「知恵の創造」の版間の差分
Junichi ikebe (トーク | 投稿記録) (ページの作成:「【認識すべき課題】 (時代背景、社会問題と背景要因) #IoT、ロボットや人工知能技術は、職場、及び、社会生活への適用の...」) |
Junichi ikebe (トーク | 投稿記録) |
||
(同じ利用者による、間の2版が非表示) | |||
行1: | 行1: | ||
+ | 一人ひとりの意識が高まり自立する様になってくると、働くことの目的は、組織の利潤追求のためではなく、自分が人生でやり遂げたいと思っていることの実現へと変化していく。そして、そうした人達が共通の目的を見出して組織に加わり、あるいは、組織の内外で個々にコミュニティを立ち上げて共通の目的を持つ者同士が協働する様になる。人々が、こうして自らの思いの実現を目的として内発的に行動し始め、自分の力で仮説を立てて知識を探索する様になり、また同時に、個々人が夫々に情報発信者になっていくことで、知識の創造はこれまでの一部の専門家の手を離れて、知識がソーシャルネットワーク上に自然に増殖していく。 | ||
+ | 組織の枠を越えて、社会の中に蓄積されている知識の意味を統合する仕組みはなく、これからの社会においてはソーシャルネットワーク上の知識をキュレーションするサービスが必要になってくる。そして、キュレーターには、専門分野の知識ではなく、社会の中での意味形成の過程を理解し、かつ、背景にある哲学的発展の中での解釈、社会学的発展の中での解釈、心理学的発展の中での解釈を加え、未来社会の価値の創造につながる示唆を与えうる素養が求められる様になる。 | ||
+ | しかし、ソーシャルネットワーク上の膨大な知識を扱うキュレーターは数少ない。即ち、キュレーターの知的作業を支援する仕組みも必要となる。それは、おそらくタクソノミーによる知識の整理ではなく、抽象化された目的と知識ベースや人工知能の深層学習に必要なパラメータが紐づけられ、目的に対する具体的な目標値を設定することによって人工知能が起動し、当該目的を達成するためのストーリーやプロセスを提示する、また、その採用の可否の経緯や実施結果が知識ベースや深層学習機能にフィードバックして、自律的に機械が賢くなっていく仕組みによって実現されると思われる(「知をつなぎ協創するネットワーク」参照)。 | ||
+ | |||
+ | |||
【認識すべき課題】 (時代背景、社会問題と背景要因) | 【認識すべき課題】 (時代背景、社会問題と背景要因) | ||
#IoT、ロボットや人工知能技術は、職場、及び、社会生活への適用の場を増やしつつある。ロボットや人工知能技術が進化しシンギュラリティ(技術的特異点)に到達する。ロボットや人工知能と共生することにより生産性が高まっていく。 | #IoT、ロボットや人工知能技術は、職場、及び、社会生活への適用の場を増やしつつある。ロボットや人工知能技術が進化しシンギュラリティ(技術的特異点)に到達する。ロボットや人工知能と共生することにより生産性が高まっていく。 | ||
行4: | 行9: | ||
#21世紀型の経営においては、社会の多様なニーズに応えていくために、また、個々夫々に関わりのある様々な社会的課題を多様な視点を持っている人達が解決していくことになる。企業も社会の一員として事業を通して社会的課題の解決を図っていかなければならない。 | #21世紀型の経営においては、社会の多様なニーズに応えていくために、また、個々夫々に関わりのある様々な社会的課題を多様な視点を持っている人達が解決していくことになる。企業も社会の一員として事業を通して社会的課題の解決を図っていかなければならない。 | ||
#21世紀型の経営において、プロダクトの経済性は、①未来社会に向けた差別化価値(既存と異なる優位性)、②STP/MM/PL(Product Life cycle)、③要素技術の進化の過程とロードマップ、④ビジネスフィージビリティによって評価される。 | #21世紀型の経営において、プロダクトの経済性は、①未来社会に向けた差別化価値(既存と異なる優位性)、②STP/MM/PL(Product Life cycle)、③要素技術の進化の過程とロードマップ、④ビジネスフィージビリティによって評価される。 | ||
− | # | + | #21世紀型の経営において、プロダクトによる経済効果は、①公益的な利益、②社会的課題を放置することによって生じる経済的損失、③経済的損失の回避額、④経済的損失の低減額、⑤経済的損失の移転に必要な費用と低減額、により総合的に評価される。 |
【未来における社会的価値の創造】 | 【未来における社会的価値の創造】 | ||
− | # | + | #人が担うべき仕事とロボットや人工知能が担うべき仕事の役割分担によって、時間や場所に拘束される仕事に追われる日々から解放され、より時間的にゆとりのある生活を送くれるようになる。人はより自分らしく自己実現に結びつく仕事、更には、自己を超越して他者や自然環境とも一体となり、社会の発展に結びつく仕事に集中できるようになる。 |
#ロボットや人工知能が担うべき仕事の役割分担をすることで生産性が向上する。経済合理性の発想によらず、ウェルビーイング、クオリティオブライフの発想に根差した産業への転換を図っていく様になる。人に求められるのは創造的な仕事となる。その実現のためには、組織や人の行動のケイパビリティを高めていく必要である。 | #ロボットや人工知能が担うべき仕事の役割分担をすることで生産性が向上する。経済合理性の発想によらず、ウェルビーイング、クオリティオブライフの発想に根差した産業への転換を図っていく様になる。人に求められるのは創造的な仕事となる。その実現のためには、組織や人の行動のケイパビリティを高めていく必要である。 | ||
#組織や人の行動のケイパビリティを高めるには、①組織(チーム)が持つスタティックケイパビリティとダイナミックケイパビリティ、②個人の能力、③働き方の環境(物理的な環境、設備、人間関係、人事評価制度)、④社会環境を整えていかなければならない。 | #組織や人の行動のケイパビリティを高めるには、①組織(チーム)が持つスタティックケイパビリティとダイナミックケイパビリティ、②個人の能力、③働き方の環境(物理的な環境、設備、人間関係、人事評価制度)、④社会環境を整えていかなければならない。 |
2018年8月16日 (木) 11:31時点における最新版
一人ひとりの意識が高まり自立する様になってくると、働くことの目的は、組織の利潤追求のためではなく、自分が人生でやり遂げたいと思っていることの実現へと変化していく。そして、そうした人達が共通の目的を見出して組織に加わり、あるいは、組織の内外で個々にコミュニティを立ち上げて共通の目的を持つ者同士が協働する様になる。人々が、こうして自らの思いの実現を目的として内発的に行動し始め、自分の力で仮説を立てて知識を探索する様になり、また同時に、個々人が夫々に情報発信者になっていくことで、知識の創造はこれまでの一部の専門家の手を離れて、知識がソーシャルネットワーク上に自然に増殖していく。 組織の枠を越えて、社会の中に蓄積されている知識の意味を統合する仕組みはなく、これからの社会においてはソーシャルネットワーク上の知識をキュレーションするサービスが必要になってくる。そして、キュレーターには、専門分野の知識ではなく、社会の中での意味形成の過程を理解し、かつ、背景にある哲学的発展の中での解釈、社会学的発展の中での解釈、心理学的発展の中での解釈を加え、未来社会の価値の創造につながる示唆を与えうる素養が求められる様になる。 しかし、ソーシャルネットワーク上の膨大な知識を扱うキュレーターは数少ない。即ち、キュレーターの知的作業を支援する仕組みも必要となる。それは、おそらくタクソノミーによる知識の整理ではなく、抽象化された目的と知識ベースや人工知能の深層学習に必要なパラメータが紐づけられ、目的に対する具体的な目標値を設定することによって人工知能が起動し、当該目的を達成するためのストーリーやプロセスを提示する、また、その採用の可否の経緯や実施結果が知識ベースや深層学習機能にフィードバックして、自律的に機械が賢くなっていく仕組みによって実現されると思われる(「知をつなぎ協創するネットワーク」参照)。
【認識すべき課題】 (時代背景、社会問題と背景要因)
- IoT、ロボットや人工知能技術は、職場、及び、社会生活への適用の場を増やしつつある。ロボットや人工知能技術が進化しシンギュラリティ(技術的特異点)に到達する。ロボットや人工知能と共生することにより生産性が高まっていく。
- 個人主義の枠組みを超えて、人権が重視され個人が自立し自己の実現を求めて自律していく社会となる。人の担うべき役割は創造性が求められる仕事へと移っていく。特に、日本人の生活は仕事を中心にまわしていくものに固定概念化されてきた。21世紀型の経営においては、経済合理性の発想によらず、ウェルビーイング、クオリティオブライフの発想に根差した産業への転換を図っていくことになる。
- 21世紀型の経営においては、社会の多様なニーズに応えていくために、また、個々夫々に関わりのある様々な社会的課題を多様な視点を持っている人達が解決していくことになる。企業も社会の一員として事業を通して社会的課題の解決を図っていかなければならない。
- 21世紀型の経営において、プロダクトの経済性は、①未来社会に向けた差別化価値(既存と異なる優位性)、②STP/MM/PL(Product Life cycle)、③要素技術の進化の過程とロードマップ、④ビジネスフィージビリティによって評価される。
- 21世紀型の経営において、プロダクトによる経済効果は、①公益的な利益、②社会的課題を放置することによって生じる経済的損失、③経済的損失の回避額、④経済的損失の低減額、⑤経済的損失の移転に必要な費用と低減額、により総合的に評価される。
【未来における社会的価値の創造】
- 人が担うべき仕事とロボットや人工知能が担うべき仕事の役割分担によって、時間や場所に拘束される仕事に追われる日々から解放され、より時間的にゆとりのある生活を送くれるようになる。人はより自分らしく自己実現に結びつく仕事、更には、自己を超越して他者や自然環境とも一体となり、社会の発展に結びつく仕事に集中できるようになる。
- ロボットや人工知能が担うべき仕事の役割分担をすることで生産性が向上する。経済合理性の発想によらず、ウェルビーイング、クオリティオブライフの発想に根差した産業への転換を図っていく様になる。人に求められるのは創造的な仕事となる。その実現のためには、組織や人の行動のケイパビリティを高めていく必要である。
- 組織や人の行動のケイパビリティを高めるには、①組織(チーム)が持つスタティックケイパビリティとダイナミックケイパビリティ、②個人の能力、③働き方の環境(物理的な環境、設備、人間関係、人事評価制度)、④社会環境を整えていかなければならない。
- 組織(チーム)が持つスタティックケイパビリティとダイナミックケイパビリティ、個人の能力を高めていくことのできる知恵の創造の仕組みが必要になる。
- 21世紀型のプロダクトには、知恵の創造に結びつくサービス、知恵の創造を支援するシステム、知恵を提供するロボットや人工知能が装備されていなければならない。
関連事項
- 経営戦略論、経営戦略フレームワーク、事業戦略論、事業戦略フレームワーク、マーケティング戦略論、マーケティング戦略フレームワーク
- 顧客に関する視点から捉えた競争戦略一覧
- 組織問題の詳細と組織変革に向けた組織改革戦略一覧
- イノベーションへの過程と道筋一覧
【Top page】 Business Knowledge Network-経営の視点
【Chenge View】 社会問題、暮らしの問題