#278 自立と自律 地震に備える

 今年は、1月1日16時10分に能登半島地震(M7.6、最大震度7)が発生しました。そして、8月8日16時43分に宮崎地震(M7.1、最大震度6弱)が発生し、さらに「南海トラフ臨時情報の巨大地震注意」が発表されました。茨城から沖縄までの29都府県707市町村で避難経路の確認など備えを再確認する必要があります。そんな折も折、昨日(8月9日19時57分)にも神奈川県西部でM5.3、最大震度5弱、震源の深さ10㎞の地震も発生しました。

 こうした状況を踏まえ、避難経路の確認や防災グッズの再点検など、改めて、地震に備えた防災意識が高まっています。もっとも、防災と言っても、個々人ができることは、発災時の自分や家族の身の安全、次に、火の始末、そして、避難です。

 防災と言えば、自助・共助・公助を組み合わせた総合的な取り組みが重要だと考えられています。その一方で、自己責任を主張する人がいます。しかし、被災した時には、誰もが困難な状況に置かれていて、その場その場で、みんなで助け合わなければなりません。

 一方、自助・共助・公助は、何もかも、国や自治体の支援に頼っては駄目だということでもあります。一人ひとりが自力でできることは自分で、周囲の人と協力し合わなければならないことは皆で力を合わせて、防災マニュアルに沿って、あるいは、様々な状況に臨機応変に対応していかなければなりません。水道や県道等の復旧は自治体、電気/ガス/通信の復旧は業者、被害把握及び避難所わ仮設住宅の設置は自治体、生活再建支援は国が中心になってリーダーシップをとっていく必要があります。

 防災は「自己責任」であってはならず、自助・共助・公助は「助ける」だけではなく、それ以上に、被災した人たちが自分たちの意志に沿って、未来に向けて暮らしを立て直していけるように支援していく取り組みでなければなりません。

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一

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