情報セキュリティ
情報技術は今や社会で暮らしていく上での基盤となっている、しかし、現在、マルウェアの進化はセキュリティ技術の進歩よりも先を行っている。もうすでに、コンピュータ犯罪とはイタチごっこではなく、犯罪の巧妙化に対して、一般のユーザは防戦一方の状況に陥っている。詐欺目的の個人的な利益としてだけでなく、国家戦略(例えば、軍事利用として、国家権力を握る権力者が自らの利益を守る道具として)として行われた場合は、一人ひとりの対応では追いつかない。 個人情報の保護ばかりでなく国家権力による統制にもつながりかねない問題である一方で、個人の利益を守るために、情報セキュリティを如何に堅固なものにしていくかは喫緊の課題である。 マルウェアの開発は知識集約的労働であり、その手法には思考パターンがある筈である。マルウェアの進歩の後追いではなく、やがては、先読みをしてトラップを仕掛けていく方法も考えられよう。また、純粋にマルウェアの開発に情熱を燃やしている人たちに対しては法制度の整備も必要であろうが、情報セキュリティシステムがあまりにも堅牢なゆえに、あるいは、情報セキュリティシステムの進化があまりにも速いので追いつくだけでも精一杯であるゆえに、マルウェアの開発が儲からないビジネスモデルであるとなる様にすることも一つの重要な方向性であろう。セキュリティシステムの堅牢化に向けたイノベーションには多額の投資が必要とも思われるが、直接の被害額ばかりでなく、復旧費や風評被害も含めた被害額は莫大なものになることを考えると、他の不急の予算を削ってでもこちらに予算を充てるべきであろう。しかし、そもそも、マルウェアの開発以上に経済的に儲かる仕組みが社会に構築される必要もある。本質的に、人類は、そうした社会の構築に進んでいかなければならない。
【認識すべき課題】 (時代背景、社会問題と背景要因)
- 21世紀型産業はIoT技術を中心として発展していく。
- ロボットや人工知能技術は、職場、及び、社会生活への適用の場を増やしつつある。ロボットや人工知能技術が進化しシンギュラリティ(技術的特異点)に到達する。
- こうした社会の発展にはセキュアな環境が欠かせない。情報セキュリティ技術は、コンピュータ犯罪に対して堅牢でなければならない。
【未来における社会的価値の創造】
- コンピュータ犯罪者のつけ入るスキのないセキュリティ技術の開発が求められる。
- これからの社会にあってコンピュータ犯罪は、これまで以上に、社会を不安定にする重大な犯罪となっていく。社会制度としても、窃盗や詐欺といった犯罪以上に厳罰化を考えていかなければならない。
- コンピュータ犯罪は、国民の生命と安全な暮らし、財産の保証、人権問題として重大事項であり、国の安全保障上の問題として多額の予算を投じて、事後的ではなく事前防止としてのセキュアな環境づくりを進めていくべきである。
関連事項
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