- ソーシャル・イノベーションを起こし得る力
- 社会の将来を見据えて、社会問題を解決し社会全体の進歩を促進する革新的なアイデア、技術、ビジネスモデルを生み出し、社会的価値を創造する能力
1.「創造力(ソーシャル・イノベーション力)」の位置づけと構図
「創造力(ソーシャル・イノベーション力)」は「デサイシブ・ トランスフォーメーション・ケイパビリティ “DCXCS Decisive Transformation capability for sustainability”」の一つです。
また、「創造力(ソーシャル・イノベーション力)」は、ダイナミック・ケイパビリティによって実現される「未来構想力」(主に感知能力)「構想実現力」(主に捕捉能力)、そして、組織能力によって築き上げられてきた「変化適応力」(主に変容能力)を礎として、企業の歴史の中で培われていく能力です。
これら能力は夫々に単独で機能するものではなく、「ケイパビリティ・ネットワーク・アンサンブル」としてお互いに協奏しながら実現されていくものです。
「創造力(ソーシャル・イノベーション力)」は、①目の前にある現在のビジネスの短期的な収益等の成果を遥かに超えた視点で社会の将来を見据えて、②本業である事業のその先に、社会全体の進歩を促進する革新的なアイデア、技術、ビジネスモデルを生み出すことによって、③社会問題を解決することで社会的価値を創造する能力です。④そして、その結果は、「持続可能な社会を実現する企業価値創造」「長期的な視点から捉えた収益の拡大」に結実していくものです。
1.1.SPI “Sustainability Performance Indicator”
「創造力(ソーシャル・イノベーション力)」は、社会を俯瞰して、人の求める権利(人権)や自然の権利を発展的に保護して、社会システム、経済システムの変革を通してサステナビリティが実現される社会を築き上げていくものです。
1.2.Sustainability Performance Indicator Management
「創造力(ソーシャル・イノベーション力)」によって実現する社会は、その企業に対して「社会への貢献(社会問題の解決)」「長期的に持続可能な収益の拡大」となって結実していくものですが、必ずしも、思い描いた通りには進まないものです。“Sustainability Performance Indicator Management” は、社会変革への挑戦の状況を管理するものであり、必要に応じて計画にフィードバックしていくものです。
そして、こうしたフィードバックループを通して「企業力(社会的影響力)」「創造力(ソーシャル・イノベーション能力)」「変革力(社会変革力)」、「未来構想力」「構想実現力」「変化適応力」とその「ケイパビリティ・ネットワーク・アンサンブル」は成長していくことができます。
2.「創造力(ソーシャル・イノベーション力)」のために具備すべき組織の能力と施策のチェックポイント
- 「創造力(ソーシャル・イノベーション力)」の基盤
- 社会に存在する意義、事業が担っている社会的責任を重く捉えている。
- 社会に貢献することを使命として社会的価値創造に向けた思想を持って一貫して取り組んでいる。
- 社会問題解決のための経験知が蓄積されている。
- 社会の視点からステークホルダーとの協創関係を築いている。
- イノベーションにチャレンジし続ける組織文化がある。
- 社会の変化、市場の変化、顧客の変化を読み取って社会変革に果敢に取り組んでいる。
- 社会を俯瞰し、持続可能な社会の発展に向けて何が必要か考える組織である。
- 失敗を恐れず、失敗を責めず、リスクを取って、失敗から学ぶ組織である。
- 「創造力(ソーシャル・イノベーション力)」のための施策
- 社会に存在する意義、社会的責任に対する意識を組織内で語り続けて文化として浸透させる。
- 社会を俯瞰し、長期的な視点で事業を構想する習慣を組織に身に付ける。
- 持続可能な社会の発展に資する社会的価値創造の知識の探索、知識の深化を行動指針に織り込み、業務の中で実施されるように習慣づける。
- 持続可能な社会の発展を事業の基本コンセプトに据える。
- ナレッジシステムの仕組みを構築し、持続可能な社会の発展に資する社会的価値創造の知識やスキルを蓄積する。
- 持続可能な社会の発展に資する社会的価値創造の知識やスキルの教育を継続的に実施する。
- 持続可能な社会の発展の思想をステークホルダーと共有し、協創するためのビジネスエコシステムをデザインする。
- ソーシャル・イノベーションに挑む人を採用する。
- ソーシャル・イノベーションに対する評価制度をデザインし公正公平に評価する。