プロセス改革に関する視点から捉えた戦略

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ここでは、プロセス改革に関する視点から捉えた戦略に示して参ります。


プロセス改革に関する視点から捉えた戦略

市場動向と開発から生在販までの適時化

  • 何故、“市場動向と開発から生在販までの適時化”であるのか
    • 直接的には、在庫品揃えと数量の適正化につながる。
    • “市場動向と開発から生在販までの適時化”のためには、販売部門・マーケティング部門・生産部門・在庫部門との緊密な情報連携が必要となる。そして、これらの基盤としての社会や市場、顧客ニーズの変化を先読みするプロデュース力の強化、開発力の強化、技術力の強化、部門間を横断したプロセスの改革力の構築が必要となる。
  • 市場動向と開発から生在販までの適時化のポイント
    • 売れるものを、販売機会ロスすることなく売るための情報共有の仕組みを構築する
    • 要望、クレーム情報共有の仕組みを構築する
    • 開発、生産、販売間の緩いネットワークが自律的に活性化できるようにする
    • 開発責任、生産責任、在庫責任、発注責任、販売責任を明確にする
    • 開発、生産、在庫、発注、販売(受注)に対する意思決定基準を明確にする
    • コンカレントに展開する仕組みを構築し開発から販売までの短期化を図る
    • 訴求力のある製品の開発から販売までを直結させて、求められる商品を先行して投入していく

プロセスの統合と一括化

  • 何故、“プロセスの統合と一括化”であるのか
    • 直接的には、費目別コスト要因精査による販管費の削減(営業部門、管理部門の人件費削減)、製造原価低減につながる。
    • “プロセスの統合と一括化”のためには、作業の集中化と平準化(様々な事業や部門で重複して行われている同じ作業の統合と負荷の分散)、業務連携の一貫性強化と連続化・円滑化(統合した業務との連携の効率化)、標準化と均質化(様々な事業や部門でバラバラの基準で行われている同じ作業を統一)を図る必要がある。これにより、プロセス改革、業務品質向上、技術力の強化、生産性向上へと結びついていく。
  • プロセスの統合と一括化の論点
    • 開発、調達、生産、物流、販売プロセスプロセスの一元管理により効率化を図る
    • 開発、調達、生産、物流、販売プロセス分散化により、地域の実情に合ったきめ細かいニーズへの即応を図る
  • プロセスの統合と一括化の実施手順例
    1. 市場、商圏内に密着して拠点を設置する
    2. そのセグメントの需要特性/変動に即応して製品を供給できる様にする
    3. 市場、商圏内に密着して拠点を設置するに際して、そのセグメントの規模に応じた拠点展開となっているか検証し改善する

リードタイムの短縮

  • 何故、“リードタイム短縮”であるのか
    • 直接的には、在庫品揃えと数量の適正化、顧客満足向上につながる。
    • “納入リードタイム短縮”“調達リードタイム短縮”“生産リードタイム短縮”“配送リードタイム短縮”のためには、受注調達のプロセス改革、多種変量生産への適応、完成品・半製品・部品原材料・補修部品の適正配置、販売物流拠点化が必要となる。これらにより、プロセスの改革へと結びついていく。
    • “開発リードタイム短縮”のためには、販売部門・マーケティング部門・生産部門・在庫部門との緊密な情報連携、社会や市場、顧客ニーズの変化を先読みするプロデュース力の強化、開発力の強化、技術力の強化が必要となる。
  • リードタイム短縮の実施項目例
    • トータルリードタイムに影響するクリティカルパスを分析する(クリティカルパスはその時の状況に応じて鬱岩割る)
    • 開発リードタイムが納期に対して適正か、予定に対して長くなっていないか、継続的な効率化により短期化できないか評価し、改善する。(JITの導入、TOCの導入等)
    • 調達リードタイムが納期に対して適正か、予定に対して長くなっていないか、継続的な効率化により短期化できないか評価し、改善する
    • 生産リードタイムが納期に対して適正か、予定に対して長くなっていないか、継続的な効率化により短期化できないか評価し、改善する。(JITの導入、TOCの導入、製番管理の徹底等)
    • 配送リードタイムが納期に対して適正か、予定に対して長くなっていないか、継続的な効率化により短期化できないか評価し、改善する

業務間連携の一貫性強化と連続化・円滑化

  • 何故、“業務間連携の一貫性強化と連続化・円滑化”であるのか
    • 直接的には、“無理・無駄・ムラの排除、省力化”“プロセスの統合と一括化”の基盤となり、販管費の削減、製造原価低減につながる。
    • “業務間連携の一貫性強化と連続化・円滑化”により、待ちやボトルネックによる滞留の防止、統合した業務との連携の効率化、を図ることができる。これにより、プロセス改革、業務品質向上、技術力の強化、生産性向上へと結びついていく。
  • 業務間連携の一貫性強化と連続化・円滑化施策の実施手順例
    1. 待ち時間の最小を意図した工程計画を策定する
    2. 作業の並行処理化を図る
    3. クリティカルの工程をばらし、余裕のある工程で吸収できるようにする
    4. その時点で発生しているボトルネックを監視し、集中的に解消を図る
    5. 一部の障害発生時に全体が止まらないように工程をデザインする
    6. 不具合発生時に、全体連携した対応ができるように計画する

納期精度向上と遅延防止

  • 何故、“納期精度向上と遅延防止”であるのか
    • 直接的には、在庫品揃えと数量の適正化、顧客満足の向上につながる。
    • “納期精度向上”のためには、販売部門からの受注見通し、在庫部門からの在庫状況、購買部門からの発注・納品見通しの情報、生産部門のリードタイムと負荷情報の緊密で正確な連携が必要となる。これらにより、部門間を横断したプロセスの改革へと結びついていく。
    • “遅延防止”のためには、進捗状況の適確な把握と前後工程間での臨機応変な対応、ボトルネックの事前・早期解消と前後工程間での臨機応変な協力、突発事故の防止策と代替手段への切り替えの確立等が必要となる。これらにより、部門間を横断したプロセスの改革へと結びついていく。
  • 納期精度向上と遅延防止の施策展開のポイント
    • 顧客の要求する機能・品質を聞き取り、提供できる機能・品質を定義して齟齬が発生しないように事前に確認する
    • 顧客の要求する機能・品質が明確でない場合には、工程毎に契約を分割して明確にしていく
    • 提供する機能・品質を実現するために要する技術、原材料等とその調達リードタイム、開発・生産に要する期間、所要工数を見積もる
    • 途中段階でレビューを行い、その時点での機能・品質の確認を取りながら進め、明確になった不明点を早期に解決することで、手戻りを減らす
    • 手戻りのリスクが大きく、技術的・コスト的に可能であれば、プロトタイプを使って、具体的なモデルで検証する
    • 段階的な機能・品質の明確化、段階的なレビューによる検証、プロトタイプによる検証ができない場合には、機能を限定し、部分的に実現させながら完成させていく(スパイラルモデル)
    • 進捗管理を実施することにより、生じた遅延を早期に解決し、全体に対する影響を最小化させる。また、必要であれば、納期の見直しを行い、顧客への影響を最小限に抑えるようにする

受注調達のプロセス改革

  • 何故、“受注調達プロセス改革”であるのか
    • 直接的には、リードタイム短縮につながる。
    • “受注調達プロセス改革”では、販売部門の受注見通し、購買部門の発注・納品見通しの情報の緊密で正確な連携が図られる。これらにより、部門間を横断した受発注プロセスの改革へと結びついていく。
    • また、サプライヤの技術力、生産能力、品質状況、負荷状況、突発事故の際の対応能力、カントリーリスク、コンプライアンスリスクの状況についての正確な把握とともに、代替手段としての複数のサプライヤも確保しなければならない。
    • この実現には、バックグラウンドとして、組織として変化に機敏に適応する行動力、変化を自ら創造する行動力が組織内に育っていることも必要である。
  • 受注調達プロセス改革の実施項目例
    • 商流、物流に関わる処理の手順、方法、手段を見える化し、どの時点で、どこにネックが生じているか分かるようにする
    • 頻度の高い特殊処理(緊急処理、変更処理、キャンセル処理)を見える化し、どの時点で、どこにネックが生じているか分かるようにする
    • 商流、物流に関わる決裁処理手順の簡素化を図り、決裁待ちを解消する (代行基準の設定、決裁代行者の指定等)
    • 商流、物流に関わる処理の流れを可能な限り単純化して標準化を図り、一元化してコンピュータ処理できるものはコンピュータに任せる
    • その時々のボトルネックに対して、スループットを最大化できるように、柔軟に計画を組み替えられるようにする


関連事項

  1. 戦略マップ メインページ


引用