当社では「トランスフォーメーション」を『従来の在り様が新しい在り様になること』と定義しています。この定義によれば、下図に示すように「従来の在り様」と「新しい在り様」が明確でなければならないことになります。

当社が想定しています「トランスフォーメーション」の類型を以下に列挙します。これらは、別々のものではなく、相互に関連しあい、多面的に捉えていくべき変革でもあります。
- サステナビリティ・トランスフォーメーション “ Sustainability Transformation ”
- 社会変革 “ Social Transformation ”
- 事業変革 “ Business Transformation ”
- 経営変革 “ Management Transformation ”
- 組織変革 “ Organization Transformation ”
- デジタル・トランスフォーメーション “ Digital Transformation ”
1.トランスフォーメーション戦略の視点
当社のトランスフォーメーションの視点は 市場そのものを新たに創造すること に当てられています。
- 従来のアプローチ : 「競争戦略」 → 市場内での競争を勝ち抜く
- 本アプローチ : 「市場創造戦略」→ 市場のあり方を変え、新たな市場を生み出す
そのためには、①新たな価値を創造するクリエイティブなコミュニケーション、②社会の持続可能な発展に向けた価値提案に果敢に挑戦する組織能力、が求められます。当社が目指すトランスフォーメーションは、デサイシブ・トランスフォーメーション “ Decisive Transformation ” です。
2.トランスフォーメーション戦略の目指す方向
本来、企業が継続して成長していくためにはイノベーションが必要です。今日、技術革新のスピードは速く、社会はドラスティックに変化しています。しかし、変化に適応するだけでは、社会の流れに取り残されてしまいます。伝統的な技術を持つ企業ほど、時代の荒波にに立ち向かい、新しいことに挑んでいるものです。だからこそ、長い歴史の中で生き延びてこられたのです。
- 「トランスフォーメーション戦略」は、これまでのような経済性や競争優位性ではなく、 [1] 他社の真似のできない希少な組織能力を獲得していること、 [2] 社会に対して影響力を発揮しうること、を基準として構想していかなければなりません。
3.AIの時代にはトランスフォーメーション戦略を構想することもAIが担うことになります
今日の社会は、多様化した様々な価値観が複雑に絡み合っています。個々人は画一化された大衆の中の一人ではなく、自分だけの個性を大切にし尊厳を持って持って生きている一人ひとりとして存在しています。消費の仕方も一様ではなく、そこから直接捉えられるデータも表面的に顕在化したものでしかありません。色々な視点でデータから得られる共通する傾向を深掘りして潜在ニーズを見つけ出そうという試みも盛んに行われています。より根元的な視点に立てば、より共通する因子が存在するだろうという仮説に立てば理に適った方法と言えます。しかし、これは視点を変えて個々人をステレオタイプにはめ込もうという新種のやり方です。

3.1. トランスフォーメーション戦略の新たな視点
人の心と言うものは微妙なのもで、自分だけのものを求めながらも、社会の中で生きていく間に、社会の流れ(文化的趨勢、技術的に可能な生き方)には抗えず、そこに共感し、顧客自身の心の内に隠されて認識はされていないけど叶えたいこととして内在化されていきます。そして共感したことへの他者の共感を求め、新たな価値観を持つコミュニティを形成しながら生きています。
経営としてなすべきことは、その叶えたい願い(顧客インサイト)を見つけ出して(消費者インサイト)叶える解決手段を提案し提供することです(価値の提案)。個々人の生き方をステレオタイプに捉えた枠にはめ込むのではなく、個々人の選択肢を多様に用意して提供できるようにすることです。これが、真の意味での「個々の顧客に対する価値の提案」です。「市場のあり方を変え、新たな市場を生み出す」とはそういうことなのです。
3.2. 限定合理性への解決策 『トランスフォーメーション戦略構想のための検討項目の分類と類型化』
社会の中で生きている個々人(顧客)にしても、企業を経営している経営者も、投資家や従業員の一人ひとりも限定合理性の中で生きています。何かをしようとしても、見聞きすることのできる社会の範囲や得られる情報には限界があります。全てを見通して考えることはできないので、つまりは、思いつきで対処しなければならないということになります。
個々人の選択肢を多様に用意して提供しようという「市場のあり方を変え、新たな市場を生み出す」の考え方に基づくトランスフォーメーションを考えると言っても、それは広範であり、それぞれに奥深く、詳細に掘り下げていくと、そこにはさらに数多くの検討しなければならない項目が潜んでいます。拠り所もなく漫然と考えていては、取り留めのないトランスフォーメーションになってしまいます。そこで、当社では、トランスフォーメーション戦略を構想する際の検討項目を、以下のように分類し、類型化して整理しています。
- 社会の趨勢 7分類 23類型
- 社会問題 36分類 156類型
- 社会発展の方向性 6分類 20類型
- 導出等価価値 8分類 46類型
- 日本人の思考様式 6分類 36類型
- 変化 13分類 333類型 (対処すべき経営課題数)
- 経営リスク 21分類 98類型
- SDGs 施策 17分類(17目標) 80施策
- コンフリクト 16分類 83類型
- 淀んだ組織の課題 46分類 255類型
- 論理的思考の視点 6分類 “Trigonal Thinking TM” 参照
- コミュニケーションの共通基盤 6分類 (意思疎通の際に共有される)
- 優位性の構築と影響力の発揮(ストラテジーマップ) 9分類 41類型
- 人的資本経営(ストラテジーマップ) 11分類 40類型
- 企業価値創造(ストラテジーマップ) 15分類 59類型
- 経営管理指標 6分類 840指標(KPI,PI)
3.3. 限定合理性への解決策 『AI技術を活用したトランスフォーメーション戦略の構想』
以上のように多岐におよぶ検討項目をハンドリングしてトランスフォーメーション戦略を構想することは人知を超えており現実的ではありません。そこで、当社では、Innovation Transforming TM という仕組み独自に開発して提供しています。AIという思考の技術を活用することにより、本ページの冒頭で示した、 [1] 他社の真似のできない希少な組織能力を獲得していること、 [2] 社会に対して影響力を発揮しうること、が実現可能になります。 詳細は下記のページをご参照下さい。
【Innovation Transforming TM に関連するコラム】
4.『トランスフォーメーション戦略の構想』の支援
当社のコンサルティングサービスは「「トランスフォーメーション戦略の構想モデル」に基づいて、貴社の「トランスフォーメーション戦略の構想」を支援して参ります。