Strategy from the viewpoint about inventory

ここでは、在庫に関する視点から捉えた戦略に示して参ります。

在庫に関する視点から捉えた戦略

在庫水準の適正化、滞留在庫の圧縮

• 何故、“在庫水準適正化、滞留在庫圧縮”であるのか
  • 直接的には、投下資本回転率向上につながる。
  • “在庫水準適正化、滞留在庫圧縮”のためには、安全在庫管理の精緻化、在庫品揃えと数量の適正化、品質適正化とバラツキ低減を図る必要がある。ひいては、プロセス改革、業務品質の向上につながる。
  • “在庫水準適正化、滞留在庫圧縮”のためには、在庫責任を明確にすることが必要である。また、新商品等、政策的に在庫水準を決められるものについても、その責任のい所在を明確にしなければならない。
  • 在庫金利の負担、在庫品の値上がりや値崩れについても、同様に、その責任の所在を明確にする必要がある。
• 在庫水準適正化、滞留在庫圧縮施策の論点
  • 製品のライフサイクル、ライフステージ、耐用期間（消費期限）、利益率に即して適正な在庫水準を設定する
  • 政策在庫の妥当性を精査し、適正在庫量を見直す
  • 景気等の変動要因を補正して適正生産量、基準在庫量の精度を向上させる

安全在庫管理の精緻化

• 何故、“安全在庫管理の精緻化”であるのか
  • 直接的には、在庫水準適正化、滞留在庫圧縮につながる。
  • “安全在庫管理の精緻化”といっても、全ての商品や原材料について厳密に管理しようとすると却って管理コストがかかってしまう。事業にとって重要なもの、売れ筋で回転の早いもの、定番商品等について重点的に管理を行うべきである（いわゆる、在庫のABC管理）。
  • 在庫数量、仕入数量、払い出し数量、需要見通し、販売見込み、リードタイム等、データに基づいた管理を行う必要がある。但し、新製品について、また、潮目の見極めについては、経験知が必要となる。
  • “安全在庫管理の精緻化”を行うことにより、ひいては、プロセス改革、業務品質の向上につながる。
• 安全在庫管理のポイント
  • 荷動き状況を管理し、欠品の可能性がある場合、または、所定の期間回転しない滞留在庫の可能性がある場合には、適正在庫水準を評価し見直す
  • 需要動向、生産調達能力、コストミニマムのロットサイズを総合的に評価し、欠品、若しくは、滞留在庫とならない在庫水準となる様に適宜基準在庫を見直す
  • 調達コスト、在庫コスト、配送コストを総合的に評価し、各ロケーションへの分散（夫々のロケーションで欠品や滞留を起さない）と総量（全体として死蔵品とならない）を管理する　（在庫コスト、リードタイムを合せて在庫偏在を解決する）
  • 在庫削減の方策を策定し、徹底することにより在庫の圧縮を図る

在庫品揃えと数量の適正化

• 何故、“在庫品揃えと数量の適正化”であるのか
  • 直接的には、在庫水準適正化、滞留在庫圧縮につながる。
  • 営業の担当者からすると、短納期での納入を約束することで受注を獲得したいものであり、営業成績にも関わる重要な問題でる。このため、定番品や売れ筋品の在庫品揃えには、その責任の所在と科学的管理が必要となり、在庫数量、仕入数量、払い出し数量、需要見通し、販売見込み、リードタイム等、データに基づいた管理が求められる。
• 在庫品揃えと数量の適正化についての多様な視点
  • Ａ品、Ｂ品、Ｃ品の階層別に発注点管理、在庫基準管理を行うことにより、適正な在庫補充と品揃えを実現する
  • 需要動向に即して、過剰在庫、滞留在庫、死蔵品とならない様に定期的に在庫を管理し、適正な在庫補充と品揃えを実現する
  • 過剰納入、先行納入の禁止、直送化、プールとしての在庫禁止といった方針を策定して在庫管理を行うことにより、適正な在庫補充と品揃えを実現する
  • 減損への対応、若しくは、不良品との取替え、修理のための代替品や部品のストック等メンテナンスへの対応を加味して在庫基準や発注管理方法を見直すことにより、適正な在庫補充と品揃えを実現する
  • 商流、物流に関わるワークフローの状況を監視し、納期遅延の発生を防止するとともに、納期遅延が発生している場合には再発防止を策定し、改善を図る
  • 商流、物流を木目細かく監視し、品切れを防止するとともに、品切れが発生している場合には再発防止を策定し、販売機会損失の防止改善を図る
  • 商流、物流に関わるワークフローを評価し、多品種品揃え化への迅速で木目細かい対応の仕組みを策定する

関連事項

1. 戦略マップ