Trigonal Thinking(TM) の[懐疑的に]において「現在の産業構造や他者の利害関係に対して二律背反や二項対立になっていないか、また、自らのこれまでの事業にとって利益相反になっていないか検証すべき」として扱う論点は、既得権益による利権の構図とそれによって生じる弊害についてである。
- [懐疑的に]で明確にすべき具体的な検証事項は、①既得権益による利権の構図、②どんなことが新たな社会システムへの抵抗勢力となりうるのか、③構造的に社会発展、ディスラプションを阻害するのかといったことである。
既得権益による利権の構図とは
- 既得権益や利権は外部の人達からは見えないところに存在する。また、既得権益や利権の内部にいる当事者にとっても暗にあるものとして無意識に設定したり、囲い込んだり、利用したりするものでもある。しかしその一方で、組織や自分達の利益や権力基盤として意識して政治的に構築して社会システムとして利己的に活用する人達もいる。
- 既得権益や利権はどこにでも存在する。国や行政の縦割り組織に限らず、夫々の企業組織の中の権力構造(組織構造)、産業構造、成功して利益を出している事業、公的私的に限らず設立される利益保護団体、取引慣行など、大凡、人の利益に関わることの殆ど全てに既得権益や利権が必ず付いて回る。
既得権益による利権の弊害
- 既得権益や利権が悪い訳ではなく、むしろ、既得権益による利権の構図に問題が生じる。既得権益による利権の構図を構築したり、囲い込んだり、自分達の特権として行使し、維持し続けようとして固執したりすることで、ディスラプション(創造的破壊と新結合による社会の変革)を阻害したり、新しい技術や新規事業への抵抗勢力となってその発展の邪魔をしたりすることが問題である。また、既得権益や利権を守ろうとするあまり倫理に反する行為に及ぶ人達もでてくる。
- 既得権益や利権に固執するということは、即ち、正常性バイアスが働いていることでもある。日本ではガラパゴス化と言われたり、また、茹でガエル現象と言われたりする悪循環をも引き起こすこともある。
- 利権に守られている人達にとっては好ましい存在であっても、その利権から追いやられた人達の利益は守られないばかりか、排他的に疎外されたり、その人の人権すら正当に扱われないことも起こったりする。経済的には外部化にもつながる。
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