「社会的課題を重層的に解決する」の版間の差分

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(ページの作成:「人の思いは一途なところがある。この問題(社会的課題)に取り組みたいと思えば、中々、それ以外のことには思いを巡らせ...」)
 
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2018年6月29日 (金) 04:42時点における最新版

人の思いは一途なところがある。この問題(社会的課題)に取り組みたいと思えば、中々、それ以外のことには思いを巡らせることができなくなる。あるいは、自分はどの問題に取り組んだら良いのか思いが定まらないこともある。その人が生きていく環境において差し迫った問題に直面していなければ、具体的なイメージが湧きにくくやむを得ないことである。 企業も同様である。熾烈な競争をしている環境において、経済合理性を思考し利益を上げることを目的としている中では、社会的課題のことを考えるのは余計なことであり、それは行政が考えるべきことと一蹴されてしまう。しかし、企業は、社会の中で生きている人達を雇い、社会の中で生きている人々を顧客として儲けを得ている。事業を営んでいくと様々な人間関係も発生し、様々な人の抱える社会的課題にも関わってくる。本来、企業は、様々な社会的課題に対して他人事では済ませてはならない立場にある。 現実的に、社会的課題は単純ではない。様々な課題が複雑に絡み合っていて、何か一つの課題を解決したからと言って、その課題を解決できたと安心することはできない。一つの課題が起因となって他の課題を引き起こしている場合もある。また、課題が相互に絡み合い多重に竦みあって解決を難しくしていることもある。一つの課題解決が他の課題を引き起こす矛盾(あっちが立てばこっちが立たず)を引き起こすこともあり得る。 個人がなし得る範囲にも限界があり、企業の経営資源にも限界がある。複雑に絡み合った社会的課題を一人で、あるいは一社だけで解決しようとすることは不可能である。どんなに素晴らしいビジョンを描いても、破綻することは火を見るより明らかであり、行政やNPO、同業他社や異業種と協業して重層的に取り組んでいかなければ解決しえない。しかし、その解決の達成の度合いは様々であり、できることから、できる範囲で取り組んでいくことが重要である。ただ、上から目線での取り組みは控えるべきである。データを統計解析してみたところで、全体としての規模感や方針と効果算出には役立つかも知れないが、個々の課題を抱えている人にとっては却って苦痛を与えてしまうこともある。社会的課題を解決するためには、そのことで苦しんでいる人に寄り添うこと、その人の苦しみに身を置くことが何よりも大事なことである。

【認識すべき課題】 (時代背景、社会問題と背景要因)

  1. 社会的課題は個々に独立した課題として発現しているのではなく、夫々の課題の根底にある問題が複雑に入り組んで発現してきている。
  2. 例えば、日本においては、多くの社会的課題の根底に少子化、高齢化、人口減少化の問題があり、それが地域社会の衰退や経済の停滞、財政危機、貧困問題、食料(農業)問題を引き起こしている。

【未来における社会的価値の創造】

  1. NPO単独、企業単独、事業単独では、経営資源的にも影響力的にも、一度に多くの社会的課題解決に取り組むことはできない。
  2. この限界を超えて社会的課題解決に取り組むには、単独での活動ではなく、連携し相乗効果を生み出していく協業体制を構築して、重層的に社会的課題解決に取り組んでいくことが求められる。


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