1.「知の交流と交換」としての「直観の共有」
知覚した事象やものごとについての直観(ビジネスセンス、俯瞰し洞察して直観する能力、あるいは、俯瞰し洞察した直観))の全てを個々人が持つことはできません。経営者一人が持つ資質でもなく、どこかの部門の管理者でも、あるいは現場の人間でもありません。それこそ多様な経験や知識を持つ人たちが自ら知覚した事象やものごとについてのビジネスセンス(俯瞰し洞察した直観)を交流させ交換することが必要です。これこそが デサイシブ・ トランスフォーメーション(企業力(社会影響力)、創造力(イノベーション力)、変革力(社会変革力))の能力 の源泉となるものです。
2.「知の交流と交換」とセレンディピティ
2.1.セレンディピティ
「セレンディピティ」 “Serendipity” とは、『素敵な出会い』といった意味合いで用いられている言葉です。例えば、「何かを探しているときに、探して得たいものとは別に、思いがけず何か価値のあるものを見つけることができた」といった文脈でも用いられています。
2.2.「知の交流と交換」とセレンディピティ
これまで、企業の存在目的は「利潤の追求」と言われてきましたし、これからも変わることはないのでしょう。
- しかし、人権の重視や自然環境の保護などの社会視点でものごとを捉える、すなわち、「社会の持続可能な発展 “sustainability” 」を前提として事業を営まなければ、企業は信用を失い存続することが難しくなってきています。
- 最近は多様性が大事だと言われていますが、国や地域、文化の違いなど多様な環境で育った人たちの出会いが新しいアイデアを生み出すのではないかと期待されています。また、様々に異なる価値観の人たちの出会いが新たな発想を生み出すのではないかとも言われています。
3.Serendipitous Intelligence(TM)
日本企業がパラダイムシフトを起こして社会を変革させるようなイノベーションを起こして生産性を高めていくためには、21世紀 エシカルグリーン時代に向けて、下記に挙げる根本的な改革であり、それによって企業等の組織体の中に「セレンディピティ」の機会を創出していくことが必要です。
Serendipitous Intelligence(TM) とは、こうした経営課題を実現するために、当社が独自に開発した「直観を共有して知の交流と交換を実現しセレンディピティを起こしていくための『思考の方法論』」です。
- 多様性のある組織の中で思考方法を共有する
- 協働するための主体的な自発性のある分業であることを共有する
- 情報の非対称性の解消
「セレンディピティ」に気づくためには、普段からの「探索と深化」の思考が前提として必要です。「探索と深化」が相互作用を及ぼしながら柔軟に行われている組織の内部では、組織活動の構造化(規範化や規定化)と個々人の中の直観が「直観の共有」の共進化が「社会的再帰性」となって実現化し浸透していくことになります。