#248 成果主義と結果主義(社会へのインパクトの説明責任)

 成果主義とは、設定された目標をどれだけ達成できたかという成果で評価する人事制度です。しかし、テレワーク導入を契機に進められようとしている今の成果主義は、どちらかというと成果物主義というべきものです。これは、雇用制度としての本質ではありません。

 一方、結果主義(社会へのインパクトの説明責任)は、将来に向けて、さらには、後世の人たちに向けて、どの様な結果を残せたかということが問われる個々人の未来への責任と言えます。そこには、一人ひとりが心に抱いている生きていく目的も含まれ、単に、目標を達成したかどうかだけではなく、目的に向けて一貫して、周囲の人たちと力を合わせて、どのように取り組んだかも問われます。ある意味、結果主義(社会へのインパクトの説明責任)は成果主義よりも厳しい制度です。

 日本で従来から採用されてきた雇用制度はメンバーシップ型です。集団思考で取り組む日本的経営、職能資格制度という人事制度の下で能力が重んじられてきた日本型経営においては、既定の職務に対する能力と成果を求められるジョブ型の雇用制度ではなく、一市民としての一人ひとりが主体となって実務を通して自発的に社会の発展に寄与していく結果主義の方が適していると言えます

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一

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