「マイクロコミュニティの社会基盤」の版間の差分

2018年9月13日 (木) 11:28時点における最新版

ここで言うマイクロコミュニティとは、地域社会、企業内、業界内で、思いを一にして共感しあえる者同士が自発的に結びつき、あるいは、ゆるいネットワークで結びついて、自律的に活動していく自己組織化されたゲマインシャフト型のコミュニティのことを想定している。マイクロコミュニティとしているのは、コミュニティに参加する人数ではなく、日々の目の前にある問題をきっかけにして有志の人達が、必要とされる場所や期間に、公式/非公式を問わず、自由に集まって活動するという意味合いを想定している。 SNSが普及し一人ひとりが様々な情報を得ることができ、かつ、情報を発信できる社会においては、個々の人々は企業を通して社会（市場、顧客）とつながっているばかりでなく、社会の中で暮らしている様々な人達ともつながっている存在となる。そこでは、価値観や同じ問題意識を持っている人同士が共感によってつながり協創していくことが可能となる。これからの社会にあっては、企業内であろうと外であろうとも、社会のあちこちでこうした人達がつながり結びついて価値を創造していくことになる。 20世紀が企業の時代だったとすれば、21世紀の社会においてはこうしたマイクロコミュニティの時代となり、その果たす役割が大きくなっていくものと考えられる。

【認識すべき課題】　（時代背景、社会問題と背景要因）

1. マイクロコミュニティは造語である。かつて、日本企業では小集団活動があった。欧米の経営組織では、プロジェクトやタスクチームなどもある。これらは、ゲゼルシャフトのコミュニティでありトップダウンで形成されている場合が多い。
2. マイクロコミュニティは、社会にあっても、企業にあっても、思いを一にして共感しあえる者同士が、自発的に結びつき、あるいは、ゆるいネットワークで結びついて、自律的に活動していく組織である。
3. こうした活動では規模を大きくする必要はない。むしろ、スリムな組織がスマートに意思決定をして行動できることの方が合理的であり、生産性も高く、創造性を発揮できる。

【未来における社会的価値の創造】

1. 企業が事業を通して社会的課題を解決していかなければならない社会にあっては、多様な社会的課題を抱えている従業員同士が結びついてコミュニティを構築（ゲマインシャフト）して、経営組織と協働しながら、社会的課題を解決するアイデアを実現化し、新たな価値を創造していくことが良い。
2. スリムな組織がスマートに意思決定をして行動できるマイクロコミュニティが、社会や企業の抱えている課題を効率的に解決していく。
3. マイクロコミュニティが、たくさん生まれ、緩やかに結びついて、創発していくことのできるシステムこそが、これからの社会を活性化して未来社会の価値を創造し、経済成長の原動力となっていく。
4. マイクロコミュニティを生み出し、活動を支えていくシステムこそが、これからの社会基盤となっていく。

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