サステナブルを直訳すると「持続可能な」となりますが、元々は “ Sustainable Development ” (Sustainable development, which implies meeting the needs of the present without compromising the ability of future generations to meet their own needs 国連 ブルントラント報告、1987 より引用)の文脈で用いれてきた言葉です。 “ the needs of the present ” と “ the ability of future generations ” が同列に並べられている様に、サステナブルの意味には『今』だけでなく『将来』にわたってという意味が含まれています。
一方、“ Development ” については、様々な辞書で調べてみると、日本語では「開発」とも「発展」とも訳されています。 この訳によれば “ Sustainable Development ” は「『今』だけでなく『将来』にわたって『持続可能な開発』『持続可能な発展』となります。
ところで、広辞苑第六版によれば、『開発』『発展』は夫々、以下の様に定義されています。
- 開発 : ①(天然資源を)生活に役立つようにすること。 ②実用化すること。 ③知識を開き導くこと。
- 発展 : ①のびひろがること。展開。 ②さかえゆくこと。 ③手広く活動すること。特に異性との交際についていう。
この定義によれば、『開発』は「何かに働きかけて他の何かに変えていく(生み出していく)」という意味を内包し、『発展』は「自らが変わっていく(新たな状態へと展開していく)」という意味を内包しています。
言葉の意味は、その人の立場によって様々に解釈されますが、『開発』という言葉にある 他者に働きかけて、何かを他の何かに変えていく という行為は一過性のものであり、当初の目的を達成したら終了するという印象がつきまといます。それでは、そもそも「持続可能」ではありえません。 もし、誰かに言われたからという行為を続けることは、それはむしろ、他力本願になってしまいます。
一方、私は、『発展』という言葉にある 自ら という 内発性 こそが重要だと考えています。 すなわち、外部環境の変化に合わせて 自ら変わっていく ことが「持続可能」の原動力になり、自ら変わっていこう とする意志から新たな自覚が生まれ、新たな 自ら の行動を生み出します。 この次々につながっていく 自ら発する 活動こそが「持続可能」でありえるための本質なのです。
サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一