組織能力マネジメントとは

 企業で働く人たちには、人権を普遍的な価値観として捉え、社会の多様性や包摂性を拡げていくこと、脱炭素社会化して地球温暖化問題を解決していくこと、未来社会に豊かな自然環境を残していくこと等々について視座を高めて思考し、主体性のある自発的な分業という形で組織の中で自律的に協働して行動する高い組織能力 “Organizational Capability” が求められるようになってきました。

組織能力 “Organizational Capability” とは、
  個々人が主体性のある自発的な分業という形で組織の中で自律的に協働して行動する能力

 

1.“Well-being” を目指して「働く人たち」の群像

 “Well-being” を目指して「働く人たち」すなわち、社会の中で自立して組織の中で自律して行動する人たちは、元々は 自主性を持って自発的に行動する 人たちの筈です。そうした人たちを「言われた通りに働く」「指示待ち社員」にしてはなりません。とは言え、「自由闊達な社風」「失敗を恐れない文化」「ワイガヤ」などといったことは大量生産・大量販売・大量消費の時代の異物の発想に他なりません。
 “Well-being” を目指して「働く人たち」は、黙っていても、自律的に行動したことによる説明責任 “Accountability” や自らの行動の社会に対する責任 “Responsibility” はわきまえている筈です。これまでの「人的資源管理」におけるエンゲージメントやエンパワーメント等の発想よりもっと根元的なつながり、すなわち、①目的意識 “Purposefulness” の共有、②相互に影響を及ぼし合う協働、③経済発展(サステナビリティへの移行×経済成長)と “Well-being” を目指していくことに対する『共感』、および、多様性や社会的包摂性を大事にして平等に相互の人権 “Human Rights” を敬い合っているという『信頼関係』が「組織能力マネジメント」の前提条件となります。
 
 以下の図はこうした前提の下で 組織能力マネジメントを営む企業等の組織体と “Well-being” を目指して「働く人たち」、および、そうした人たちの間で織りなされる「ビジネスセンス(直観)の交流と交換」のイメージを示しています。

2.組織能力マネジメントの枠組み “Organizational Capability Management Framework”

 企業の経営者にも、人権を普遍的な価値観として捉え、社会の多様性や包摂性を拡げていくこと、脱炭素社会化して地球温暖化問題を解決していくこと、未来社会に豊かな自然環境を残していくこと等々について視座を高めて思考し、持続可能な社会の発展を目指して、ダイナミックな意思決定により社会変革(イノベーション)を巻き起こし、サステナビリティへの移行を先導していく能力 “Dynamic capability” が求められています。

  1. 企業には「21世紀 エシカル・グリーン時代」への変革が求められている
  2. 企業には「サステナビリティ」への移行が求められている
  3. 企業や個々人には「組織能力マネジメント」への変革が求められている

従来の「人的資源管理」では上記の要件に対して視野が狭すぎて対応できません。そこで、現在の社会趨勢の要件を満すべく新たに「組織能力マネジメント」の枠組みを構築することが必要になってきました。

 

『組織能力経営』にご興味のある方は サステナブル・イノベーションズ株式会社宛に お気軽にお問い合わせ下さい。

 

補足

指示待ち

 現実的に世の中には「指示待ち社員」に悩まされている経営者も多くいます。何故でしょうか? そういう気質の社員なのでしょうか? 否、おそらく、そういう社員にしたのはその企業の組織文化、さらに言うなら、大量生産・大量販売・大量消費の時代の経済合理性という原理のもとで業務を定型化してルーチン化しその通りに働くことを強いてきた組織の文化、例えば、規範、規則、標準、慣習、習慣といったこと、あるいは、上意下達でなければならない組織を動かす仕組み、失敗を許さないといった不文律が縛りとなって人を「言われた通りに働く」「指示待ち社員」に育てあげたのではないでしょうか? 結論として言えることは、大量生産・大量販売・大量消費の時代の経済合理性を原理とした効率優先の「ルーチン化」が組織能力を弱めることになっていたのです。