や利益の変化の状況だけでなくネット上の関連する書き込みを時系列で表示して世の中の変化を捉えられるようにしてマネージャーに気づきを起こさせる仕組みを10年位前に提唱しました。当時は、フーンの程度でしたが、今では、POS+SNSで情報を如何に使うかがビッグデータのテーマとして脚光を浴びています。
でも、それで十分でしょうか?
一人ひとりの個性や生き方が大切にされる時代です。しかも、今は人口減少社会と言われ、都会でも空き家が目立つ昨今です。その地域に今、どんな人達が、どんな暮らし方をしているのか何を好み、何のために、どんな買い方で買い物をしているかを きめ細かく捉えていかなければ消費の実態はつかめません。
現在は、一人ひとりの個性や生き方が大切にされる時代です。しかも、人口減少社会と言われ、都会でも空き家が目立つ昨今です。その地域に今、どんな人達が、どんな暮らし方をしているのか、何を好み、何のために、どんな買い方で買い物をしているかをきめ細かく捉えていかなければ消費の実態はつかめません。 世の中のトレンドは、社会に受け入れられる土壌が醸成されていなければ、“トレンド” にはなり得ません。今のトレンドを表面的に捉えるのではなく、“トレンド” を受け入れる社会の変化を捉えていかなければ、これから起こりうる“トレンド” を先んじて捉えることはできません。
社会の変化、一人ひとりの個性や生き方(ライフスタイル)を捉えて、その先にいる顧客の“これを実現したい”“こうなりたい”を見透せるようにするのが『見透せる化』なのです。このように「トレンド×感性×データ分析を重ね合わせてビジネスの未来を見透す」ことが真に求められているのです。この「未来への歴史」というコラムでは『見透す化』について継続して考えて参ります。
サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役 池邊純一