「ネクストゼネレーションのモビリティ」の版間の差分

2018年8月9日 (木) 15:22時点における最新版

自動車、鉄道、飛行機、船舶の輸送手段の発達は、社会生活のあり様を大きく変えてきた。 交通システムの利便性は人の裕福さの実現でもあるが、モビリティは人の心豊かさの実現にもつながる。大量生産・大量消費時代に追求された大量輸送の文化は、これからも廃れることなく高速化に向けて発展していくと予想されるが、大量輸送事業に関わる人手不足問題を解決し人件費を抑えるためにも、無人化技術の活用が際立ってくると思われる。 その一方で、社会が成熟化していく中で、ゆったりとした時間を過ごすための手段としても、交通システムは発展していくものと予想される。家族や仲間で旅行したりする場合の自動車の無人運転化は運転する人の負担を軽減するものでもあろう。 未来社会の持続可能な発展を想定してネクストゼネレーションのモータリゼーションの将来像を描くことは重要である。特に、国や自治体の財政難がより深刻化していくと想定される状況で、橋やトンネル、高速道路、新幹線の高架橋等は老朽化していくばかりであり、人口が減少して過疎化が進む超高齢社会にとって、モータリゼーションの全体像を描いて交通システムを再整備していくべきである。

【認識すべき課題】　（時代背景、社会問題と背景要因）

1. 地球温暖化問題の深刻化や公害問題を背景として、ガソリン自働車から電気自動車、燃料電池車へと変遷していく
2. 高齢化問題と人口減少化問題を背景として、自家用車のニーズは減少し、コミュニティーバス、乗り合いタクシーのニーズが広がっている
3. 高速道路網、高速鉄道網は地域活性化の手段として待望されている一方で、国や地方の財政難を背景として、インフラ投資として見合うかという問題を抱えている。また、老朽化が進む中で、維持費、修復費の負担も大きくなっている。
4. 海外からの観光客が増えていく中で、地方に散在する観光資源への足をどう確保し、または、どう確立していくかという問題がある。
5. リニアモーターカーは、高速へのニーズとともに、将来の基幹技術（超伝導技術、磁気技術）としても脚光を浴びていく。
6. 高齢化と財政難を抱える地方において、過疎地における交通手段を如何に確保していくかという問題が広がっている。

【未来における社会的価値の創造】

1. 必要な時にちゃんと行ける（買い物、医療の受診、ライフケア、遊び、観光旅行）ことは必要条件である。
2. モビリティが充足すべき機能として、①グローバルとローカルをつなぐ（海外の都市や地域と国内の都市や地域をつなぐ）、②ローカルとローカルをなくつなぐ（（国内の都市や地域と国内の都市や地域をつなぐ）、③生活動線、④経済活動の動線、⑤観光の動線などの利便性を確保し、また、それだけでなく、効率的に乗り継ぎのストレスなくつないでいくことが求められる。
3. 東京の様なもともと水路が沢山ある地域では、水路の活用も広げていくべきである。
4. ユニバーサルデザインに配慮していくことが必要である。高齢者や身障者等の視点から、自宅や職場、目的地間を移動する際に段差や階段がある、遠回りしなければならないといった障害を解消し、スムーズな移動を実現していかなければならない。
5. 移動の労力そのものを如何に軽減するかも課題である。交通渋滞の緩和は喫緊である。
6. 時間の節約（時間の短縮、移動しながらの活動）は常に求められる。高速化や交通網の充実ばかりでなく、渋滞を回避して迂回できるシステム、そもそも休日を集中化させない制度など、ソフト面での対策も講じていかなければならない。
7. 交通事故のないシステムを構築していくことが必要である。

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