「投資の新たなメカニズムの社会になる」の版間の差分

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2018年6月29日 (金) 03:52時点における最新版

経済を成長させるためには、新市場開拓型のイノベーション(ディスラプティブなイノベーション)が必要である。 既存事業の生き残りをかけたハイエンドの持続的イノベーションは、顧客の囲い込みという効果が見込めるものの、また、投資のリスクを比較的精度よく見通すことができるものの、投資に対する利益率は高くは見込めず、経済成長の足枷にもなっている。 国が戦略的に支援する事業でそこに補助金がつくならともかく、純粋に民間部門の事業として新市場開拓型のディスラプティブなイノベーションを興そうとするなら、資金が集まらずその多くが頓挫してしまう。何故なら、ディスラプティブなイノベーションが既存事業を衰退させる可能性があり、既得権益を守ろうとする投資家であれば、しばらくは様子を見ようということになるからである。しかし、投資家は、本来、研ぎ澄まされた嗅覚を働かせて新たな金儲けにお金をつぎ込むものでもあり、新規事業に成功の芽が出てきたら、先行者メリットをいち早く享受するためにも、ディスラプティブなイノベーションへと一斉に動き出す。これが、これまでの投資のメカニズムである。なお、日本の投資のメカニズムは、動きが遅く投資額も小粒であるという特徴(欠点)がある。 新市場開拓型のディスラプティブなイノベーションを巻き興していくには、新たな投資のメカニズムが必要である。とは言え、投資家の心理は不変であり、ここには手の打ちようがない。しかし、投資家の心理を逆に読んで、新たな投資のメカニズムを生み出すことはできる。すなわち、先行者メリットの魅力に飛びつかせ、ディスラプティブなイノベーションが新たなイノベーションを生み出す好循環の経済成長モデルに投資家を囲い込む(その事業にロックオンさせる)ことである。 この囲い込みには時間もかかり、これ自体に巨額の資金が必要になる。だからこそ、新規事業を単発の短期利益を求める事業としてではなく、未来社会における価値の創造を意図して、小さな成功をスパイラルアップさせながら、少しずつ社会からの賛同を得ながら持続的に社会の発展を実現していくことが重要となる。 構想は深遠で大きくても、小さな成功を目指していくなら資金も小さくてすむ。“未来社会における価値の創造を意図して、小さな成功をスパイラルアップさせていくこと”こそが、経済格差を生み出してきた資本主義社会において、新たな経済成長を生み出していく新たな投資のメカニズムである。

【認識すべき課題】 (時代背景、社会問題と背景要因)

  1. 本来、事業を育成し社会の発展に寄与していく投資が、儲けを目的とした投機へと走り、それが経済格差を生み出していく。
  2. 銀行による融資も、本来は事業の成長を支援する仕組みである筈が、焦げ付きを恐れるあまり、経営の安全性、事業計画の形式的完備性、担保の有無等により融資の可否や利率が決められてしまう。
  3. 日本においては、一度、事業に失敗してしまうと、その人の再起の芽を摘んでしまう風土がある。
  4. 日本におけるベンチャー事業への投資は規模が小さく、資金難がその事業が大きく成長していくための足枷となっている。
  5. グラミン銀行やクラウドファンディングの新たな手法が生み出されてきている。
  6. 大企業による投資の仕組みは、ベンチャー事業の新たなビジネスの創出の芽を摘む場合がある。

【未来における社会的価値の創造】

  1. 本来、事業の回転により新たな事業の創出を行っていかなければならない。
  2. しかし、それではディスラプティブなイノベーションを生み出しにくい。
  3. 社会の発展と未来社会における価値創造の視点から、ディスラプティブなイノベーションの評価方法を確立する必要がある。


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