「ポストボーダレス社会になる」の版間の差分

2018年7月15日 (日) 11:20時点における最新版

経済のグローバル化は国や地域を越えたボーダレス社会を生み出した。そうしたボーダレス化の波は、オープンイノベーションの波と重なり合い、異なる製品分野の要素技術を新結合させてローエンドの破壊的イノベーション引き起こし、業界を越えて新たな産業を生み出してきた。 労働コストの安い新興国で生産して原価低減を図ろうとする企業行動が国際分業化を促し、大量生産品に関わる生産技術の新興国への移転へとつながり、オープンイノベーションの波が生産技術の移転が進んだ新興国にローエンドの破壊的イノベーションを巻き興していった。ローエンドの破壊的イノベーションは、既存の業界の参入障壁を下げて、業界の境界を越えた新たな形のボーダレス社会を生み出すこととなった。そして、業界の枠を越えた新たな産業がグローバル市場を生み出し、グローバルサプライチェーンがグローバル市場の需要を満たしていく社会が形成されてきた。 既得権益に縛られた既存産業のビジネススピードは鈍いが、業界の枠を越えて生み出されてきた新たな産業にはしがらみがなくビジネススピードは速い。そして、オープンイノベーションがローエンドの破壊的イノベーションを巻き興して新興国の発展を促進させてきた様に、IoTやロボットや人工知能技術もまた新興国の変革のスピードを加速していく。そして、IoTやロボットや人工知能分野を包み込んだ技術革新分野におけるボーダレス化も進んでいく。 ポストボーダレスの社会では、産業分野や技術分野の新結合ばかりでなく、グローバルな破壊的イノベーションとなって多くの国の社会システムや社会的風土に創造的破壊を引き起こしていく。グローバルな破壊的イノベーションによって変革された社会には文化の共有化が進み、文化そのもののボーダレス化が進んでいく。その一方で、国や民族のアイデンティティを受容する文化も醸成されて、世界はグローバル規模での多元社会化が進んでいく。そして、IoTやロボットや人工知能技術を生かしにくい分野の産業が地場産業化し、国や地域、民族の特性を生かした価値のある製品として存在感を増していく。

【認識すべき課題】　（時代背景、社会問題と背景要因）

1. ボーダレス社会の一面はグローバル化がある。
2. ボーダルス化は、グローバル化によって他国の大きな資本が参入し、その国独自に業界として守られていた産業構造が破壊されることによって顕著に現れる。
3. ボーダルス化は、また、グローバル規模でのオープン化によって引き起こされる。自国の業界や産業構造は、オープン化によって成長してきたグローバル規模での新たな産業構造に飲み込まれていく。
4. 定型的な労働やサービスは、人工知能やロボットに置き換わっていく。

【未来における社会的価値の創造】

1. グローバル化、産業構造の再編といったボーダレス化は、ローエンドの破壊的イノベーション、オープンイノベーションによって牽引されていく。
2. 人工知能やロボットが担う産業構造が生み出されて、これまで守られてきた形式知に基づく知的産業、サービス産業も置き換えられていく。
3. ローエンドの破壊的イノベーション、オープンイノベーションの対象とはなりにくい個別に培われた専門性の価値はボーダルス化されにくく、また、人工知能やロボットにも置き換えられにくい。
4. ボーダレス化される産業とボーダレス化されにくい産業を識別して、夫々に発展していく道筋を描いて産業として成長させていかなければならない。

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