MX “Management Transformation” は「経営変革」に対して当社が使用している呼び方です。
企業は、大なり小なり、その形態の如何に関わらず、社会と相互に作用しながら変化していく存在です。また、経営とは「自ら変化を起こしたり環境の変化に適合したりするために計画し実行することである」と定義することができます。しかし、その変化というものは、高度経済成長期におけるような右肩上がりの変化、社会の成熟化や人口減少化にともなう経済停滞や衰退に向かう変化、グローバル化にともなう経営環境の拡大と競争の複雑化という変化、21世紀に入っては顕著に持続可能な社会の発展を目指していくという変化へと、変化そのものが規模的なものに加えて質的なものへと変容してきています。そこで、当社では、 MX “Management Transformation” (マネージメント・トランスフォーメーション)を以下のように定義しています。
MX “Management Transformation” (マネージメント・トランスフォーメーション)は、変化そのものの多様な変容に対処していくための「経営そのものの在り様の変革」である。
上記の定義において「在り様」という言葉を使っていますが、ここでは本来の用法を拡張して『ものごとの外部から見える部分のみならず、内部を含めた状態』という意味で使用しています。
1.マネージメント・トランスフォーメーションの3つの論点
ここでは、以下の3つの論点から MX “Management Transformation” について整理することにします。
1.1. そもそも、 「マネージメント・トランスフォーメーション」とは何か?
これまでの経営における利便性や経済性の追求は規模の経済を前提として展開されてきたものです。一方、個々人のアイデンティティが重視される今日、マネージメント・トランスフォーメーションは、日常の中にある個々人の無意識に潜む視点で捉えた意味を創造することに視点を当てた変革であると言うことができます。
「意味の創造」は、シナリオやカスタマー・ジャーニーなどで描き出されると言われています。しかし、人には様々な認知バイアスがあり、それによって社会システムの中では複雑にコンフリクトが繰り広げられています。そのため、社会システムをシステムとしてダイナミックに捉えて思考することや様々な意見を調整するための論理思考を駆使しなければ実現できない、高度な変革であると言えます。
1.2. そもそも 、「マネージメント・トランスフォーメーション」と言うけれども何をしたら良いのか?
- まず、第一に、意味を創造していくために、賢いコミュニケーションによる協創が必要となります。そして、賢いコミュニケーションのためには、前提となる知識の共有が必要になります。今日、ソーシャルネットワークやグループウェアが普及し発展していますが、それだけでは不十分であり、何よりも、知識の共有するための意味の検索(セマンティック検索)が必要です。生成AIが未来の社会システムの基盤となっていくことを想定した知識経営を意図していかなければなりません。
- 第二に、サステナビリティ経営を目指さなければなりません。サステナビリティ経営とは、サステナビリティを規範とした経営です。
- 第三に、データドリブン経営を目指さなければなりません。データドリブン経営とは、企業が様々な活動を通して収集したデータを統合的に活用して、果敢に意思決定し、経営計画を立案し、また、経営環境の変化の兆しを捉えて迅速に判断し施策を講じて実施を推進し、差異が生じれば即座に対処していく経営です。しかも、マネージメント・トランスフォーメーションにおけるデータドリブン経営では、利便性や経済性のみならず、これまでに挙げた「意味の創造」「サステナビリティ」、および、下記1.3. に挙げる「社会に対する影響力と優位性」の視点から見直されなければなりません。
1.3. そもそも、「マネージメント・トランスフォーメーション」によって何が変わるのか?
利便性や経済性の視点では競争優位性の構築が目指されますが、マネージメント・トランスフォーメーションにおいては、社会に対して影響力を及ぼし、他社が簡単には模倣できない、そして何よりも、その変革を実現し得る組織であるということが優位性として構築されます。
2.マネージメント・トランスフォーメーションの進め方
「数値化しなければ管理できない」とよく言われます。利便性や経済性の視点では、指標の動きを捉える指標体系を作って管理すれば良いでしょう。しかし、幸福を数値化することと同じように、数値化しても虚しいものもあります。
マネージメント・トランスフォーメーションにおけるデータドリブン経営で大事なことは、全体として大局的に捉えるために、定量的に把握できる指標と定性的な要因を組み合わせて捉えることです。また、データには意味がありませんし、データとして捉えたその時から過去のものです。そこに解釈を加えて意味を持たせるのがマネージメントの本質であるとも言えます。
経営環境が短期間に激変することもあります。データは過去のものですから、現象が起きてデータとして捉えてからでは後の祭りです。捉える指標の値に意図を持たせてフィードバックループによって管理していくことで、少しでも早く変化の兆しを捉えて適応して行動することができるようになるでしょう。
最も大事なことは、捉える指標の値に意図を持たせて管理すること、すなわち、目標を定めることです。結果としてこうなったという日和見的な管理ではなく、目標値と実績値(実推値)で管理して、差異を分析してフィードバックしていくことです。
3.MX “Management Transformation” 支援
当社が提供しますコンサルティングサービスは「トランスフォーメーション戦略の構想」です。service and proposal のページに示す様々なコンサルティンコンテンツやサービスプログラムによって、データドリブン経営に必要な指標体系、指標管理体系を構築していくことを目指しています。