トランスフォーメーション戦略の構想

当社では「トランスフォーメーション」を『従来の在り様が新しい在り様になること』と定義しています。下図に示すように、この「トランスフォーメーション」の定義によれば、「従来の在り様」と「新しい在り様」が明確でなければならないことになります。すなわち、「トランスフォーメーション」のためには、自らの立ち位置をきちんと定めて、社会を俯瞰して「従来の在り様」を整理し、社会の発展の方向性を捉えた上で「新しい在り様」がどうあるべきかを具体的に描かなければなりません。

 

1.「トランスフォーメーション戦略の構想」の手順

当社の「トランスフォーメーション戦略の構想」の手順を下図に示します。

  1. 存在意義の共有:社会の中における企業の存在意義を共有します。パーパスとして定義されているものですが、社会に視座を高めて、社会発展に資する企業の存在意義とは何かを問い直して、ビジネス・エコシステム全体で共有します。
  2. 社会を俯瞰する:様々な白書や報道で知りうることから俯瞰するだけではなく、自分たちの視点で、①~④に従ってフォーサイトを考えます。①より高みに立って社会の趨勢を考える、②自分の心の求めるままに社会発展の方向性を考える、③社会にとっての価値、顧客にとっての経験価値は何だろうと考える、④自分が果たさなければならない役割は何だろうと考える (ビジネス・フォーサイトのページ参照)
  3. 企業価値を再定義する:経済価値としての企業価値に加えて、社会発展を実現することによって社会からその存在意義を認められる価値(社会的価値)、および、社会発展の実現のために自分たちが果たす役割(社会的機能)を定義します。また、これら定義を目指していくための規範となる経営理念(マネジメントフィロソフィー)、および、ミッション・ビジョン・バリューを明文化します。ここで示すビジョンは「社会の新しい在り様」となるものです。
  4. リスクを再確認する:一般的には経営環境の変化を捉えてリスクを評価しますが、当社では、社会的価値の実現、社会的機能を果たしていく上でのリスクとして評価することになります。流れとしては、①社会全体の趨勢から捉えた経営環境の分析、②経営課題の認識とリスク評価、③マテリアリティ(重要課題)の特定、となります。なお、経営環境の分析では、歴史的背景(系譜分析)、他社の動向のベンチマーキングも必要に応じて行うことになります。
  5. 戦略を構想する:「従来の在り様」を「社会の新しい在り様」にする、すなわち、トランスフォーメーションのシナリオを描き、経営資源の投入計画を策定します。(「社会の新しい在り様」を目標としてバックキャスティングにより描きます)

「トランスフォーメーション戦略」は、これまでのような経済性や競争優位性ではなく、 [1] 他社の真似のできない希少な組織能力を獲得しうること、 [2] 社会に対して影響力を発揮しうること、を基準として構想することになります。

2.分類・類型化・結合

2.1. トランスフォーメーション戦略構想 検討項目の分類と類型化

トランスフォーメーションと言っても、それは広範であり、それぞれに奥深く、詳細に掘り下げていくと、そこにはさらに数多くの検討しなければならない項目が潜んでいることが見えてきます。結局、よりどころもなく漫然と考えていては、取り留めのないトランスフォーメーションになってしまいます。そこで、当社では、トランスフォーメーション戦略を構想する際の検討項目を、以下のように分類し、類型化して整理しています。

  1. 社会の趨勢 7分類 23類型
  2. 社会問題 36分類 156類型
  3. 社会発展の方向性 6分類 20類型
  4. 導出等価価値 8分類 46類型
  5. 日本人の思考様式 6分類 36類型
  6. 変化 13分類 333類型 (対処すべき経営課題数)
  7. 経営リスク 21分類 98類型
  8. SDGs 施策 17分類(17目標) 80施策
  9. コンフリクト 16分類 83類型
  10. 淀んだ組織の課題 46分類 255類型
  11. 論理的思考の視点 6分類 “Trigonal Thinking TM” 参照
  12. コミュニケーションの共通基盤 6分類 (意思疎通の際に共有される)
  13. 優位性の構築と影響力の発揮(ストラテジーマップ) 9分類 41類型
  14. 人的資本経営(ストラテジーマップ) 11分類 40類型
  15. 企業価値創造(ストラテジーマップ) 15分類 59類型
  16. 経営管理指標 6分類 840指標(KPI,PI)

2.2. トランスフォーメーション戦略構想 検討項目の結合

実務的には、これら分類し類型化した検討項目を結合させて、全体を一つの戦略としてまとめ上げていかなければなりません。結合の仕方は目的に応じて様々にありますが、その一例として、当社では下図のフォームを開発しています。この例は、「変化(ESG要因)-経営課題-経営リスク-マテリアリティ-SDGs目標」を結合し、検索・逆引きの双方向から探索しできるようにしたものです。

 

3.『トランスフォーメーション戦略の構想』の支援

当社のコンサルティングサービスは「「トランスフォーメーション戦略の構想モデル」に基づいて、貴社の「トランスフォーメーション戦略の構想」を支援して参ります。

当社サービス、『トランスフォーメーション戦略の構想』『トランスフォーメーション戦略構想の分類・類型化・結合』にご興味のある方は サステナブル・イノベーションズ株式会社宛に  お気軽にお問い合わせ下さい。