#35 競争優位を最重点課題として経営を推し進める

市場の動向は自社だけの力では捉えきれない。外部団体の調査結果をうまく活用して市場の競争環境を捉えることが、これからのビジネスの成否の鍵を握っていると言っても過言ではない。また、社内の営業活動を通して得られる顧客情報も重要な情報源であり、実体としての市場の競争環境を捉える重要なチャネルでもある。

 

データから読み解く市場競争の枠組みと経営資源を集中する上での論点

(1) 市場の変化に適応して競争優位性を構築する

市場は多様にどんどん変化していく。企業の収益源である事業も、例え一時の成功があったにせよそれに安穏として、市場の変化に着いていけなければすぐに廃れて、競合企業に市場を奪われてしまう。とはいえ、経営資源は限られており、全てにおいて何でもやれば良いという訳にはいかない。効果的な分野に集中して経営資源を投入していくためには、常日頃から下記の視点で、顧客層を描いて事業を展開する地域を絞り込み、事業の機会と驚異を捉えておくことが求められる。

 

  • 顧客の深層にある意識の変化
  • 高齢化・少子化に伴う社会や市場の変化
  • 地域の特性、地域間にある意識の変化
  • 国・地域の経済発展のライフステージ
  • 流通事情の変化
  • 競争環境の変化と新たなリスク
  • 競合企業が仕掛けてくる戦略

 

(2) 規制緩和を先取りして競争優位性を確保する

また、どの企業も、規制緩和が新たなビジネスチャンスになるのではないか、逆に、これまでの事業をこれまで通りに展開できなくなるのではないかと、その動向に戦々恐々としている。規制緩和は異業種への参入の機会でもあり、参入障壁が低くなり異業種からの新規参入が増えて市場が激戦状態になるきっかけともなりうる。国内、および事業を展開している相手国において、法規制、税制、商習慣、経営環境の変化が商品にどう影響しているか、常に先を読んで取り組んで行くことも必要である。

 

(3) 企業ブランド力による競争優位性の構築

企業ブランドの競争力は?競争優位性の最も重要な要素である。社会の持続可能な発展(サステナビリティ)に誰もが共感する具体的なコンセプトを持って、企業全体で取り組んでいくことによって企業ブランドの競争力は育まれ、社会にも、市場にも認知されていく。

 

ここで最も大事なことは、社会の変化やサステナビリティに関するトレンドキーワードの羅列であってはならないことである。組織の多様性や内発する自律性を原動力として確立された事業の独自性を発揮することで成し得るサステナビリティを示すことであり、サステナブル経営(サステナブルマネジメント)を実現していく姿が体現されていることである

 

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役 池邊純一

 

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