データが溢れる現代、情報を活用する企業が競争優位を確立する時代です。しかし、単にデータを集めて分析するだけでは不十分です。当社では、「データドリブン・インテリジェンス」を『データに基づく合理的*な意思決定を組織全体で行うための組織文化およびシステム基盤』と定義し、その基盤づくりを通じてお客様の成功を支援します。
ここで、「合理性」とは、効果的、俊敏、適切かつ持続可能で、透明性があり、公平で、適応性と創造性に富み、倫理的に意思決定することを意味します。単なる分析結果に依存するのではなく、データを起点とした意思決定の全プロセスが組織に深く根付くことで、あらゆるレベルでの協働とイノベーションを推進します。
1.組織文化の変革
1.1. 背景
急速な技術革新と変化するビジネス環境において、データ活用の有無が企業の成長に大きく影響します。しかし、現場でデータが正しく活用されるには、組織全体がデータドリブンな意思決定を支える文化を持つ必要があります。
1.2. データドリブン・インテリジェンスの定義
データドリブン・インテリジェンスとは、データに基づく合理的な意思決定を組織全体で行うための組織文化およびシステム基盤を指します。この合理性は、効果的、俊敏、適切かつ持続可能で、透明性があり、公平で、適応性と創造性に富み、倫理的に意思決定することを意味します。
1.3. データドリブン・インテリジェンスの組織文化の目的
この組織文化は、次の2つの柱によって実現されます:
Ⅰ.組織におけるコミュニケーション
- 組織におけるコミュニケーションは、**「意思疎通と意志疎通の循環的な連なり」**として定義され、組織全体が情報の伝達、理解、共有を通じて円滑に連携する基盤となります。
Ⅱ.意思決定の循環的な連なり
- 意思決定は、社会の趨勢に対するフォーサイト、自社の事業と変化の関わりへのインサイト、これまでの施策の結果に対するフィードバックなどの情報を起点に、段階的に最適な行動へとつなげる一連の流れを構築します。
- リスクの最小化と質の高い意思決定: 情報に基づく合理的な判断を通じて、リスクを軽減しながら最適な解を導きます。
- 透明で協力的な環境の整備: 全社員が共通の目標に向かってデータに基づき協力し合える文化を育成します。
- 継続的なイノベーションの推進: 効果的な情報の循環によって、イノベーションが自然に生まれる基盤を確立します。
2.フレームワーク
【組織文化の変革】
組織文化を変革するためには、段階的なアプローチが必要です。私たちは以下の3つのステップでサポートします。
ステップ 1: データ活用の現状診断
- データドリブン・インテリジェンスの啓発
- データ活用状況の調査(業務と指標と見方の整理)
- 課題の可視化と提言(戦略マップ作成)
- 意思決定プロセスにおけるボトルネックの特定と改善:たとえば、意思決定の遅延や情報伝達の断絶を特定し、それを解消するための情報共有プラットフォームやリアルタイムのデータフィードバックへの施策を提案します。
ステップ 2: データドリブンな文化を根付かせる施策の実施
- 経営管理層および現場社員向けのデータドリブン思考の研修
- 全社横断的なデータ活用への順次拡大
- 成果や改善点のフィードバック
ステップ 3: 継続的なモニタリングと改善
- データ活用の効果測定および次のアクションプラン策定
- 成果の社内共有と成功事例の横展開
◇想定する効果
◇◇個人の成果
- 意思決定のスピードアップと精度向上
- 部門間の連携強化による効率的な業務遂行
- 成果に基づいた適切なフィードバックで個人の成長を支援
◇◇組織能力の強化(他社には真似できない希少な優位性)
- データに基づく意思決定が組織のDNAに根付くことで、柔軟かつ持続的な競争優位を確立
- 組織として課題を解決(ブレークスルー)し、次のイノベーションを生み出す能力
- 外部環境の変化に即応できる組織としての強さ
【システム基盤の構築】
組織文化の変革と並行して、データを活用するための技術的基盤を構築します。このシステム基盤は、組織文化の深まりに応じて進化していくプロジェクトで進めていきます。プロジェクトは下記フェーズによって実施していくことになります
フェーズ 1: 要件定義と設計
- 組織の課題に応じたビジネス要件、および、システム要件の定義
- データ収集、統合、可視化の仕組みを設計
フェーズ 2: システム開発と導入
- データ分析ツールやダッシュボードの導入、および、生成AIやAIエージェントの活用
- セキュリティとデータガバナンスの適用
フェーズ 3: 運用と継続的な改善
- 日常業務でのデータ活用を支える運用サポート
- フィードバックに基づくシステムの改善と最適化
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