地球環境、資源、人権が最優先の社会になる
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工業化による近代化を目指した20世紀は経済成長が最優先の時代だった。21世紀の今日でも新興国にとって最優先の課題は経済成長である。地球規模で見れば人口は増大し、人々が裕福に暮らしていくためのエネルギー資源、鉱物資源、食料資源の必要量もどんどん増大していく。その一方で、これら資源は未来永劫、潤沢に供給されうるものではなく、乱獲により地球環境を破壊し、一国主義や保護主義等による分断社会において争奪戦を繰り広げていくと、地球規模での資源の枯渇に拍車をかけていくことにもつながる。21世紀のこれからの世界は、地球規模で共生の時代となり寛容の社会に向かわなければならない。その実現のためには、20世紀の経済成長を支えた限りある資源を分け合い、新たな代替資源を見つけ出して、また、ものの豊かさだけではなく心豊かさを共有しあって、地球全体として社会の発展を目指していくことが必要である。こうしたことを実現しうるのは人類の “知(知識ではなく智慧)” であり、寛容な社会を築いていく人的資源である。社会の持続可能な発展は、誰かの犠牲によっては成り立たない。これからの社会で最も大事にしなければならないものは人権なのである。20世紀にウェルビーイングやクオリティオブライフといった概念が生み出された。21世紀の技術革新は、これら概念を誰彼なく実現しうるものを目指し、世界を寛容な社会に向かわせるものでなければならない。
【認識すべき課題】 (時代背景、社会問題と背景要因)
- これまで後進国、新興国と言われていた国も経済成長を遂げて中間層の人達が増えていく。
- やがて世界全体として社会の成熟化が進んでいく。
- 全地球的に人権意識が高まり、自然環境の保護への関心も高まっていく。
- 企業のESGへの取り組みが問われる時代となってきている。
- 国連は2030年までを目標にSDGsを定めている。
【未来における社会的価値の創造】
- 企業文化として、社会の風潮に応えていかなければならない。
- 企業価値は儲けだけでなく、かつ、社会貢献活動や社会的課題解決に寄与する事業は当たり前のこととなり、むしろ、その質が問われる様になっていく。
- 社会貢献活動や社会的課題解決に寄与する事業の質に裏打ちされた企業ブランド価値を築けない企業は、市場における競争力を失い、存続していくことが難しくなっていく。
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