プロセス改革に関する視点から捉えた戦略
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ここでは、プロセス改革に関する視点から捉えた戦略を提示する。
プロセス改革に関する視点から捉えた戦略
納期精度向上と遅延防止
- 何故、“納期精度向上と遅延防止”であるのか
- 直接的には、在庫品揃えと数量の適正化、顧客満足の向上につながる。
- “納期精度向上”のためには、販売部門からの受注見通し、在庫部門からの在庫状況、購買部門からの発注・納品見通しの情報、生産部門のリードタイムと負荷情報の緊密で正確な連携が必要となる。これらにより、部門間を横断したプロセスの改革へと結びついていく。
- “遅延防止”のためには、進捗状況の適確な把握と前後工程間での臨機応変な対応、ボトルネックの事前・早期解消と前後工程間での臨機応変な協力、突発事故の防止策と代替手段への切り替えの確立等が必要となる。これらにより、部門間を横断したプロセスの改革へと結びついていく。
- 納期精度向上と遅延防止の施策展開のポイント
- 顧客の要求する機能・品質を聞き取り、提供できる機能・品質を定義して齟齬が発生しないように事前に確認する
- 顧客の要求する機能・品質が明確でない場合には、工程毎に契約を分割して明確にしていく
- 提供する機能・品質を実現するために要する技術、原材料等とその調達リードタイム、開発・生産に要する期間、所要工数を見積もる
- 途中段階でレビューを行い、その時点での機能・品質の確認を取りながら進め、明確になった不明点を早期に解決することで、手戻りを減らす
- 手戻りのリスクが大きく、技術的・コスト的に可能であれば、プロトタイプを使って、具体的なモデルで検証する
- 段階的な機能・品質の明確化、段階的なレビューによる検証、プロトタイプによる検証ができない場合には、機能を限定し、部分的に実現させながら完成させていく(スパイラルモデル)
- 進捗管理を実施することにより、生じた遅延を早期に解決し、全体に対する影響を最小化させる。また、必要であれば、納期の見直しを行い、顧客への影響を最小限に抑えるようにする
受注調達のプロセス改革
- 何故、“受注調達プロセス改革”であるのか
- 直接的には、リードタイム短縮につながる。
- “受注調達プロセス改革”では、販売部門の受注見通し、購買部門の発注・納品見通しの情報の緊密で正確な連携が図られる。これらにより、部門間を横断した受発注プロセスの改革へと結びついていく。
- また、サプライヤの技術力、生産能力、品質状況、負荷状況、突発事故の際の対応能力、カントリーリスク、コンプライアンスリスクの状況についての正確な把握とともに、代替手段としての複数のサプライヤも確保しなければならない。
- この実現には、バックグラウンドとして、組織として変化に機敏に適応する行動力、変化を自ら創造する行動力が組織内に育っていることも必要である。
- 受注調達プロセス改革の実施項目例
- 商流、物流に関わる処理の手順、方法、手段を見える化し、どの時点で、どこにネックが生じているか分かるようにする
- 頻度の高い特殊処理(緊急処理、変更処理、キャンセル処理)を見える化し、どの時点で、どこにネックが生じているか分かるようにする
- 商流、物流に関わる決裁処理手順の簡素化を図り、決裁待ちを解消する (代行基準の設定、決裁代行者の指定等)
- 商流、物流に関わる処理の流れを可能な限り単純化して標準化を図り、一元化してコンピュータ処理できるものはコンピュータに任せる
- その時々のボトルネックに対して、スループットを最大化できるように、柔軟に計画を組み替えられるようにする
関連事項