「社会と相互に学習する組織」の版間の差分

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人は、社会生活の中で起きる出来事や行動、社会の中で培われてきた知識や社会システム、社会の文化、そして自らの意識との交流によって学んで成長し心理学的にも発達していく。社会もまた、人々の思考や行動、社会に形成されている文化、新たな知識によって新たな社会システムを構築していく。社会の文化も、人々の思考や行動、新たな知識やそれによって構築された新たな社会システムによって形成されていく。組織もまた、同様に、社会との相互作用によって学習し、社会もまた組織との相互作用によって学習し発展していく。そして、組織と個人との関係も同様である。
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人の心理的な発達は、生まれたばかりは自他の区別なく、次第に母親の愛情に包まれた安らぎの中で育ち、衝動的に泣きわめきながら欲求を伝え、社会的な規則を躾けられて、やがて自我に目覚めていくという段階を経て大人になっていく。そして、大人になると、学校や組織の中で、言われたことに従順に従っている段階から、知識や経験を身に着け自分なりに判断できる段階へとい育っていく。そして、マズローの言う自己実現の欲求を満たそうと努力するようになる。
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大人のこうした発達の過程を左右するのは、思いつき(衝動的欲求)、知識や経験、自我によって左右される。しかし、組織や社会の中で学習をしながら発達していくその先には、自我を超えた自己超越的なことへの学習である。自己超越とは、マズローの至高体験やマインドフルネス(瞑想)、スピリチャルなことばかりではなく、自分ばかりではなく他者の意見を受容し、違いを否定するのではなく、相乗的により高いものを作り上げていこうという心理的な状態に発達することである。日本人の他者への心遣いやお互い様の気持ちで献身的に働ける気質は、そうした心理的発達状態に近いとも言える(組織を守るために忖度したり、個人的な気持ちを押し殺して我慢したり、根回しをしたりというのとは異なる)。
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未来社会の持続可能な発展のためには、個々人の意識が発達し上記の様な自己超越の段階に成長していくことが不可欠である。そして、個々人が社会との相互作用で学習し、組織も社会との相互作用で学習していくことで、未来社会は築かれていくのである。
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【認識すべき課題】 (時代背景、社会問題と背景要因)
 
【認識すべき課題】 (時代背景、社会問題と背景要因)
 
#日本においては、高齢化と少子化が進むことで人口減少社会となり、人手不足が社会問題となってきている。
 
#日本においては、高齢化と少子化が進むことで人口減少社会となり、人手不足が社会問題となってきている。

2018年9月13日 (木) 17:02時点における最新版

人は、社会生活の中で起きる出来事や行動、社会の中で培われてきた知識や社会システム、社会の文化、そして自らの意識との交流によって学んで成長し心理学的にも発達していく。社会もまた、人々の思考や行動、社会に形成されている文化、新たな知識によって新たな社会システムを構築していく。社会の文化も、人々の思考や行動、新たな知識やそれによって構築された新たな社会システムによって形成されていく。組織もまた、同様に、社会との相互作用によって学習し、社会もまた組織との相互作用によって学習し発展していく。そして、組織と個人との関係も同様である。 人の心理的な発達は、生まれたばかりは自他の区別なく、次第に母親の愛情に包まれた安らぎの中で育ち、衝動的に泣きわめきながら欲求を伝え、社会的な規則を躾けられて、やがて自我に目覚めていくという段階を経て大人になっていく。そして、大人になると、学校や組織の中で、言われたことに従順に従っている段階から、知識や経験を身に着け自分なりに判断できる段階へとい育っていく。そして、マズローの言う自己実現の欲求を満たそうと努力するようになる。 大人のこうした発達の過程を左右するのは、思いつき(衝動的欲求)、知識や経験、自我によって左右される。しかし、組織や社会の中で学習をしながら発達していくその先には、自我を超えた自己超越的なことへの学習である。自己超越とは、マズローの至高体験やマインドフルネス(瞑想)、スピリチャルなことばかりではなく、自分ばかりではなく他者の意見を受容し、違いを否定するのではなく、相乗的により高いものを作り上げていこうという心理的な状態に発達することである。日本人の他者への心遣いやお互い様の気持ちで献身的に働ける気質は、そうした心理的発達状態に近いとも言える(組織を守るために忖度したり、個人的な気持ちを押し殺して我慢したり、根回しをしたりというのとは異なる)。 未来社会の持続可能な発展のためには、個々人の意識が発達し上記の様な自己超越の段階に成長していくことが不可欠である。そして、個々人が社会との相互作用で学習し、組織も社会との相互作用で学習していくことで、未来社会は築かれていくのである。


【認識すべき課題】 (時代背景、社会問題と背景要因)

  1. 日本においては、高齢化と少子化が進むことで人口減少社会となり、人手不足が社会問題となってきている。
  2. 世界においては、人口増大へと向かっている一方で、中国やインドなどの人口の多い国において人口オーナス社会化に向かっている。
  3. ロボットや人工知能技術が進化しシンギュラリティ(技術的特異点)に到達すると、未来社会がこれまでとは異なる次元に突入していくとも言われている。
  4. IoT、ロボットや人工知能技術は、職場、及び、社会生活への適用の場を増やしつつある。その結果として、ロボットや人工知能が人の労働機会を奪うとも言われている。
  5. 個人主義の枠組みを超えて、人権が重視され個人が自立し自己の実現を求めて自律していく社会となる。
  6. これまでの教育は労働市場が求める人材の育成に偏っていた。また同様に、多くの企業研修のみならず、企業経営の考え方そのものも、高度経済成長期の成功モデルに根差したものに偏っていた。
  7. 21世紀型の経営モデルでは、企業は社会の一員として社会とつながり、従業員も生活者として社会とつながっていて、社会と企業と従業員が一体化してつながっていく。

【未来における社会的価値の創造】

  1. 人が担うべき仕事とロボットや人工知能が担うべき仕事の役割分担によって、人は時間や場所に拘束される仕事に追われる日々から解放されて、より時間的にゆとりのある生活を送くれるようになる。
  2. ロボットや人工知能が担うべき仕事の役割分担をすることで生産性が向上する。人はより自分らしく自己実現に結びつく仕事に集中できる様になる。人に求められるのは創造的な仕事となる。
  3. 社会の多様なニーズに応えていくために、また、個々夫々に関わりのある様々な社会的課題を多様な視点を持っている人達が解決していく。
  4. 多様な視点を持っている人達が一緒に活動していくためには、互いに価値観を共感して一体性を持って協創していかなければならない。
  5. 人は、経済的豊かさや儲けを競うのではなく、自己実現を目指した生き方、心豊かな暮らし方ができ寛容な社会を築いていくための知恵を学習していく。これは知識の学習ではなく、生きていくことに対する深層にある真実の知の学習であり、共感と協創のプロセスによって、組織として学習するとともに人としても学習し成長していく。
  6. 人は、その場の思いつき、経験知やルール、自我(自分なりの思い)に基づき生きている。そして、次第に自己の実現を求める様になっていく。しかし、それ以上に人は、自分の存在理由や生きる目的を深く考えるようになり、自己と他者、自己と自然環境の中で生かされているという実感を抱くようなる。そして、自我や自己実現を超越して、周りとの関係性から真実の生き方を模索する様になる。


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