変化を捉えて率先垂範して行動するか
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ここでは、変化を捉えて率先垂範して行動する組織文化について掘り下げ、変動要因として捉えて参ります。
目次
変化を捉えて率先垂範して行動する組織文化に特徴づけられる変動要因とその論点
変化を捉えて率先垂範して行動するか組織文化について掘り下げる上で、共通に認識しておかなければならない論点がある。
- 社会、市場は、常に急速に多様に、変化している。どの企業も、生き残りをかけて少しでも早く、少しでも多くの知見を獲得し、他社との差別化を図って優位性を確保しようとしている。
- ビジネス環境の変化に対して、今のままでも何とかなるだろうと何ら手を打たないまま放置してしまうと、やがては、抑制が効かないほどに大きな問題となって襲いかかってくる。
また、変化を捉えて率先垂範して行動する組織文化を阻害する要因があるとして、その背景には以下の理由が潜んでいると考えられる。
- [マンネリズム化]
- 一定の技法や形式を反復慣用し、固定した型にはまって独創性や新鮮さを失うようになる傾向(広辞苑第六版)
- 人間の深層にある、時間の経過と共に顕著になって現れてくる心理的作用が、組織の中にある持続可能な発展に向けた意欲を阻害する。
- [火中の栗を拾わない]
- 自身の立場や利害損得がかかっていて、何もしなくても今のままが得なら何もしない。
- [茹で蛙の法則]
- 例え重大な変化であっても、変化が緩やかなうちは、安穏と過ごしていたい。
もし、社会、市場の変化から目を背けているとすれば、それはどういうことか
新たな変化の視点で課題を認識していない
- “新たな変化の視点で課題を認識していない”とは
- 組織の中で気づかれぬ内に、いつの間にか、誰もが社会や市場の変化にから目を背けて、組織内の利害得失だけで思考し行動する習慣が定着してしまう。
- “社会や市場の変化にから目を背けている”ことで“新たな変化の視点”を持つ機会を失い“課題認識”の機会も失う。
- “新たな変化の視点で課題を認識していない” の論点(捉え方の軸と筋道)
- ビジネス環境の変化に対して“新たな変化の視点で課題を認識していない”と、やがては大きな変化の波に乗り遅れてしまい、競争優位性を失ってしまう。ひいては、企業の存続を危うくする。
- “新たな変化の視点で課題を認識していない”理由
- 人は成功体験や日々積み上げてきた経験にしがみつくものであり“新たな変化の視点で課題を認識していない”ことは屡々生じる。
- 誰しも、“火中の栗を拾わない”、“出る杭は打たれる” でいることが、安定した生き方の様に思える。だから、“変化”に対して“新たな変化の視点で課題を認識していない”ことになる。
- 社会、市場の変化を分析しているか
- 何故、“社会、市場の変化を分析する” であるのか
- アインシュタインの言葉 “We can't solve problems by using the same kind of thinking we used when we created them.”
- “それまでの発想を超えた視点”であるために、変化を捉えようという発想がなければ、新たな変化を捉えることはできない。新たな変化を捉えることができなければ、その兆しを捉えることは、尚更に難しい。
- 変化、特に、その兆しを捉えることができなければ、現状の課題を見つけることもできず、“茹で蛙”と同様に、いつの間にか社会や市場の変化から取り残され、事業としても後追いになってしまう。
- 多くの場合、事業や商品の視点から社会、市場を分析して対応を考えようとする。しかし、それまでの発想を超えた視点に立って見なければ、いくら分析しても新しい気づきは起きない。
- “それまでの発想を超えた視点に立つ”とは、社会、市場、顧客ニーの視点に立って変化を分析することから始まる。
- 何故、“社会、市場の変化を分析する” であるのか
- 如何に“社会、市場の変化を分析する”を実施するのか
- 社会、市場、顧客ニーズの変化の兆しを捉らえて新たな事業を興すためには、仮説を立てて、事実を調べて問題に気づき、その意味を理解し、実現するための課題を分析し、課題を解決する方法を考える。
- “社会、市場の変化を分析する”には、ただ単に、無闇矢鱈に軸を切ってデータを分析すれば良いというものではない。仮説を立てて、本当にその仮説が成り立つか事実(データ)を分析して検証しなければならない。
社会の感覚と組織文化にギャップが生じている
- “社会の感覚と組織文化にギャップが生じている”とは
- 社会全体としての価値観の変化が、企業の理念、商品のコンセプトにも関わってくる。ただ生活を楽にする便利なモノ、楽しいモノ、安いモノを作れば良い時代は終焉した。
- 成熟化する社会では、安心・安全への志向が強まっていく。商品の品質ばかりでなく、調達・生産工程の環境への配慮、長期の使用における安心・安全への配慮、リサイクルへの配慮が求められる様になってきている。
- コスト意識も厳密化してきている。低価格であるばかりでなく、電気代やメンテナンス費用などの運用コストにも配慮しなければならなくなってきている。
- コストと同等に温暖化ガスの排出にも気を配らなければならなくなってきている。
- 「モノづくり」「コトづくり」「ヒトづくり」への志向の変化が、サービスを付加価値としてモノを売る時代からサービスを中心に考えて売る時代へ、そしてサービスを提供するプラットフォームとしてのモノの提供の時代へと変化してきている。
- 社会全体としての価値観の変化が、企業の理念、商品のコンセプトにも関わってくる。ただ生活を楽にする便利なモノ、楽しいモノ、安いモノを作れば良い時代は終焉した。
- “社会の感覚と組織文化にギャップが生じている” の論点(捉え方の軸と筋道)
- どんなに定番で長く売れる商品であっても、時代の変化に合わせて商品も変化させて行かなければならない。実際に、時代を超えた定番商品は、様々な工夫を凝らしながら少しずつ変化させてきている。むしろ、だから長年売れ続けた定番商品なのである。
- 一方、生活様式が大きく変わることで、不要になる商品もある。この場合は、既存事業に拘っているどころではなく、早急に新たな商品を打ち出していかなければならない。
- 様々な社会の変化の中に価値観に関する変化がある。それは、緩やかな変化である場合もあれば、何かをきっかけとした突然の変化である場合もある。組織がこれまで培ってきたものがボイコット(ある目的を貫徹するために、相手を共同して排斥すること。広辞苑第六版)されることにもある。
- 電化の波は生活様式を一変させた。しかし、その生産工程で出る廃液が公害を生み出し、社会問題となった。
- オートモービル化への波で自動車が普及したが、排気ガスが大気汚染を引き起こし、公害問題となった。
- ビジネス環境の変化に対して“社会の感覚と組織文化にギャップが生じている”と、やがては大きな変化の波に乗り遅れてしまい、競争優位性を失ってしまう。ひいては、企業の存続を危うくする。
- “社会の感覚と組織文化にギャップが生じている”理由
- 人は成功体験や日々積み上げてきた経験にしがみつくものであり“新たな変化の視点で課題を認識していない”ことは屡々生じる。
- 誰しも、“火中の栗を拾わない”、“出る杭は打たれる” でいることが、安定した生き方の様に思える。だから、“変化”に対して“その場凌ぎの計画になってしまう”ことになる。
- 社会の感覚と組織文化のギャップを感じとって違いを認識し埋めているか
- 何故、“社会の感覚と組織文化のギャップを感じとって違いを認識し埋めていく” であるのか
- 企業の儲けばかりに目を向けていると、社会や顧客から疎まれる。
- どんなに会議室で議論して戦略を構想しようとも、自社にとっての経済的合理性や効率だけの視点で業務を革新しようとも、また、組織を変革しようとも、社会や市場の変化を起こしている顧客と同じ視線でものごとを捉えて、真に困りごとに共感したものでなければ支持されない。
- ここで、何よりも大事なことは、社会の感覚と組織文化のギャップを感じとって違いを認識し、それを埋めていくことである。さもなくば、顧客と同じ視線でものごとを考えることも、困りごとに真に共感することもできない。
- 如何に、““社会の感覚と組織文化のギャップを感じとって違いを認識し埋めていく””を実施するのか
- 社会、市場、顧客ニーズの変化の兆しを捉らえて新たな事業を興すためには、更に、“社会の感覚” と “組織文化” の間にある認識のギャップを感じ取っていく“社会、市場の変化とのギャップを分析する”ことからプロセスを踏んでいくことになる。
- “社会、市場の変化とのギャップを分析する”ための王道はない。兎に角、営業の現場に出て、色々な人と話し、現場を直接見ることである。しかし、組織の色眼鏡で現場を批判的に見ても得るものはない。現場から学び、何を発見できるかがポイントとなる。
- このためには沢山の現場を見てきた経験から“勘”を磨くことも必要である。
- 何故、“社会の感覚と組織文化のギャップを感じとって違いを認識し埋めていく” であるのか
組織を保身する目で変化を見ている
- “組織を保身する目で変化を見ている”とは
- 社会や市場の変化を認識していながら、それをビジネスチャンスと捉えるのではなく、むしろ、既存事業への驚異と受け取ることである。
- 欧米的思考方法で戦略を構想するときに、SWOT分析(強み-弱み、機会-驚異)を行うことがある。ものごとを二項対立(二つの概念が対立や矛盾の関係にあること。また、その概念によって世界を単純化して捉えること。広辞苑第六版)の軸で分析する方法である。
- SWOT分析の問題点は、社会や市場の変化を安易に“機会-驚異”で捉えてしまうことであり、変化を[驚異]と受け取ったときから、[驚異]である変化に対して、組織は戦略的に経営資源を[強み]の一層の強化と[弱み]の補強に集中させてしまう。
- 現実的には、社会や市場の変化を上手く捉えて、自らの組織を順応させながら、それまでの事業を活かして競争優位性を維持してきた企業が生き残ってきている。
- “組織を保身する目で変化を見ている” の論点(捉え方の軸と筋道)
- ビジネス環境の変化に対して“組織を保身する目で変化を見ている”と、やがては大きな変化の波に乗り遅れてしまい、競争優位性を失ってしまう。ひいては、企業の存続を危うくする。
- “組織を保身する目で変化を見ている”理由
- 周りの変化が速くて、とてもじゃなく付いていけないとき、その変化に対して逃避し、自己防衛に走るものである。
- 人は成功体験や日々積み上げてきた経験にしがみつくものであり“組織を保身する目で変化を見ている”ことは屡々生じる。
- 誰しも、“火中の栗を拾わない”、“出る杭は打たれる” でいることが、安定した生き方の様に思える。だから、“変化”に対して“組織を保身する目で変化を見ている”ことになる。
- 現状の保身に走っていては駄目だという問題意識を持っているか
- 何故、“現状の保身に走っていては駄目だという問題意識を持つ” であるのか
- 誰であれ “現状の保身” でものごとを考えてしまう。
- 社会、市場、顧客ニーズが急速に、多様に変化する一方、組織はこれまでのやり方をより一層堅固にして対応しようとする。しかし、必ずや、それまでの知見や経験が適用できない新たな状況に遭遇して、適切に行動できなくなる。
- 如何に“現状の保身に走っていては駄目だという問題意識を持つ”を実施するのか
- 新たな変化に適応していくために、組織は柔軟に判断しなければならない。
- “新しい意識で発想して問題解決に当たる”ためには、“現状の保身に走っていては駄目だという問題意識を持つ”ことが必要である。これまでの経験知識に固執したり、管理上の合理性に基づく基準であったりしてはならない。
- 何故、“現状の保身に走っていては駄目だという問題意識を持つ” であるのか
もし、創造性を拒む壁があるとすれば、それはどういうことか
創造的思考の土壌がない
- “創造的思考の土壌がない”とは
- 定型的に決められたサービスをきっちり提供する業務、オペレーションを請け負って迅速で正確な操作を提供する業務、生産ラインでの単一作業を高品質高効率にこなさなければならない業務等では、創造的思考をしている暇もなく、むしろ規定外作業と見なされ、求められる品質を提供する上で邪魔なことだと考えられる。
- これらは全て、画一的商品の大量消費、大量生産、大量販売をモデルとした“ものづくり”の発想であり、こうした環境の下では“創造的思考の土壌”は育たない。
- 社会が成熟化し、一人ひとりの個性に合わせて、その場その時点での多様なニーズを満すことが求められる様になってくると、画一的製品を中心とした価値の提供ではなく、サービスを中心とした価値の提供が問われるようになる。
- この場合、現場での自己裁量で何をするべきか考えて、その場で提供されるサービスの価値が問われる。“サービスを提供するプラットフォームとしてのモノ”の提供ができなければならない。
- これからは、“創造的思考の土壌”が競争優位性の基盤となる。
- “創造的思考の土壌がない” の論点(捉え方の軸と筋道)
- ビジネス環境の変化に対して“創造的思考の土壌がない”と、やがては大きな変化の波に乗り遅れてしまい、競争優位性を失ってしまう。ひいては、企業の存続を危うくする。
- “創造的思考の土壌がない”理由
- 人は成功体験や日々積み上げてきた経験にしがみつくものであり、大量生産、大量販売をモデルとしてきた企業にとっては“創造的思考の土壌がない”ことは屡々生じる。
- 誰しも、“火中の栗を拾わない”、“出る杭は打たれる” でいることが、安定した生き方の様に思える。だから、“変化”に対して“創造的思考の土壌がない”ことになる。
- 創造性を育む事業に転換できているか
- 何故、“創造性を育む事業に転換する” であるのか
- 社会、市場、顧客ニーズの変化の兆しを捉えて、競争力のある事業を興すためには、“新たなアイディアを出して創造する組織”にならなければならない。
- そのためには、多様な価値観を持つ人達の一人ひとりが専門分野で生かされ、独自に、新たなアイディアを出しコンセプトを創造していく組織にしなければならない。
- 如何に“創造性を育む事業に転換する”を実施するか
- 多様な価値観を持つ人達の一人ひとりが専門分野で生かされ、独自に、新たなアイディアを出しコンセプトを創造していく組織にしていくためには、ただ単に、組織構造を組み替えるだけでは実現できない。創造的思考を鍛え、創造的思考の土壌を育てて、自ら創造的に思考する習慣を付けなければならない。
- 創造性を重視する事業に転換する
- 日常的に、自ら新たなアイディアを出すことが求められる環境を作る
- 新たなアイディアを皆で議論し磨き上げていく環境を作る
- 新たなアイディアを評価する
- 但し、創造的な活動を不得手にしている人もいる。無理強いはせず、適材適所で配置することが大事である。
- 多様な価値観を持つ人達の一人ひとりが専門分野で生かされ、独自に、新たなアイディアを出しコンセプトを創造していく組織にしていくためには、ただ単に、組織構造を組み替えるだけでは実現できない。創造的思考を鍛え、創造的思考の土壌を育てて、自ら創造的に思考する習慣を付けなければならない。
- 何故、“創造性を育む事業に転換する” であるのか
人事評価制度が創造的活動の足枷になっている
- “人事評価制度が創造的活動の足枷になっている”とは
- “人事評価制度”は、その企業が展開している事業に携わる人達が最大のパフォーマンスを発揮できたかを評価することを目的に設計される。当然のことながら、既存事業のための制度となる。
- 今時点の社会や市場の変化に直面しているのは現場であり、過去の経験を元に、既存事業の最適化を目的として設計化された“人事評価制度”は、現場感覚とは乖離したものとなってしまう。
- 成熟化した社会においては、画一的製品を中心とした価値の提供ではなく、サービスを中心とした価値の提供が問われるようになってきているが、そのことが理解されることなく“人事評価制度”が設計され固定化されてしまう。
- この結果として、“人事評価制度が創造的活動の足枷”となっていく。
- “人事評価制度が創造的活動の足枷になっている” の論点(捉え方の軸と筋道)
- ビジネス環境の変化に対して“人事評価制度が創造的活動の足枷になっている”と、やがては大きな変化の波に乗り遅れてしまい、競争優位性を失ってしまう。ひいては、企業の存続を危うくする。
- “人事評価制度が創造的活動の足枷になっている”理由
- 人事制度は、一旦決めてしまうと、やたらとは変更できない。“人事評価制度が創造的活動の足枷になっている”ことは当然のこととして生じる。
- 人は成功体験や日々積み上げてきた経験にしがみつくものであり、エリート教育の中で知識として学んできた“人事評価制度”を棄却することは難しい。このために“人事評価制度が創造的活動の足枷になっている”ことは屡々生じる。
- 誰しも、“火中の栗を拾わない”、“出る杭は打たれる” でいることが、安定した生き方の様に思える。だから、“変化”に対して“人事評価制度が創造的活動の足枷になっている”ことになる。
- 創造を誘発する人事評価制度を確立しているか
- 社会、市場、顧客の変化の兆しを捉えて、競争力のある事業を興すためには、多様な価値観を持つ人達の一人ひとりが、専門分野で生かされ、内発し自律して、独自に新たなアイディアを出し、コンセプトを創造していかなければならない。
- そして、そのためには、人事評価制度が創造的活動の足枷になってはならない。多様性、内発性、自律性、創造性のある行動が高く評価される、新たな事業の創造を誘発する人事評価制度でなければならない。
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